競合LPの分析では、訴求・情報の順番・申し込みまでの流れを同じ項目で比べ、自社のLPで試す改善案を見つけます。デザインの印象だけで判断せず、誰に何を伝え、行動の前にどんな疑問へ答えているかを読み取ることが大切です。
LPは、広告などから訪れた人に、購入・資料請求・相談といった行動を促すランディングページです。この記事では、競合のLPを調べたい広告担当者・制作担当者に向けて、対象の選び方、比較する8項目、無料ツールの使いどころ、改善の優先順位を説明します。
競合のページを見ても、実際の成約率や変更の効果まで分かるとは限りません。公開ページから得た気づきを、自社の顧客やアクセスデータと照らし合わせて使っていきましょう。
この記事でわかること
- 比較する競合LPを選び、調査条件をそろえる方法
- ファーストビュー・構成・CTA・フォームなど8項目の見方
- 調査メモから改善案を作り、自社で検証する進め方
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競合LP分析で見つけるもの
競合LP分析の目的は、自社が選ばれる理由や、説明が足りない部分を見つけることです。他社のLPを手掛かりに、顧客が比較するときに必要な情報を考えます。

顧客が判断するための情報を比べる
たとえば、法人向けの勤怠管理システムなら、機能の多さに加え、「今の就業ルールに対応できるか」「導入時に何を準備するか」「費用はいくらか」が検討材料になります。競合のLPに何が書かれているかを調べると、自社の説明を見直すきっかけになります。
一方、競合が説明しているからといって、自社の顧客にも同じ情報が必要とは限りません。営業への質問や問い合わせ内容も確認し、どの不安を解消し、どの判断を助ける説明なのかを考えます。
見えた表現と、成果の評価を分ける
キャッチコピー、料金の表示、実績の見せ方、ボタンの文言などは、確認したページから記録できます。ただし、ページの見た目や広告の掲載期間だけでは、競合の売上やコンバージョン率(CVR)を確定できません。
CVRは、問い合わせや購入など、定めた成果に至った割合です。計算時には成果と分母の定義をそろえる必要があります。「この説明なら不安が減るのではないか」という仮説と、「成果が上がった」という検証結果を分けましょう。
調査するLPの選び方
同じ業界でも、対象顧客やページの目的が違えば、必要な説明は変わります。まず候補を集め、その中から自社と条件が近いLPを詳しく調べます。

顧客・商品・行動をそろえる
最初に、自社のLPが誰に、どの商品を、どの段階で検討してもらうページなのかを整理します。法人向け勤怠管理システムの資料請求LPと、個人向けアプリの即時登録ページを、そのまま同じ基準で評価するのは適切ではありません。
候補のLPは、顧客が使う検索語、営業で比較対象になるサービス、競合の公式サイトなどから探します。検索広告・SNS広告・自然検索など、確認できた入口も残すと、ページの役割を考えやすくなります。
参考になる異業種のページがあれば、比較対象とは別に記録します。表現や情報整理のヒントは得られても、商品の条件や対象顧客が自社と同じとは限りません。
競合他社の調べ方|見つけ方5つと、調査対象の絞り方営業での比較対象や顧客の選択肢から、調査する企業を絞る方法を紹介しています。関連記事|マーケティングノート
URL・確認日・閲覧条件を残す
記録するのは会社名だけではありません。同じ企業でも、商品・キャンペーン・流入経路によって異なるLPを用意している場合があります。最終的に表示されたURL、確認日、PCかスマホか、画面幅などを残してください。
広告からのリンク先として確認したLPと、公式サイトで見つけた商品ページも区別します。Googleの広告の透明性センターは、LPへの移動やリンク先の検証を目的とする機能ではありません。広告ライブラリから必ずLPを取得できると考えず、確認できた範囲を記録します。
広告の探し方と公開範囲は、次の記事で媒体別に整理しています。LPを確認できない場合は、その広告のリンク先だったと推測で結び付けないようにしましょう。
競合広告の調べ方|無料ツール・比較項目・分析手順公式ツールで調べられる範囲と、広告とページを確認するときの注意点を解説しています。関連記事|マーケティングノート
競合LPを比較する8項目
比較項目をそろえると、ページ間の違いを具体的に整理できます。最初は全体を確認し、改善したい課題に関係する部分を詳しく調べます。

