ChatGPTで競合分析を進めるには、比較する相手・項目・資料と、出力の形式を先に指定します。まず事実を同じ項目で整理させ、その後に違いの意味や自社の改善案を考えると、根拠へ戻って確認しやすくなります。
「競合を分析して」と一度に頼むだけでは、別の商品や古い料金が混ざっても気付きにくくなります。この記事では、指定した資料から比較表を作る基本プロンプトと、対象選び・3C整理・改善案に使う追加の指示文を紹介します。
以下の指示文は、自社の目的と資料に合わせて書き換えるための例です。入力する資料や使う機能に応じて調整してください。本文の料金例も、説明用に作った架空の情報です。
この記事でわかること
- ChatGPTへ渡す資料と、Web検索を使う範囲の決め方
- 比較表・対象選び・3C・改善案に使える4つのプロンプト
- 要約で抜けた条件を見つけ、調査結果を仕事に使う方法
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ChatGPTに渡す条件を決める
最初に、今回何を見直したいかを決めます。比較する商品と資料の範囲をそろえると、ChatGPTへの依頼も、回答の確認も具体的になります。

目的と比較項目を決める
たとえば「法人向けオンライン研修サービスの導入説明を改善したい」なら、対象顧客、研修内容、料金の条件、導入までの流れ、支援範囲を比べます。会社全体の規模や採用制度まで調べる必要があるかは、その判断に関わるかで選びます。
自社も競合と同じ項目で記入します。自社だけ担当者の詳しい説明を使い、競合は公開ページの一文だけで評価すると、情報量の違いをサービスの差と取り違えやすくなります。
対象がまだ決まっていない場合は、商談で比較された相手や、顧客が今使っている別の方法から候補を選びます。候補を整理する際には、後述のプロンプト2も使えます。
検索と資料整理を使い分ける
新しい公開情報を探す作業と、手元の資料を読み比べる作業は分けて依頼します。この記事の基本プロンプトは、渡した資料の整理に範囲を絞っています。追加のWeb調査も必要な場合は、その範囲と使った情報源を別に残します。
調べたい内容と、依頼する範囲
| 目的 | 使う情報 | 依頼時の条件 |
|---|---|---|
| 手元の資料を比較する | 貼り付けた本文・添付した資料 | 指定資料だけを使い、資料名と記載箇所を残す |
| 最新の公開情報を探す | Web検索で参照できたページ | 対象サイトや時点を指定。参照したURLと未取得ページを分ける |
| 複数の資料を詳しく調べる | 調査対象のWebページや手元の資料 | Deep Researchなどを使う場合も、目的・範囲・成果物を示し、出典を確認する |
その機能を利用できても、調べたいページを取得できるとは限りません。回答には、実際に参照できた資料を示させます。業務では、利用を認められたアカウントを使い、社内資料を入力できる範囲や共有先も社内ルールで確認してください。
競合調査にAIを使う方法|ツール選び・5手順・依頼文例AI全般のツール選びと、情報収集から確認・改善までの進め方を紹介しています。関連記事|マーケティングノート
比較表を作る基本プロンプト
まずは自分で確認できる少数の資料で試します。下の角括弧の部分を置き換え、必要な資料を本文に貼り付けるか、利用できる添付機能で渡してください。

