EC競合分析のやり方|比較6項目・調べ方と改善例

  • LINEで送る
商品や購入条件と買いやすさを調べECの改善へつなげる

EC(電子商取引)の競合分析では、同じ顧客が比較するショップの商品・販売条件・集客・購入体験を調べ、自社の改善点を探します。商品を探し、選び、注文し、受け取るまでを、同じ条件で比べると、価格以外の違いも見えてきます。

たとえば、同じ商品を扱っていても、送料や届く日の分かりやすさによって、購入前の迷いは変わります。一方、競合の注文数や購入率は、公開ページを見ただけでは分かりません。確認できた事実と、そこから考えた仮説を分ける必要があります。

この記事では、比べる店舗の選び方、ECサイトで見る6項目、情報の調べ方、改善につなげる手順を解説します。自社ECとモールの両方を扱います。

この記事でわかること

  • ECサイトを同じ条件で比較する6項目
  • 無料で見られる情報と、外部ツールの推計の違い
  • 比較結果から自社ECの改善を選ぶ方法

広告サービス紹介|ライバルマーケティング広告

まず、自社ECの課題と比べる店舗を決める

最初に、今回の調査で何を決めたいかを絞ります。自社の課題と関係のある店舗・商品を選ぶと、集めた情報を改善へ使いやすくなります。

調べる目的と商品の用途から比較する店舗を絞る
自社の課題から、比べる商品と店舗を絞ります。

集客の不足か、購入前の迷いかを整理する

自社のアクセスや受注の記録を見て、どこを調べたいかを決めましょう。「商品ページに訪れる人が少ない」のか、「訪れてもカートへ進まない」のかで、競合を見る場所は変わります。

集客を見直すなら検索結果や広告、SNSからの商品ページへの案内を、購入前の迷いを減らすなら商品の説明、送料、納期、注文手続きを重点的に確認します。「売上を上げたい」から一歩進め、今回確かめる問いにすることが出発点です。

顧客が同じ用途で迷うショップを選ぶ

商品名や用途で検索し、自社の顧客が比較しそうなショップを探します。同じ型番を売る店舗に加え、同じ予算や用途で選ばれる別の商品も候補になります。顧客に購入理由を聞けるなら、ほかに何と迷ったかも確認します。

ブランドが顧客へ直接販売するD2Cでも、有名なブランドだけを並べる必要はありません。価格帯、贈り物か自分用か、必要な機能など、購入条件が重なる相手を優先します。

自社サイトとモールでは、比べる単位をそろえる

自社ECではサイト全体の案内も比較できますが、モールでは共通の画面や機能が多くあります。モール全体の規模、個別ショップの販売条件、ひとつの商品ページを混ぜず、何を比較した数字や観察なのかを明記してください。

自社サイトとモールの商品ページを比べる場合も、商品を探す場面なのか、商品を選んだ後の条件確認なのかを決めます。同じ顧客が、同じ目的で使う場面をそろえることが、比較の土台になります。

ECサイトで比べる6項目

商品や価格に加え、見つけやすさ、注文、受け取りまでを確認します。下表を出発点に、今回の課題と関係する項目を選びましょう。

商品と条件から注文と受け取りまでを同じ条件で確認する
商品を選んでから受け取るまでを、同じ条件で確認します。
比較する項目確認する内容そろえる条件
商品・品ぞろえ主力商品、種類、容量、セット用途・型番・数量
価格・購入条件税込価格、送料、割引、特典購入数・配送先・適用条件
集客・訴求検索結果、公開広告、SNSの案内検索語・確認日・媒体
商品の探しやすさカテゴリー、絞り込み、説明探す商品・端末・操作
注文・決済会員登録、入力項目、支払方法購入経路・利用条件
配送・顧客対応配送目安、返品案内、相談先曜日・締切・地域

参考資料の要約:株式会社いつもは、競合店を調べる際に、価格・品ぞろえなどの商品軸と、配送・送料・保証などのサービス軸を確認する方法を紹介しています。レビュー、購入、サイト全体の調査を使い分ける考え方も示しています。上表は、ECの購入前後を見渡せるよう本記事で整理したものです。

