競合店調査のやり方|8項目・無料Excelシート

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店頭の価格表示と注文・受け取りの流れを調査シートで確認する競合店調査

競合店調査は、顧客が自店と比較して検討する店舗を選び、商品・価格・利用のしやすさを同じ条件で比べる調査です。まず「昼休みの受け渡しを改善したい」など、調査後に決めたいことを一つに絞ります。

現地では、値札や売り場だけでなく、入口の案内、注文から会計までの流れ、確認した日時も記録します。印象だけの報告を避けるには、見た事実と、そこから考えた理由を分けることが大切です。

この記事では、競合店調査の5手順と8つの確認項目を紹介します。無料のExcel調査シートと架空の記入例も用意しました。店舗視察の準備から、自店の改善案を作るところまで使えます。

この記事でわかること

  • 調査する店舗の選び方と、現地で見る8項目
  • 曜日・時間帯・価格条件をそろえた比べ方
  • Excelシートの使い方と、調査時の注意点

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競合店調査は、顧客が迷う選択肢から始める

同じ業種の近隣店をすべて回る前に、「誰が、何を買う場面で迷うのか」を考えます。顧客の用途が見えると、調査する店舗と見るべき項目を絞れます。

昼食という同じ用途から弁当店・スーパー・コンビニを調査対象に選ぶ概念図
同じ用途で選ばれる店舗を、業種をまたいで候補にします。

同じ商圏・同じ用途で選ばれる店を探す

競合店(きょうごうてん)とは、顧客が自店の代わりに利用する可能性のある店舗です。競合店を比べる調査は「他店調査」「ストアコンパリゾン(Store Comparison)」とも呼ばれます。

たとえば、昼食用の弁当店なら、近くの弁当専門店に加えて、スーパーの総菜売り場やコンビニも比較先になります。一方、同じ弁当店でも、配達予約が中心で用途や利用時間が大きく違えば、今回の調査では優先度を下げられます。

地図には自店と候補店だけでなく、駅、職場、住宅地、横断しにくい道路なども書き込みます。直線距離が近くても、顧客が通る道や移動手段によって、利用しやすさは変わるためです。

調査の目的を、自店で決めたいことに置き換える

「競合が強い理由を知る」だけでは、見る範囲が広すぎます。「昼休みの受け渡し時間を短くする」「主力商品の価格を見直す」「新店舗の入口を考える」のように、判断したい内容を具体化します。

受け渡しが課題なら、注文方法、待つ場所、商品を渡す手順を優先します。価格が課題なら、同じ用途の商品と、その内容量・割引条件を調べます。調査の目的によって、必要な情報は変わります。

最初は公式サイトやチラシを読み、必要な点を現地で確かめる方法から始められます。多店舗を同じ基準で調べたい場合は、対象店数、訪問回数、記録の形式を決めてから外部への依頼を検討します。

競合他社の見つけ方と、調査対象の絞り方を見る競合他社の見つけ方と、調査対象の絞り方を見る顧客が何と比べているかを調べる5つの方法を紹介しています。関連記事|マーケティングノート

競合店調査を進める5つの手順

訪問の前に比較条件を決め、公開情報を読んでおくと、現地で何を確かめるかが明確になります。調査先と自店を同じ物差しで記録し、最後に改善案へつなげます。

目的を決めて対象を選び、公開情報と現地を確認して改善案へ進む5手順
目的と対象を決め、公開情報・現地の確認から改善案へ進みます。

1.調査後に決めたいことを一文にする

調査シートの目的欄に、判断したいことを書きます。たとえば「昼休みに弁当を買う人が、受け取り場所で迷わない案内を考える」とすれば、売り場全体を細かく評価する必要はありません。

いつまでに案を決めるかも確認し、今回調べる項目と、後で調べる項目を分けます。

2.顧客が比べる店と自店を調査対象にする

地図検索、店頭の案内、自店の顧客から聞いた比較先をもとに、対象店を選びます。近隣に何店あるかだけで判断せず、利用目的、価格帯、営業時間、移動のしやすさを確かめてください。

同じ項目で自店も記録します。他店の優れた部分だけを並べると、すでに自店で提供できていることや、自店特有の制約を見落としやすくなります。

3.公式サイト・SNS・チラシを先に読む

営業時間、商品、価格、注文方法、キャンペーンの期間などを確認します。情報源のURLやチラシ名に加え、確認日も残しましょう。

口コミは、来店者が何に満足し、何に困ったかを探す手掛かりです。ただし、一件の投稿を店全体の評価にせず、投稿時期、利用場面、ほかの情報との一致を読みます。実際の提供状況は現地で確認する候補に残します。

