競合調査レポートの作り方|報告書の構成・パワポ記入例

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比較表と出典を根拠に、一枚の競合調査レポートへまとめる概念図

競合調査レポートは、他社との比較から自社が何を変えるか、何を追加で調べるかを決める資料です。集めた情報を会社別に並べるだけでは、読み手が結論を探すことになります。

最初に調査目的への答えを示し、その根拠となる比較結果と、提案する施策をつなげましょう。出典と確認日、まだ分からないことまで残すと、会議で判断できる範囲も伝わります。

この記事では、競合調査の報告書・競合分析資料の構成とまとめ方を、架空の名刺印刷サービスの記入例で解説します。編集できる無料PowerPointテンプレートも用意しました。

この記事でわかること

  • 報告書に必要な構成と、Excel・パワポの使い分け
  • 比較条件と出典をそろえ、事実と解釈を分ける書き方
  • 比較表から施策提案までつなぐ記入例と、無料テンプレートの使い方

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競合調査レポートに必要な構成

読み手が最初に知りたいのは、今回の調査で何が分かり、何を決めればよいかです。結論を先頭に置き、詳しい比較と出典を後から確認できる順番にまとめます。

結論を先頭に置き、調査条件、比較結果、解釈と提案、出典をまとめる報告書の構成
結論を先に示し、比較と出典をたどれる構成にします。

誰が何を決める資料かを明確にする

書き始める前に、「誰に、何を判断してもらうか」を一文にします。「競合3社を調べる」では、必要な情報も報告の終わり方も決まりません。

例えば「営業責任者が、名刺印刷サービスの価格を下げるか、注文案内を改善するかを判断する資料」とすれば、比較する料金、発送までの日数、入稿(印刷用の原稿を渡すこと)の案内が絞れます。

経営会議で予算の承認を求めるなら、実施費用と見直す時期も必要です。一方、担当者同士の共有なら、調査記録と追加確認の分担まで決まれば足りる場合もあります。

結論・条件・比較・提案・出典をつなぐ

次の5要素は、競合調査レポートを作るための本記事の整理です。提出先の指定がある場合は、その書式に合わせて配置を変えてください。

要素書く内容
結論調査目的への答え、推奨する対応、判断してほしいこと
調査条件対象企業・商品、選定理由、調査方法、調査期間
比較結果同じ条件でそろえた比較表と、特に注目する違い
解釈・提案違いの意味、未確認の仮説、実施する施策と確認方法
出典資料名・URL・該当箇所・確認日、推定値の場合は取得条件

結論は調査後に書きますが、読む順番では先頭に置きます。結論から根拠をたどり、根拠から提案を確かめられる構成にするのがポイントです。

アスマークは、市場調査報告書について、目的・方法・結果・考察・今後の対策を整理し、読み手に合わせて結論や重要な示唆を早い段階で伝えることを解説しています。上の5要素は、その考え方も参考にした競合調査向けの編集上の整理です。

出典:アスマーク「市場調査報告書の書き方」(要約)

Excelは調査記録、PowerPointは判断の共有に使う

項目や企業が多い調査では、Excelやスプレッドシートに元データを残すと、条件の修正や更新をしやすくなります。会議用のPowerPointには、その中から判断に必要な比較と説明を抜き出します。

例えば料金を10プラン調べたなら、Excelには全プランを記録し、報告スライドには対象顧客に合うプランを載せます。省いた範囲と理由も添えれば、比較の偏りを確認できます。

文章での回覧が中心なら、同じ構成をWordなどの報告書にして構いません。形式を先に決めるより、会議で説明するのか、後から読み返すのかに合わせて選びましょう。

無料Excel付きの競合分析テンプレートを見る無料Excel付きの競合分析テンプレートを見る比較表・出典記録・施策記録の使い方を、架空の記入例とともに紹介しています。関連記事|マーケティングノート

比較条件と根拠をそろえる書き方

見やすい表でも、料金の範囲や対象プランが違えば判断を誤ります。比較の前提をそろえ、確認した事実と、その事実から考えたことを分けて書きます。

料金ページで確認できる事実と、顧客への影響を考える解釈を分ける図
掲載された事実と、顧客への影響を考える解釈を分けます。

価格・対象・時点を合わせて比較する

価格を比べるなら、税込・税別、初期費用、送料、契約期間、適用条件まで確認します。月額だけ安くても、年間契約や別料金の支援が前提なら、同じ条件の比較とはいえません。