出典:株式会社いつも「競合店を調査するときのポイント」

品ぞろえと価格は、購入条件まで合わせる

売場の主力商品やセット内容、容量、サイズの選択肢を見ます。同じように見える商品でも数量や付属品が違うため、商品名だけで価格を並べないようにしましょう。

支払額を比較するときは、税込価格と送料、必須の手数料を確認します。会員限定の割引や将来使えるポイントは、誰でも同じように使えるとは限りません。適用条件を記録し、支払う金額と特典を分けます。

スマホで探し、条件を確かめ、注文へ進めるかを見る

同じ商品を探す操作を決め、カテゴリーや絞り込みでたどり着けるか、商品ページで必要な違いが分かるかを見ます。食品なら内容量や原材料、衣類ならサイズの説明など、その商品の購入判断に必要な情報を確認してください。

注文の直前には、会員登録の要否、利用できる決済、入力する内容、送料が分かるタイミングを見ます。見た目が整っているだけで使いやすいと評価せず、どの操作や確認で迷ったのかを残しましょう。

配送と購入後の案内も、商品ページから確認する

届く日の目安、注文の締切、配送地域による違い、返品・交換の条件、問い合わせ先を確認します。案内が存在するかだけでなく、購入前に見つけやすい場所へ置かれているかも比較します。

実際の梱包や購入後の連絡まで確かめるには、通常の購入調査が必要です。必要な相手に絞り、商品代金や送料も調査費へ含めます。公開ページで分かったことと、実際の購入で確かめたことは分けて記録してください。

価格の差と、購入前後の手間や不安の差を分けて考えると、改善する場所を選びやすくなります。

競合価格調査の進め方|比較条件・調べ方・値付けの判断競合価格調査の進め方|比較条件・調べ方・値付けの判断送料・ポイント・契約期間など、価格を同じ条件で比べる方法を解説しています。関連記事|マーケティングノート

公開情報と推計データを使い分けて調べる

競合の商品ページで読める条件と、外部ツールが推計する数字では、情報の性質が違います。自社の管理画面の実績も含め、出所と対象範囲を分けて扱いましょう。

公開ページと外部の推計と自社の記録を分けて扱う
公開情報・外部の推計・自社の記録を分けて扱います。

公式ページとレビューから、確かめる問いを探す

商品ページ、配送・返品の案内、FAQ(よくある質問)、公開された広告やSNSを確認します。レビューでは、どの商品を何に使い、何を評価し、何に困ったのかを読みます。

たとえば「届く日が分かりにくかった」という投稿があれば、現在の案内や購入経路を確認するきっかけになります。ただし、古い投稿や個別の事情もあるため、レビューの平均点や少数の意見を顧客全体の評価とは扱いません。

流入を調べるツールと、モール売上を推計するツールを分ける

サイトへの訪問や流入元の傾向を調べる用途には、Similarwebなどのトラフィック分析ツールがあります。一方、対象モールの店舗・商品別の売れ行きを比較したいなら、ECモール向けの推計データを扱うサービスが候補になります。

導入前に、対象のモールや国、店舗・商品などの単位、過去データの期間、更新頻度を確認します。知りたい数字が表示されるかを確かめてから、費用や作業の負担を比較しましょう。

公式情報の要約:Nintは、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングを対象に、独自の推計技術で競合の売上・販売数量・価格・シェアを可視化する「Nint ECommerce」を提供しています。モールのデータを調べる場合も、推計値として読むことが前提です。

出典:株式会社Nint 公式サイト

競合の売上や購入率を、公開情報だけで断定しない

レビュー件数やランキングの順位は、販売金額そのものではありません。売上が公表されている場合も、会社全体の売上なのか、特定のEC店舗や商品なのかを区別します。競合の購入率やリピート率も、外から当然に確認できる数字ではありません。

外部ツールの推計は、同じ期間・対象範囲での比較や傾向を見る材料にします。データが出ないときに、アクセスや売上がゼロだと判断しないでください。

公式資料の要約:Similarwebは、データが推計であり、直接計測した数値との完全な一致は想定していないと説明しています。また、小規模サイトなどでは取得できる結果が限られる場合があるとしています。

出典:Similarweb「Data Accuracy」

競合サイトのアクセス数を調べる方法|無料ツールと推定値の見方競合サイトのアクセス数を調べる方法|無料ツールと推定値の見方競合サイトのアクセス数を調べる手段と、推計値の条件・限界を解説しています。関連記事|マーケティングノート