4.曜日・時間帯などをそろえて現地で確かめる

平日の昼の自店と、休日の夕方の競合店では、混雑や品ぞろえが違って当然です。比較する時間帯、曜日、天候、特売の有無を記録し、できるだけ近い条件で観察します。

一人で複数店を回る場合、同じ瞬間には調べられません。実際の訪問時刻を残し、時間が大きくずれた店は別日に確かめるなど、比較の限界を補います。

店内のルールと通常の利用を優先してください。撮影は事前に許可を取り、ほかの顧客の顔や会話を記録しない方針にします。

5.記録を比較し、自店で試す案を決める

帰店後は、記憶が薄れる前に記録を整理します。「受け取り場所が別に表示されていた」という事実と、「待ち時間を減らしているのではないか」という仮説は、欄を分けて書きます。

自店で確かめることと、試す改善案まで決めておくと、調査結果を実務に使えます。競合の方法をそのまま導入する前に、自店の人員や設備で対応できるかを確認しましょう。

参考:J-Net21の競合店調査Q&Aは、店舗ごとの記録に加えて、平日と週末、週次・月次・季節ごとの変化を見る方法を紹介しています。上記の5手順は、その考え方を踏まえて整理したものです。

競合店調査で見る8つの項目

確認項目は、商品を選び、店に入り、購入するまでの流れに沿って決めます。以下を土台に、調査の目的と業種に合う項目を選んでください。

一つの店舗の外観と店内に、入口・営業時間・商品・価格など8項目を注釈した図
立地や商品だけでなく、購入までの流れに沿って調べます。

立地から販促まで、顧客の利用順に確認する

確認項目具体的に見ること比較する際の条件
立地・入口店までの経路、入口の分かりやすさ、駐車・駐輪出発地点と、徒歩・車などの移動手段
営業時間・利用方法営業日、予約、店内利用、持ち帰り、注文方法同じ曜日・用途で利用できるか
商品・品ぞろえ主力商品、選択肢、内容量、確認時点の品切れ同じ用途の商品、観察した時刻
価格・適用条件通常価格、セット、特売、会員価格、追加費用税込・税別、単位、割引条件、利用方法
表示・店内動線商品の探しやすさ、価格表示、注文・会計の案内初めて利用する顧客の動き
接客・受け渡し自分が利用した際の説明、手順、所要時間注文内容、混雑状況、確認できた範囲
混雑・待ち時間行列、席の利用状況、注文から受け取りまで観察の開始・終了、人数の数え方
販促・オンライン店頭表示、チラシ、公式サイト・SNSの案内対象商品、期間、利用条件、確認日

たとえば「接客がよい」という感想は、「注文方法の説明があり、初回でも迷わず会計できた」と書き換えられます。後で読む人が、何を見てそう判断したか分かる記録にしましょう。

参考:J-Net21|出店地域の選び方。営業時間、商品、価格、店内配置、接客、施設などの確認項目を参考に、本記事のチェックリストを整理しています。

価格は金額だけでなく、内容と条件をそろえる

同じ「弁当1個」でも、内容量や付属品、通常価格か特売かが違えば、値札だけで価値を比べられません。以下は、価格を調べる際の架空の記入例です。

比較条件自店(仮定)A弁当店(仮定)
対象商品昼食用の日替わり弁当1個昼食用の日替わり弁当1個
売価・利用方法700円・税込・持ち帰り650円・税込・持ち帰り
価格の適用条件通常価格・会員条件なし通常価格・会員条件なし
内容量・具材自店の仕様を記録量の比較は未確認

この段階で分かるのは、記録した売価ではA店が50円低いことです。同じ量で安いか、品質や受け渡しを含めてどちらが選ばれるかまでは確定しません。値下げを決める前に、商品の違いと自店の原価・利益を確かめます。

スーパー・コンビニ・飲食店では重点を変える

スーパーなら、同じ規格の商品を選んだ価格比較に加え、生鮮品の鮮度や総菜の品ぞろえ、補充時刻、会計の流れを見ます。特売日だけを見て、日常の価格水準と決めつけないようにします。

コンビニでは、朝食、昼食、帰宅途中の買い物などの場面を決めると、スーパーや弁当店との違いも整理できます。競合店対策として商品を増やす前に、必要な時間帯の品切れや、自店で求められている用途を確認してください。

飲食店では、料理の価格・内容に加え、注文から提供まで、席の使いやすさ、予約や持ち帰りの条件を見ます。座席が埋まっている一場面だけで、回転数や客単価、月商まで分かったとは扱いません。

無料Excelシートで、調査から改善案までまとめる

調査シートは、店舗ごと・訪問回ごとに残します。事実、情報源、仮説、自店で確かめることを分けると、報告書を書く際も、どこまで分かっているかを伝えやすくなります。

調査シートの事実・情報源・仮説をもとに、自店の受け取り案内を改善する架空の記入例
架空の弁当店の観察から、自店で確かめることを決める例です。

調査シートを複製し、1店舗・1回の記録を残す

下のExcelには、空欄の「調査シート」と「架空の記入例」を収録しています。登録なしでダウンロードできます。自動採点や売上予測をするファイルではなく、現地で確認した内容を残すための様式です。

競合店調査シート(無料Excel)