発送日数も「注文から」「入金から」「校了から」で意味が変わります。校了とは、印刷前の原稿を最終確認し、印刷に進める状態にすることです。起点の異なる日数は、そのまま優劣を付けずに記録します。

情報が、いつの料金や条件を示しているかも確認しましょう。確認日が古いセルには再確認の印を付け、キャンペーン価格を通常価格と混ぜないようにします。

「掲載されていること」と「考えたこと」を分ける

「料金ページに、校了から3営業日で発送と記載」は確認できる事実です。「急ぎの顧客に選ばれやすい」は、顧客の希望や他社の条件を踏まえて検証する解釈です。

レポートには「確認した事実」「解釈・仮説」「提案」と見出しを付けると、この違いが伝わります。解釈には、そう考えた理由と、確かめるために必要な情報を添えます。

競合サイトに説明が見当たらなくても、その機能や支援がないとは限りません。「確認したページでは記載なし」「公開情報では確認できず」と記載し、調べられなかった範囲を残してください。

表の数値から出典へ戻れるようにする

比較表の各社にF01、F02などの出典IDを付け、別の欄で資料名・URL・確認日・該当箇所を管理します。1社で複数の資料を使った場合は、料金と機能など、どの項目の根拠かも示します。

アクセス数などのツール推定値には、ツール名、対象ドメイン、対象期間、地域、指標名を添えます。競合の実測値と混ぜず、取得できない値を0で埋めないことも大切です。

スクリーンショットを使うなら、注目箇所が分かる範囲で示し、出典と確認日を近くに置きます。社内用と外部配布用では扱える情報が異なるため、公開前に引用・転載条件や機密情報の有無を確認しましょう。

フレームワークは結論に必要なものを選ぶ

3C分析は顧客・競合・自社の関係を整理し、4P分析は商品・価格・流通・販促を比べる際に役立ちます。SWOT分析は、自社の強み・弱みと、外部の機会・脅威を整理する方法です。

ただし、調査レポートにすべての枠を載せる必要はありません。価格と注文案内の改善を決める資料なら、その違いを示す比較表を中心にし、顧客の状況や自社の制約を文章で補う方法もあります。

競合分析の手順と、10のフレームワークを確認する競合分析の手順と、10のフレームワークを確認する比較結果から、自社の強みや方針を整理したい方に。関連記事|マーケティングノート

比較表から提案までのレポート記入例

ここでは、法人向け名刺印刷サービスの報告例を示します。企業名、料金、日数、調査記録はすべて説明用の架空設定であり、実在企業の比較やDSSの実績ではありません。

比較結果から仮説を立て、確認したうえで改善案を提案する折り返しの流れ
比較から仮説を立て、確認した内容を提案へ反映します。

同じ印刷条件で自社と2社を比べる

調査目的は「値下げと注文案内の改善のどちらを先に行うか」の判断です。両面カラー100枚、同じ標準用紙、東京都内への配送という条件で、自社とA社・B社を比較した設定にします。

比較項目自社A社B社
税込・送料込み料金1,600円1,400円1,900円
校了から発送まで3営業日5営業日2営業日
注文ページの案内発送目安のみ入稿手順と発送目安入稿手順と発送目安
架空の出典IDF01F02F03

この表から分かるのは、自社が最安でも、発送までの期間が最短でもないことです。「競合より安くて速い」とまとめることはできません。また、発送までの日数と、顧客の手元に届く日数は区別します。

架空の調査条件は2026年10月20日時点の通常プラン、入稿データに不備がない場合です。F01〜F03は記入方法を示す仮のIDで、参照できる実在の出典はありません。実務では各セルの根拠となる実際の資料へ置き換えてください。

違いから分かることと未確認のことを書く

料金と日数だけでは、顧客が自社を選ぶ理由や、注文しなかった理由は分かりません。「200円下げれば売れる」といった売上予測を、この表だけで出すのは難しいでしょう。

一方、他社には入稿手順の案内があり、自社には発送目安しかない、という説明の差はあります。ここから「初めて注文する人が、原稿の渡し方に迷う可能性がある」という仮説を立てられます。

レポートには、仮説に続けて「注文前の質問や失注理由は未確認」と記します。自社の問い合わせ履歴や営業への聞き取りで、実際に入稿方法の不安が出ているかを確かめる提案につなげます。

提案には担当・期限・確認方法まで添える

この例の結論は、「値下げの判断は保留し、入稿案内を先に改善する案を検討する」です。確認できた説明の差を埋めつつ、価格変更は顧客情報と利益への影響を調べてから判断します。