自社と競合を同じ条件で表にする
プロンプトは、ChatGPTへ渡す指示文です。役割だけを細かく指定するより、今回決めたいこと、使ってよい資料、比較する項目、分からない情報の扱いを具体的に書きます。
プロンプト1|指定資料から比較表を作る
次に渡す資料だけを使い、自社と競合の比較表を日本語で作ってください。 目的:[例:法人向けオンライン研修の導入説明を改善する] 対象:[自社の商品名、競合の商品名・プラン名] 比較項目:[対象顧客、提供範囲、料金条件、導入の流れ、支援範囲] 資料:[資料ID、対象の商品・プラン、資料名、元のURL、確認した本文や添付資料] 出力の列: 商品・プラン/比較項目/確認できた事実/適用条件/資料ID・元URL・記載箇所/未確認の点 条件: ・指定資料の外から知識や数字を補わないでください。 ・資料に書かれていない内容と、読めなかった資料は「未確認」と書いてください。 ・公開・更新日と、実際に参照できた日を分け、不明な日付やURLは作らないでください。 ・「安い」「支援が手厚い」といった評価は、事実の欄に混ぜないでください。 ・資料同士に食い違いがあれば両方の記載を示し、確認が必要な点を列挙してください。 ・最後に、比較条件がそろっていない項目と、追加で調べる資料を挙げてください。
この段階では、売上予測や「自社が勝てる理由」まで一緒に求めません。比較表の事実を確認してから、解釈や改善案を別に依頼すると、何を根拠にした提案かを追えます。
資料名と記載箇所を添えて渡す
URLだけを並べるより、資料と対象商品の対応を付けておくと、回答を照合しやすくなります。「S01」「S02」のように資料IDを付け、資料名・対象プラン・元URL・確認日を一緒に残します。IDは整理用の番号で、それ自体が情報の正しさを示すものではありません。
以下は、説明用の架空資料です。実在する企業の料金や、実際のWebページではありません。
資料を渡す形式の例
資料ID:S01 対象:研修サービスA(架空) 資料名:料金案内(説明用) 元URL:なし(架空の資料) 原文:月額5万円から。受講者50名まで。初期設定費は別途見積もり。 公開・更新日:記載なし 確認日:なし(架空資料)
実際の資料では、料金表の見出しやPDFのページ番号も添えます。本文を抜き出す場合は、対象プランや注記まで含め、重要な条件を落とさないようにしてください。
不足は未確認に戻して調べる
回答に「導入支援あり」とだけ書かれていたら、ガイドの提供なのか、担当者による個別支援なのかを元資料で確かめます。根拠が見つからなければ、その行を未確認に戻します。
同じ質問を繰り返して、もっともらしい説明を増やすより、何の資料が足りないかを確認します。出力の根拠が追えない場合は、「その行の資料IDと該当箇所を示してください」と絞って聞き直します。記載がなければ、比較表の空欄を想像で埋める必要はありません。
競合分析テンプレートを無料配布|比較表の項目・Excel記入例無料Excelの比較表・出典記録・施策記録を、架空の記入例とともに使えます。関連記事|マーケティングノート
目的別の追加プロンプト3例
比較表の作成とは別に、対象の絞り込み、顧客・競合・自社の整理、改善案の検討にも使えます。対象が未定ならプロンプト2で絞ってから、基本プロンプト1へ進みます。3Cと改善案の指示文は、比較表を確認した後に使います。

比較対象を選ぶ
候補の数が多いときは、自社と候補の商品・サービスが、どの顧客・用途で比較されるかを整理させます。候補一覧や公開資料がない部分まで、実在企業の特徴として書かせないことが大切です。
プロンプト2|候補から比較対象を絞る
自社資料と競合候補一覧を基に、今回比較する相手を選ぶための整理をしてください。 目的:[今回決めたいこと] 自社の対象顧客・用途:[顧客の業種・規模・利用場面] 資料:[自社資料と候補ごとの資料ID・記載内容] 出力:候補/重なる顧客・用途/異なる点/根拠となる資料ID/対象に含める理由/未確認の点 自社と同じ用途の商品・サービスを提供する相手と、別の方法で同じ困りごとを解決する相手を区別してください。 資料にない候補や特徴を補わず、追加調査が必要なら、何を調べるかを示してください。 最後に、候補を絞るために顧客や営業へ確かめたいことを挙げてください。
たとえば研修サービスなら、別のオンライン研修に加え、社内で教材を作る方法が比較対象になる場合があります。候補へ加えるかは、顧客が実際に検討しているかを商談記録などで確認します。
3Cで顧客・競合・自社を整理する
顧客・市場、競合、自社の3つの視点で整理するのが3C分析です。競合ページだけを渡しても、顧客が何を重視するかまでは確かめられません。確認した情報と、顧客への追加調査が必要な仮説を分けます。
プロンプト3|確認済み資料を3Cで整理する
次の資料と比較表を、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つの視点で整理してください。 目的:[判断したいこと] 資料:[確認済み資料・比較表] 出力:視点/確認できる情報/資料ID・記載箇所/考えられる仮説/追加で確かめること 顧客のニーズや購入理由が資料にない場合は「未確認」としてください。 商品の機能差から、顧客の満足度や売上の差を断定しないでください。 最後に、3つの視点を照らし合わせて、自社が検討できる改善の方向と、その前提を整理してください。
3CやSWOTなどの手法を増やせば、根拠の不足を補えるわけではありません。まず一つの枠組みで、分かっていることと足りない情報を確認します。
改善案と検証方法を分ける
比較表から気付いた違いを、すぐに自社の弱みと決めつけず、顧客の判断に関わるかを考えます。改善案には、根拠、確認が必要なこと、実施後に見る結果を添えます。
プロンプト4|比較結果を改善案へつなぐ
確認済みの比較表と自社の現状から、[対象ページ・提案内容]の改善案を整理してください。 資料:[確認済みの比較表と、自社で対応できる範囲] 出力:改善案/根拠となる比較項目・資料ID/検証する仮説/必要な社内・顧客への確認/実施後に見る指標 競合の表現をそのまま写すのではなく、自社が提供できる内容に合わせて提案してください。 「売れているはず」「必ず問い合わせが増える」など、資料にない成果を根拠にしないでください。 顧客にとっての重要度が不明な案や、必要な費用・体制が未確認の案は、その前提を示してください。
説明の追記で対応できる案と、サービス内容の変更が必要な案は分けて検討します。担当者が確認する情報や作業が具体的になっているかを見て、実際に試すものを選びましょう。
要約を原文と照合して直す
整った表でも、料金の単位や対象プランが抜けていれば比較に使えません。元資料を開いて要約と読み比べ、抜けた条件を補います。