入力用シートと、架空の弁当店の記入例を収録しています。

競合店調査シートをダウンロード

最初に対象店舗、調査目的、日付、時間帯、天候、特売などの条件を入力します。8項目は、目的に合わせて追加・削除して構いません。

公式サイトで読んだ情報と現地で見た情報は、情報源の欄で区別します。分からない内容は「未確認」、今回見ていない項目は「未調査」と書き、空欄をゼロや「対応なし」に読み替えないようにします。

事実と仮説を分け、確認することを決める

以下は、Excelに収録した架空の弁当店の例です。店舗、価格、日時、観察結果はすべて説明用の仮定で、実在店の調査や当社の支援実績ではありません。

確認した事実(仮定)そこから考えた仮説自店で確かめること
A店は注文と受け取りの場所を別の表示で案内受け取りだけの人が迷いにくいのではないか自店で客が立ち止まる場所と、案内の回数
自分の注文から受け取りまで4分商品の事前準備が影響しているかもしれない自店の準備工程と、同時間帯の受け渡し時間
12時5分時点で待ち3人判断材料が足りないため、仮説は保留別日・同時間帯の待ち時間と、観察条件

待ち人数だけで売上は判断できないため、この例では仮説を保留しています。表の一行目から試すなら、自店の受け取り場所を案内する表示が候補です。まず実際に客が迷っているかを確かめ、表示の位置とスタッフの案内手順を決めます。

無料Excel付きの競合分析テンプレートを見る無料Excel付きの競合分析テンプレートを見る比較表・出典記録・施策記録の使い方を、架空の記入例とともに紹介しています。関連記事|マーケティングノート

レポートは、改善案と確認方法を先に伝える

報告書の冒頭には、調査の目的、見つかった自店との違い、提案する改善案を短くまとめます。その後に、対象店、調査日時、比較条件、根拠となる記録を付けると、判断の理由をたどれます。

改善案には担当と実施予定日、確認することを添えます。受け取り案内を変える例なら、設置前後の通常営業日・同時間帯で、受け渡し時間や案内回数を記録します。注文数や人員の違いも残し、案内表示だけが変化の原因だったと決めつけません。

一度に価格、品ぞろえ、表示をすべて変えると、何が影響したかが分かりにくくなります。まず対応できる改善を選び、調査記録と自店の結果をつなげて見直しましょう。

競合分析の手順と、10のフレームワークを確認する競合分析の手順と、10のフレームワークを確認する比較結果から、自店の強みや方針を整理したい方に。関連記事|マーケティングノート

競合店調査の注意点とよくある疑問

調査の目的があっても、店舗のルールや、確認できる情報の範囲は変わりません。現地での行動と、調査結果の読み方を分けて確認しましょう。

公開された商品や価格の確認と、撮影許可・立入範囲など店舗のルールを分けた図
撮影の許可や立入範囲など、店舗のルールを守って確認します。

競合店調査は違法ですか?

「競合店調査」という目的だけで一律に判断できず、実際にどのような方法を取るかが問題になります。公開された商品や価格を通常の利用の範囲で確認し、撮影は事前に許可を取ります。立ち入りを認められていない場所への侵入、退去要求を受けても居座る行為、非公開情報の不正な入手などは避けてください。

確認先:e-Gov法令検索|刑法第130条(住居侵入等)は、正当な理由のない侵入や、要求を受けても退去しない行為を定めています。撮影時の原則はJ-Net21の競合店調査Q&Aを参考にしています。

調査だと気づかれたら、どう対応しますか?

店舗から質問されたら、事実に沿って説明し、撮影や調査を断られた場合は中止します。退去を求められたら従ってください。身分を偽って内部資料を得たり、禁止された行為を隠れて続けたりする方法は取りません。

競合店の売上は調べられますか?

企業の公開資料や店舗データで確認できる場合はありますが、店舗別の実売上が公開されているとは限りません。会社全体の売上を一店舗の売上として扱わず、短時間の来店人数や満席の様子から月商を断定しないでください。推計を使う場合は、人数・購入率・客単価などの前提と不確実性を明記します。

覆面調査や調査会社への依頼は必要ですか?

必須ではありません。公開情報と通常の利用体験で、目的に必要な項目を確認できるかから判断します。

複数店舗を同じ基準で評価するために外注する場合は、訪問回数、評価項目、撮影・記録の方法、納品物、交通費や購入費を含む見積もりを確認します。覆面という名称でも、禁止された行為が認められるわけではありません。

競合店調査は、どのくらいの頻度で行いますか?

一律の回数ではなく、判断する内容と変化の速さに合わせます。新店や価格改定がきっかけなら、その前後を確認します。通常の売り場や混雑を比べる場合は、条件をそろえた複数回の記録を取り、特売や季節の影響を分けて読みます。

まず一つの課題を決め、同じ条件で記録する

顧客が比べる店舗を選び、自店も同じ項目で調べます。事実と仮説を分けて残し、自店で試す改善案と確認方法まで決めることが、調査を役立てる第一歩です。

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