比較メモに、出典と条件、次の確認を残す

店舗名、対象商品、URL、確認日、比較した条件を記録します。数値には公開された実績か推計かを添え、情報が見つからない項目は未確認のまま残します。

そのうえで、「配送目安が商品ページ内にある」は確認した事実、「贈る日が決まっている人に分かりやすそう」は仮説、と分けます。違いを記録した後に、顧客への影響と、次に何で確かめるかを書き足すことが重要です。

競合分析テンプレートを無料配布|比較表の項目・Excel記入例競合分析テンプレートを無料配布|比較表の項目・Excel記入例比較条件・出典・施策の記録に使える無料Excelと、記入例を紹介しています。関連記事|マーケティングノート

比較結果から、自社ECの改善を一つ決める

競合との違いが見つかったら、自社の顧客が困る場面へ置き換えます。顧客への影響と、自社で実現する負担を確認し、試す改善を選びましょう。

配送の案内を改善して自社の反応を確かめる
顧客の迷いを減らす案を選び、自社の反応を確認します。

ギフト菓子の仮定例で、配送の案内を見直す

説明用に、ギフト菓子を販売するショップを想定します。自社ではFAQへ移動しないと配送目安が見つからず、競合では商品ページ内で確認できると仮定します。実在するショップの調査結果や成功事例ではありません。

この違いから、「贈る日が決まっている顧客は、到着の見通しが分からず迷うかもしれない」と考えられます。まず、自社への納期の問い合わせや、商品ページから注文へ進む状況を確認します。表示場所の違いだけで、競合の売上が高い理由だと結論づけないことが大切です。

顧客への影響と、運営上の負担から試す案を選ぶ

既に案内できる配送目安なら、商品ページでも確認できるようにする案が考えられます。出荷日と到着日を混同せず、在庫・曜日・配送地域などで変わる条件を添えます。

一方、配送そのものを早める改善には、倉庫や出荷の体制も関わります。送料無料に変えるなら、粗利や送料の負担を確認する必要があります。競合と同じ条件にする前に、自社が継続して提供できるかを確かめてください。

変更後は、自社の購入までの動きと問い合わせを見る

実施する案、担当者、確認日、見る数字を決めます。配送の案内を変えたなら、納期の問い合わせが減ったか、カートや購入へ進む状況が変わったかを見ます。

購入率を見る場合は、計算方法をそろえます。たとえば「購入があったセッション数÷全セッション数」で見るなら、1,000セッション(訪問の単位)のうち購入があったセッションが20で、購入率は2%です。これは計算を説明する仮定の数値です。

変更前後では、集客元、セール、在庫、季節などの条件も残します。競合比較で改善案を考え、自社の顧客の反応とデータで確かめると、次の判断に使える記録が残ります。

ECの競合分析でよくある疑問

費用をかけずに調べられる範囲や、対象店舗、手順の選び方を整理します。

目的に合う店舗と調査項目と更新時期を決める
目的に合う範囲を決め、情報を更新して使います。

ECの競合分析は無料でできますか?

公開された商品ページ、配送や返品の案内、レビューなどの確認から始められます。実際の購入調査には商品代金や送料がかかり、有料ツールは料金や対象範囲が異なります。無料版や無料体験も、現在の受付状況と使える範囲を公式案内で確認してください。

競合サイトは何店調べればよいですか?

決まった店舗数はありません。同じ用途で比較される相手と、特徴の異なる相手を含め、今回の問いを確かめられる少数から始めます。対象を増やすときは、何を追加で知りたいのかを決め、更新を続けられる範囲に絞りましょう。

大手ECモールだけを見ればよいですか?

Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングなどの大手モールに加え、自社の顧客が検討する専門店やブランドの直販サイトも候補になります。モール全体をひとつの競合店舗と扱わず、対象の商品、販売者、購入条件をそろえて比較してください。

競合分析は8ステップで進めるものですか?

手順の数は固定ではありません。目的を決め、比べる相手を選び、情報を集めて比較し、改善と確認へ進める流れを、今回の課題に合わせて組み立てます。手順をすべて埋めるために、判断に使わない情報まで集める必要はありません。

比較検討中のお客さまとの接点を増やしたい方へ

商品や販売条件の違いが整理できたら、次はその情報を届ける相手を考えます。ライバルマーケティング広告の小売・EC向けページで、競合商品を比較している層への配信の考え方や活用場面をご案内しています。

小売・EC向けライバルマーケティング広告を見る
  • LINEで送る

関連記事