条件が抜けた要約を修正する
先ほどの架空資料S01を使い、読み違えを確認します。以下は誤りを説明するための作例で、ChatGPTの実際の出力ではありません。
架空の料金案内と、要約の修正例
| 確認箇所 | 説明用の内容 | 扱い |
|---|---|---|
| 原文・資料S01 | 月額5万円から。受講者50名まで。初期設定費は別途見積もり | 金額の下限・対象人数・追加費用を分けて読む |
| 不採用の要約 | 月額5万円で全社利用できる | 「から」、対象人数、初期設定費が抜けているため修正する |
| 修正後の記録 | 月額5万円から、受講者50名まで。初期設定費は別途見積もり | 各条件と、資料ID・元の記載箇所を残す |
実際の料金比較では、税込・税抜の別、契約期間、利用量、必須の追加契約も確かめます。別プランや異なる期間の情報が混ざっていたら、その行を分けて整理し直してください。
事実・仮説・次の作業を分ける
料金表の違いが分かっても、それだけで顧客が選んだ理由は決まりません。たとえば、自社の導入説明に費用の内訳がないと気付いたら、費用が分かりにくいことが検討の障害かもしれない、と仮説を立てます。
| 区分 | 記録する例 | 次の作業 |
|---|---|---|
| 確認した事実 | 競合は料金条件を示し、自社ページには内訳がないという仮定 | 自社の契約条件と、実際に掲載できる内訳を担当者へ確認する |
| 検証する仮説 | 費用の見通しが立たないことが、導入検討時の不安になっているかもしれない | 商談での質問を確かめ、内訳を追記して質問内容の変化を見る |
問い合わせ数だけでなく、料金への質問が減ったか、対象顧客からの相談につながったかも確認します。広告量や季節などが同時に変わった場合は、その条件も残し、一度の増減を文章の変更だけの効果と決めつけないようにします。
競合調査レポートの作り方|報告書の構成・パワポ記入例判断・根拠・次の作業を伝える報告書の構成と、無料PowerPointを紹介しています。関連記事|マーケティングノート
ChatGPTでの競合分析Q&A
利用プランや機能を選ぶときも、必要な資料を読めるか、出典へ戻れるかを先に確認します。少数の資料から試し、出力の見栄えだけで判断しないことが大切です。

無料のChatGPTでも使えますか?
無料アカウントで利用できる機能の範囲なら、貼り付けた文章の要約や比較から試せます。Web検索、資料の添付、Deep Researchの利用可否や上限は、プランや組織の設定、実際の画面で確認してください。まずは少数の公開資料を使い、必要な項目と出典を確認できるか試します。
機能の確認先:OpenAI公式ドキュメント|Use ChatGPT(機能はプラン・利用環境・組織設定などに依存。2026年10月21日確認)
URLを渡せば全文を読めますか?
URLを送るだけで、そのページや関連する下層ページをすべて読めるとは限りません。参照できた資料と読めなかった資料を区別させ、必要なら自分で確認した本文を、記載箇所が分かる形で渡します。回答の出典を開き、実際の記載まで確認してください。
Deep Researchは必要ですか?
手元の少数の資料を比較するなら、まずは指定資料の整理から始められます。複数の情報源を詳しく調べたい場合に、利用できるDeep Researchなどを検討します。使う場合も、目的・対象・範囲を示し、返ってきたレポートの出典と重要な条件を確認します。
ほかのAIにも応用できますか?
目的・資料・出力形式を伝え、根拠を確かめる考え方は参考にできます。ただし、Web検索や資料の取り込み方、参照箇所の示し方はサービスで異なるため、同じ指示だけで同じ結果になるとは限りません。各サービスの機能と利用条件を確認して調整します。
最初は、一つの判断と少数の資料から
比較相手が未定ならプロンプト2で絞り、基本プロンプトで比較表を作ります。料金や支援範囲の条件を確かめたうえで、必要な3C・改善案の指示を使い、担当者が次に確かめる仕事を決めてください。











