旅行会社の競合分析は、同じ旅行目的を持つ顧客が比較する商品や予約先を選び、旅程・料金・相談や予約の条件を調べ、自社が選ばれる理由と改善点を見つける調査です。会社の規模だけで比較相手を決めず、増やしたい旅行の相談や予約から考えます。
大手各社の特徴を読んでも、自社の商品をどう変えるかは決まらないことがあります。国内旅行と海外旅行、個人予約と法人の団体手配では、顧客の判断も必要な対応も違うためです。
この記事では旅行会社の担当者に向けて、競合の選び方、比較6項目、公開資料の読み方、調査表から改善を決める手順を紹介します。
この記事でわかること
- 旅行目的と販売方法に合う比較相手の選び方
- 商品・料金・窓口を同じ条件で調べる方法
- 取扱額や顧客評価を読み分け、改善へつなげる方法
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旅行会社の競合は、顧客が検討する旅行から選ぶ
最初に、どの旅行の相談や予約を増やすかを決めます。行き先だけでなく、旅行の目的、出発地、人数、手配を任せたい範囲まで書くと、実際に比較される相手が見えてきます。

個人旅行と法人・団体旅行を分ける
個人の週末旅行なら、希望日と予算に合う交通・宿泊を予約できるかが検討の入口になります。法人の研修旅行なら、参加人数、実施目的、社内説明、行程の調整など、予約前に解く疑問が増えます。
同じ旅行会社でも複数の事業を扱います。「この会社は個人向け」「あの会社は法人向け」と決めつけず、今回比べる商品や窓口を選んでください。
他の旅行会社と、直接予約の組み合わせを見る
顧客は旅行会社同士だけを比べているとは限りません。航空券とホテルを別々に予約する方法、オンライン旅行会社、現地の体験予約なども、同じ旅行を実現する候補になります。
一方で、手配をまとめて任せることや、条件変更を相談できることに価値を感じる顧客もいます。価格差だけでなく、顧客自身が行う作業と、会社が引き受ける作業を記録しましょう。
直接比較する相手と、設計を参考にする相手を分ける
同じ出発地・時期・旅行目的の商品を扱う相手は、料金や条件の比較対象です。別の分野でも、行程の見せ方や相談窓口が分かりやすい相手は、説明や画面設計の参考として残します。
大手の一覧をそのまま調査先にするより、自社への質問や失注時の記録から、顧客が実際に検討した商品を拾う方が、調べる理由が明確になります。
旅行商品の比較6項目と、条件のそろえ方
料金は、出発日、人数、交通、宿泊、含まれるサービスによって変わります。調査する条件を先に固定し、確認日時と販売ページのURLも残してください。

商品・料金・予約窓口を同じ欄で記録する
| 比較項目 | 調べる内容 | そろえる条件 |
|---|---|---|
| 目的と旅程 | 行き先、日程、訪問先、自由時間 | 同じ旅行目的と出発日で比べる |
| 人数と対象 | 大人・子ども、参加条件、部屋割り | 人数と構成、客室条件を合わせる |
| 交通と宿泊 | 出発地、便・時間、宿泊施設や客室 | 利便性と利用できる範囲も残す |
| 費用の範囲 | 表示額、追加費用、食事や移動の内訳 | 含むものと別料金を分ける |
| 予約と変更 | 予約手順、締切、変更・取消の条件 | 商品と販売窓口ごとの案内を読む |
| 相談と支援 | 相談方法、対応時間、旅行中の連絡先 | 誰がどこまで対応するかを残す |
同じ行き先でも、到着が夜か昼か、空港からの移動が含まれるかで、使える時間と旅行者の負担は変わります。価格差の理由になる条件を表の中で見えるようにします。
広告の最低価格と、希望条件の合計を分ける
大きく表示された価格が、希望する出発日や客室で使えるとは限りません。人数、利用便、食事、送迎などをそろえ、公開画面で確認できる範囲の費用を比べます。
見積もりが必要な商品は「要見積もり」、分からない内訳は「未確認」と記録します。仮の金額で埋めたり、個別相談を装って競合の担当者に見積もりを作らせたりする必要はありません。
個人の予約画面と法人の相談窓口を取り違えない
一般向けの予約サイトで希望条件が選べなくても、その会社が法人旅行を扱っていないとは判断できません。法人・団体向けの専用ページがあるかを確かめ、同じ種類の窓口同士で比べましょう。
取扱額・売上高・顧客評価を分けて読む
企業規模や評価の資料を使うときは、何を、いつ、どの範囲で測った数値かを確かめます。旅行商品の条件比較と、会社全体の業績比較は、別の表で管理すると混同を防げます。