| 比較項目 | 確認する内容 | 自社で考えること |
|---|---|---|
| ① 最初の画面 | キャッチコピー、対象顧客、画像 | 誰に何を提供するかが伝わるか |
| ② 価値の説明 | 機能と、利用後に良くなること | 顧客の課題とのつながりがあるか |
| ③ 情報の順番 | 課題・特徴・料金・事例などの並び | 判断に必要な説明へ迷わず進めるか |
| ④ 根拠 | 事例、実績、画面例、条件の注記 | 主張を自社の事実で裏付けられるか |
| ⑤ 料金・条件 | 価格、含まれる範囲、追加費用、特典 | 申し込み前の疑問に答えられるか |
| ⑥ CTA | ボタンの文言・位置・遷移先 | 次に起きることが分かるか |
| ⑦ フォーム | 公開された入力項目、必須・任意、説明 | 行動の目的に対して負担が大きくないか |
| ⑧ スマホ表示 | 文字・図・表の読みやすさ、ボタンの重なり | 主要な閲覧環境で操作しやすいか |
最初の画面で対象と価値を見る
ページを開いてスクロールせずに見える範囲を、ファーストビューと呼びます。PCとスマホでは範囲が変わるため、両方でキャッチコピー、補足説明、画像、ボタンの見え方を確かめます。
広告と遷移先の対応を確認できた場合は、広告が伝える価値や価格条件、求める行動が、LPの冒頭でも一致するかを見ます。入口で期待した内容に、ページが応えているかを確かめるためです。
キャッチコピーでは、単語の強さだけでなく、対象顧客と解決したい課題を読み取ります。画像も、商品や利用場面の理解を助けているか、文章とのつながりがあるかを見ると、比較の理由を説明しやすくなります。
説明の順番と、主張を支える根拠を見る
ページを「課題の説明」「機能」「導入事例」「料金」「よくある質問」のような内容のまとまりに分け、並び順を書き出します。見出しの数やページの長さだけを比べず、何の疑問に、どこで答えているかを確認しましょう。
勤怠管理システムなら、対応する勤務形態の説明があるか、その確認前に申し込みを求めていないか、といった見方ができます。実績や顧客の声についても、件数だけで優劣を決めず、対象業種や利用条件、自社の顧客との近さを見ます。
料金・CTA・フォームを一続きで確認する
CTAは、資料請求や購入などの行動を促すボタンや案内です。「資料請求」と「無料相談」では、受け取れるものや必要な準備が違います。色・数・配置だけでなく、ボタンの前で何を説明し、押した先で何を求めているかまで確認します。
フォームは、公開された画面から入力項目や必須・任意、個人情報の取り扱いの案内などを記録します。調査のために架空の問い合わせを送る必要はありません。ログイン後や送信後の内容を確認できない場合は、その範囲を不明として残します。
料金や特典も、初月だけの価格なのか、最低利用期間や別料金があるのかで意味が変わります。競合の安さや特典をそのまま採用する前に、自社が提供できる範囲と採算を確かめてください。
無料ツールで補う情報
競合の公開ページを見る作業と、自社の利用者の行動を調べる作業では、使えるデータが異なります。目的に応じてツールを使い分け、競合の非公開データまで見えると誤解しないことが大切です。

表示速度は、測定条件とデータ範囲を確認する
GoogleのPageSpeed Insightsでは、URLを指定してPC・モバイルの表示性能を調べられます。制御された環境で測るラボデータと、実際の利用者に基づくデータがあり、同じ意味の数値ではありません。
実利用データが足りない場合は、同じオリジンに属するページをまとめた集計が表示されることがあります。オリジンは、たとえば「https://example.com」のようなサイトの基点です。
その範囲でもデータが足りなければ、実利用データは表示されません。比較時は、対象URL・端末・確認日と、ページ単位か、複数ページをまとめた集計かを残します。
一度のスコアだけで競合の成果を評価せず、自社で読みにくい、押しにくい、表示を待つ場面がないかも確認しましょう。
出典の要点:PageSpeed Insightsにはラボデータと実利用データがあります。実利用データは過去28日間を対象とし、十分なサンプルがないページではオリジン単位へ切り替わる場合があります。
出典元:Google「About PageSpeed Insights」(2026年10月21日確認)
GA4・ヒートマップは、自社LPの検証に使う
自社のLPは、閲覧権限のあるGA4などで、流入元、セッション数、問い合わせなどの成果を確認します。セッションは、サイトへの訪問を一定の条件で区切った単位です。
問い合わせや資料請求の完了を記録するイベントを設定し、GA4で重要な成果として見る場合は、そのイベントを「キーイベント」に指定します。ランディングページレポートは、セッションで最初に閲覧されたページを軸にしたレポートで、広告専用LPだけを指す名称ではありません。
ヒートマップは、クリックやスクロールなどの行動を可視化する仕組みです。たとえばMicrosoft Clarityでは、対象サイトに計測コードを設置してデータを収集します。外から競合のURLを入力するだけで、その企業のクリックや離脱を実測できるわけではありません。
ヒートマップで見える行動から、迷った理由まで断定しないようにします。料金の近くで長く見られているなら、価格比較か説明への疑問かなど、問い合わせや利用者への確認と組み合わせて考えます。
出典の要点:GA4のレポートでは、ランディングページとセッション・キーイベントなどを確認できます。Clarityで対象サイトの行動を集めるには、計測コードの設置が必要です。
出典元:Google 「ランディング ページ レポート」/Microsoft 「Setup Clarity」
過去のページは、変更点を知る補助にする
Wayback Machineに記録があれば、過去のLPと現在のページを見比べられます。ただし、すべてのページや日時が保存されているわけではなく、画像や動的な表示が欠けることもあります。
変更前後でコピーや構成が違っても、A/Bテストの結果や改善の効果まで確認できたとは限りません。「確認できた二つの時点で、この表現が変わっていた」と記録する範囲にとどめます。
出典の要点:アーカイブされていないサイトや、画像・JavaScriptなどを完全に再現できないページがあります。
出典元:Internet Archive 「Using The Wayback Machine」
比較結果から改善案を作る
調査結果は、競合との差を埋めるだけで終わらせず、自社の顧客が判断しやすくなる案へ変えます。事実、仮説、変更する内容、確認する指標をつなげて記録しましょう。