提案書には「営業担当が1週間で問い合わせ履歴を確認し、制作担当がその結果をもとに2週間で入稿手順を追記」と書きます。着手前には、必要な工数と担当者の対応可否も確認します。

改善後1か月を最初の確認時期とし、入稿方法に関する質問件数と注文完了率を見ます。注文完了率は、この例では、注文ページを見た訪問(セッション)のうち、同じ訪問内で注文を完了した割合とします。

件数だけで判断せず、閲覧数や流入元、キャンペーンの変化も併記します。比較前後に別の変更があれば、注文率の変化を案内改善だけの効果とは断定できません。件数が少なければ、確認期間を延ばす判断も必要です。

競合調査を、広告や集客の施策へつなげたい方へ

調べた競合サイトや顧客の比較行動を踏まえ、ライバルマーケティング広告の活用を検討できます。サービスの仕組みと対応内容をご確認ください。

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無料PowerPointテンプレートの使い方

会議で説明するための競合調査レポートを、編集できるPowerPointにまとめました。空欄版と、前章の架空例を入れた記入例を収録しています。

調査記録から必要な比較を抜き出し、結論が伝わるスライドへまとめる図
調査記録から、会議で判断するために必要な比較を抜き出します。

空欄4枚と記入例4枚をダウンロードする

テンプレートは8枚構成です。前半の空欄4枚をコピーして記入し、後半4枚の架空例は、書き方の参考として使ってください。会員登録は不要です。

競合調査レポートの無料テンプレート

結論/調査条件と比較表/事実・解釈・提案/実行計画と出典記録。文章と表を編集できます。

PowerPointをダウンロード

これは報告のたたき台であり、必要なページ数を指定するものではありません。企業数や根拠資料が多い場合は、比較表と出典一覧を分けるなどしてページを追加してください。

1枚で伝える判断を決め、詳細は分ける

パワポに調査表を縮小して貼ると、文字が読めなくなります。例えば料金比較と注文のしやすさで結論が異なるなら、スライドを分け、それぞれに分かったことを書きます。

見出しも「調査結果」だけで終えず、「自社の価格は3社の中間」「入稿手順の説明が不足」のように、表から確かめられる内容にします。図の大きさより、根拠となる条件や注記が読めることを優先しましょう。

○・×で比べる場合は、何を満たしたら○なのかを定義します。未確認は「?」や「未確認」と明示し、未対応の×と分けます。複雑な条件を無理に記号へ置き換える必要はありません。

提出前に確認し、会議後の決定も残す

提出前には、結論と比較表が矛盾していないか、出典へ戻れるか、調査条件と未確認事項が書かれているかを見直します。自社に不利な項目も含め、判断に必要な情報を落とさないようにします。

会議では、提案を採用するかだけでなく、追加調査をするのか、今回は見送るのかも決めます。決定内容と理由、担当、次の確認日を残すと、次回のレポートを前回の続きとして使えます。

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競合調査レポートのよくある質問

ページ数や書式に迷った場合は、提出先の指定と、今回決めたいことを確認しましょう。調査の量をそのまま資料の厚さにする必要はありません。

報告書の結論、比較条件、出典と未確認事項を点検する注釈図
結論・比較条件・出典・未確認事項を、提出前に点検します。

競合調査レポートは何ページにまとめますか?

決まったページ数はありません。結論、調査条件、比較結果、解釈と提案、出典が伝わる量にまとめます。短い会議資料なら要点を先に示し、詳細な調査記録は別紙にする方法があります。

報告書とレポート、競合分析資料は違いますか?

実務では呼び方が重なることがあります。名称だけで形式を判断せず、提出先が求める項目と用途を確認してください。本記事では、競合調査の結果を整理し、意思決定に使う資料を扱っています。

店舗調査レポートにも同じ構成を使えますか?

使えます。店舗名や所在地に加え、訪問日時、観察した時間帯、価格の条件を記録してください。一度の訪問で見た客数だけから、日商や店舗全体の人気を断定せず、観察した範囲を明示します。

店舗の比較項目と記録方法は、競合店調査のやり方と無料Excelシートで紹介しています。

競合プレゼンと競合調査レポートは同じですか?

競合プレゼンは、複数社が提案し、発注先を選んでもらうコンペを指すことがあります。競合調査レポートは他社の情報を整理・分析する資料です。コンペの提案に分析結果を使うことはありますが、資料の目的を区別して作ります。

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