取扱額の対象と期間を確かめる
観光庁の旅行業者取扱額は、主要旅行業者の動きを調べる入口です。使う資料の対象社、集計月、国内・海外などの区分を確認し、対象外の事業者を含む市場全体の規模と同じものだと考えないようにします。
売上高は決算期と事業の範囲を読む
会社の決算資料では、連結か単体か、旅行以外の事業を含むか、どの決算期かを確認します。取扱額と売上高を同じ列に並べて順位を作ると、異なる範囲の数値を比較することになります。
| 資料・指標 | 確認する条件 | 判断できないこと |
|---|---|---|
| 旅行業者取扱額 | 対象社、月・年度、旅行の区分 | 会社の利益や個別商品の優劣 |
| 決算の売上高 | 連結・単体、決算期、対象事業 | 全商品の安さや自社との競合度 |
| 顧客の推薦評価 | 調査期間、対象、質問、回答数 | 取扱額のシェアや利益の順位 |
| サイトの公開情報 | 確認日時、商品、販売条件 | 実予約数、成約率、手配後の利益 |
大手5社、6社といった呼び方も、資料によって選び方が違います。社数を固定するより、今回の改善判断に必要な事業と指標がそろっているかを見ましょう。
推薦評価や口コミを、会社全体の優劣に広げない
NPSは、他の人に薦めたい度合いを調べる指標です。利用したサービスや調査期間が限定されるため、旅行会社の全商品を比較した順位として使うことは避けます。
個別の口コミは、何の旅行で、どの場面に不満や満足があったかを読みます。少数の投稿から利用者全体を推定せず、自社にも同じ質問や行き違いがあるかを確認する材料にしてください。
公開ページを調査表に残し、自社への質問と照合する
調査は会社紹介を集めて終わりにせず、顧客が迷う場面を記録します。確認できた事実、その意味についての仮説、次に確かめることを別々の欄にします。

条件入力から相談・予約までをたどる
公開ページの範囲で、行き先や出発日を選び、旅程、費用、問い合わせ先が見つかるかを確認します。予約の確定や問い合わせの送信は行わず、どの条件で入力や相談が必要になるかを記録します。
観察と仮説を分けて調査表を作る
| 調査表の欄 | 記録する内容 | 使い方 |
|---|---|---|
| 条件と出典 | 商品URL、確認日時、旅行条件 | 後で同じ条件を確認する |
| 観察した事実 | 表示された費用、旅程、窓口 | 確認できた範囲を残す |
| 顧客の疑問 | 費用、移動、部屋、変更など | 自社への質問と照合する |
| 改善の仮説 | 不足する説明や提供条件 | 事実と分けて記録する |
| 試す内容 | 変更箇所、対象商品、確認方法 | 実施後の判断につなげる |
たとえば、ある商品に送迎の説明が目立つことは観察できます。その説明が予約を増やしたかは、公開画面だけでは分かりません。自社でも送迎について質問が多いなら、まず対象範囲や集合方法の説明を見直す仮説を置けます。
一つの旅行テーマで、先に直す点を選ぶ
調査対象を増やす前に、自社の得意な旅行テーマで比較表を完成させます。選ばれない理由が説明不足なのか、旅程や価格など商品条件なのか、受け付け方なのかを分けてください。
顧客が繰り返し尋ねる点で、自社が正確に案内できるものから直すと、変更内容と結果を結び付けやすくなります。
旅行会社集客の進め方|専門商品・相談受付・成約後の利益をつなぐ専門商品の案内を、条件の合う旅行相談と予約につなげる方法を読む。関連記事|DSSお役立ちコラム
違いを商品説明に反映し、予約・催行・採算で確かめる
差別化は、得意な旅行について、任せられる範囲と選ぶ理由を具体的にすることです。説明を変えた後は、相談の内容だけでなく、予約や実施後の対応まで追って判断します。