自社の課題から仮説を立てる
以下は、勤怠管理システムの資料請求LPを想定した架空例です。競合AのLPには、資料で分かる内容や画面例の案内があり、自社のLPでは資料名だけを載せているとします。
この違いから、「資料の内容が分かると、請求するか判断しやすいのではないか」という仮説を立てられます。自社への問い合わせでも資料の内容に関する質問があるなら、実際に渡す資料を確認し、目次や画面例をボタンの近くへ載せる案が考えられます。
| 記録する内容 | 架空の記入例 | 次に確かめること |
|---|---|---|
| 観察した違い | 競合Aは資料内容を案内、自社は資料名のみ | URL・確認日・画面を残す |
| 自社の課題 | 資料に何が載るかという問い合わせがある | 実際の問い合わせ内容と件数 |
| 改善の仮説 | 内容の案内が請求前の判断を助ける | 顧客にもその情報が必要か |
| 変更案 | 資料の目次・画面例をCTAの近くへ置く | 実際に渡す資料との一致 |
| 検証 | 資料請求完了を主な成果として比べる | クリックと送信完了、商談へのつながり |
自社の価値をどう伝えるかまで見直したい場合は、競合と違う点が、顧客にとって役立つ違いになっているかも確かめます。
競合と差別化する方法|競合優位性・4つの確認点顧客に役立つ違いを、自社が実際に提供できる価値へ結び付ける方法を紹介しています。関連記事|マーケティングノート
競合の文章・写真・図を自社の素材として流用する前に、利用条件や権利を確認する必要があります。調査で参考にする場合も、自社の事実と表現へ置き換えます。公開情報の扱いは、競合調査の法律と注意点で整理しています。
影響・根拠・工数で着手順を決める
まず、ボタンが押せない、スマホで重要な説明が隠れる、料金条件が誤っているといった問題を確認します。そのうえで、顧客の判断への影響、課題を示す自社のデータや問い合わせ、実装にかかる工数をもとに、試す順番を決めます。
競合のボタンが多いから増やす、使っている色が違うから変える、という理由だけでは優先順位を付けられません。どの顧客の、どの判断や操作を助けたい変更なのかを一文で説明できる案から検討しましょう。
同じ定義の成果で検証する
A/Bテストは、異なる案を同時期に条件をそろえて出し分け、結果を比べる方法です。資料請求LPなら、ボタンのクリックだけでなく、送信完了までを確認します。必要に応じて、請求後に商談へ進んだかも追います。
たとえば、同じ集計期間で、そのLPから始まったセッションを対象に比較するとします。この場合は、「対象セッションのうち、同じセッション内で資料請求が完了したセッション数 ÷ 対象セッション数」で率を比べます。
送信件数と、送信したセッション数は同じとは限りません。分母・分子の対象範囲と集計方法を先に決め、途中で混ぜないようにしてください。
少ない件数や短い期間の差で、すぐに良し悪しを決めるのは避けます。前後比較の場合も、広告・曜日・流入元・端末などの条件が変わっていれば、LP変更だけの効果とは判断できません。
競合LP分析でよくある質問
調査する社数や成果の見方に迷ったら、改善の目的と、確認できる情報の範囲へ立ち返ります。

競合LPは何社分を調べますか?
必要な社数は、市場や調査目的によって変わります。最初の作業量の目安としては、候補を集めたうえで、条件の近い3〜5社を詳しく比較するところから始められます。これは十分性を保証する社数ではありません。別の顧客層や価格帯に重要な選択肢があれば追加し、同じ企業の複数LPも区別してください。
競合LPのCVRやヒートマップを調べられますか?
通常、公開ページの閲覧だけでは、競合のCVRやクリック・離脱の実測データは確認できません。企業が成果を公表している場合も、対象ページ・期間・流入条件・指標の定義を確認します。外部ツールの推定値は、自社のGA4やヒートマップで計測したデータと分けて扱いましょう。
まずは比較するLPと確認条件をそろえ、8項目から自社の課題に関係する部分を調べてください。観察した違いを、顧客の疑問・自社の提供内容・検証する成果へつなげることで、調査結果を次の改善に使える形にできます。