強みを、行程と対応できる条件で示す
「きめ細かな対応」だけでは、他社との違いは伝わりにくくなります。出発前に相談できる内容、現地で手配する移動、行程の調整範囲など、実際に引き受ける仕事を説明します。
選ばれる理由は、説明と実際の手配が一致して初めて続けられます。対応できない条件も明確にし、担当者や仕入先の体制に合う商品として案内しましょう。
相談件数と、催行後の利益・工数を分ける
問い合わせが増えても、対象外の相談や大幅な作り直しが増えれば、成果の判断は変わります。見積もり、予約、取消、実際の催行を分け、担当者が使った時間と外部への支払いも確認します。
広告やページを変えた時期と、旅行の出発時期も別に記録してください。連休、予約可能な残数、為替や仕入条件などが違う期間を比べ、説明の変更だけが結果を生んだと断定しないようにします。
個人と団体で、案内先と確かめる結果を分ける
個人向けでは、希望条件の商品へ進み、費用と予約条件を確認できるかを見ます。法人・団体では、幹事が目的や人数を伝え、社内説明に必要な見積もりへ進めるかも確かめます。
商品条件を整えてから、検索や広告で届ける内容を合わせます。旅行会社の集客と、団体旅行の営業については下記の記事で具体的な進め方を紹介しています。
団体旅行営業の進め方|幹事の要望・稟議・見積もりを成約につなげる幹事の要望と社内説明を踏まえ、見積もりから催行へ進める方法を読む。関連記事|DSSお役立ちコラム
ホテルの競合分析|比較項目・料金調査・差別化の手順宿泊商品の比較で、料金・食事・設備・受入体制を見る方法を読む。関連記事|DSSお役立ちコラム
旅行会社の競合分析でよくある質問
社名やランキングから考える場合も、まず利用目的と比較条件を確認しましょう。会社全体の印象だけでは、今回の商品に合う判断はできません。

JTBの競合会社はどこですか?
国内・海外の個人旅行、法人・団体旅行、訪日旅行など、比べる事業によって候補が変わります。HISや他の旅行会社だけでなく、同じ旅程を予約できるオンライン旅行会社、交通・宿泊の直接予約も確認し、同じ需要を取り合う範囲を決めます。
JTBとHISはどちらが良いですか?
会社名だけでは一律に決められません。希望の行き先、出発日、人数、交通・宿泊条件、含まれる費用、相談や変更の窓口をそろえて、実際に検討している商品同士を比べてください。
旅行会社の大手5社や6社はどう選べばよいですか?
比較記事や資料によって対象と基準が異なります。取扱額、売上高、利用者調査などの指標と対象期間を確かめ、事業改善では自社と同じ旅行目的・販売方法の商品を扱う会社を選びます。
小さな旅行会社は何から競合調査を始めますか?
自社が得意な旅行を一つ選び、検討時に比較される商品と販売経路を記録します。商品条件、料金の内訳、相談や予約の流れを調べ、自社に届いた質問や失注理由と照合すると、先に直す説明や条件が見つかります。
顧客の旅行を出発点に、比較と改善をつなぐ
同じ旅行目的の商品を選び、旅程、費用、予約や相談の条件をそろえて記録します。数値の対象と期間を確かめ、自社に寄せられた疑問と照合しましょう。説明と商品を改善したら、予約、催行、利益と工数まで確認することが、次の判断につながります。
旅行会社の集客に向け、サービスの詳細を見る
自社が選ばれる理由を整理し、対応できる商品へ案内しましょう。旅行業向けの広告サービスは詳細ページでご確認いただけます。
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