ショッピングモールの競合分析|比較項目と進め方

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ショッピングモールの商圏とテナント、回遊を比較するイメージ

ショッピングモールの競合分析は、同じ来館目的で選ばれる施設を調べ、商圏・テナント構成・回りやすさの違いを整理する作業です。店舗数や施設面積だけで順位を付けても、買い物と食事を一度に済ませたい人に、自施設がどう応えるべきかは見えてきません。

まず施設全体の改善か、入居店舗の改善かを分けます。施設運営を見直すなら、来館前の案内からアクセス、買い物、食事・休憩、退館までを同じ利用場面で比較し、自施設の集計と照合して試す案を選びます。

この記事でわかること

  • 施設全体と入居店舗の比較を分ける方法
  • 商圏・テナント・回遊・設備の確認項目
  • 架空の休日の買い物と食事の案内改善例

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施設と店舗の課題を分ける

ここでは、実店舗が集まる商業施設の競合分析を扱います。ネット上のECモールの比較とは分け、施設運営者が商圏や館内の使いやすさを見直すための調査を中心に考えます。

施設全体と入居店舗の比較範囲を分ける図解

施設運営と入居店舗を分ける

施設全体の競争力と、個々の店舗の課題を分けます。施設運営者が改善したいのは、来館のきっかけ、店舗の組合せ、館内の移動、共用設備などです。一方、入居店舗が商品や接客を見直すなら、同じ用途の店舗同士の比較が必要になります。

例えば「飲食店が少ない」という施設の構成と、「ある飲食店の注文案内が分かりにくい」という店舗の課題では、調べる対象も変更できる担当者も違います。調査の最初に、何を決めるための比較かを一文にしましょう。

日本ショッピングセンター協会は、SCを一つの単位として計画・管理運営される商業・サービス施設の集合体として説明しています。施設の比較では、個店だけを見るのではなく、共通の案内や運営も含めて捉えます。

施設全体、テナント、SC面積や店舗面積などの用語が説明されています。異なる面積や範囲の数字を、そのまま同じ規模として比べないための参考になります。

出典元:日本ショッピングセンター協会|SCの定義・用語解説(要約)

来館の目的から対象を選ぶ

同じ来館目的を満たす選択肢から、比較対象を選びます。日用品の買い足し、家族で買い物と食事、映画の前後の利用などでは、競合となる施設も評価する項目も変わります。

休日の買い物と食事を見直すなら、似た用事を済ませられるモール、駅ビル、商店街などが候補になります。食品だけを短時間で買う場面なら、近隣のスーパーなども確認対象に入ります。

商圏は地図の半径だけで決めず、道路や鉄道、入口、移動時間も見ます。地域の人口と実際に来館した人の記録は別の情報です。近隣に住む人の特徴だけで、来館者全体を決めつけないようにします。

競合店調査のやり方|8項目・無料Excelシート現地で使う記録項目と調査票は、競合店調査の手順で確認できます。関連記事|DSSお役立ちコラム

構成と回りやすさを比べる

テナントの一覧だけで比較を終えず、顧客が用事を続けて済ませられるかを確認します。同じ利用場面に沿って、施設へ行く前から退館までを並べると、記録がつながります。

テナントの組合せと休憩や移動のしやすさを比べる図解
比較する項目同じ場面で確認すること
アクセス駅・道路からの経路、入口、駐車の条件
テナント構成物販・飲食・サービス・娯楽の役割と組合せ
館内の移動フロア間の経路、案内、目的店舗への行き方
休憩・設備設置場所、対象者、利用時間、返却などの条件
営業時間・催事施設と各店舗の違い、期間限定の内容
来館前の案内目的別の情報、対象店舗、現地との一致

業種の組合せと役割を見る

テナントの数に加え、用事を続けて済ませられるかを見ます。衣料品店の後に食事をしたいなら、飲食店の種類だけでなく、場所や営業時間が買い物の流れに合うかも確認します。

業種別の店舗数を集計する場合は、物販、飲食、サービス、娯楽などの分け方を施設間で統一します。店舗数の割合と売場面積の割合は別に扱い、常設店、催事、空き区画なども区別します。

特定の構成比に近ければ必ず良い施設になる、とは判断できません。周辺の需要、立地、利用目的と照らし、足りない役割や自施設ならではの選択肢を考えます。

入口から次の用事へ歩く

想定した入口から目的の店舗へ進み、次の買い物や食事、休憩、退館までの案内を確認します。フロアガイドがあるかだけでなく、今いる場所から行き先を理解できるかを見ましょう。

広い施設では、階を移る場所や別棟への移動も関わります。目的の店が近くにあるように見えても、実際には回り道になる場合があります。図面上の距離と、利用できる経路を分けて記録します。

設備の場所と利用条件を残す

休憩スペース、ベビールーム、貸出用のベビーカーなどは、設置の有無に加え、利用する場所と条件を確認します。広い館内で、必要なときに案内を見つけられるかも比較します。

ららぽーとTOKYO-BAYの公式案内では、ベビーカーの対象や設置場所に加え、館の区分によって返却先が異なることも説明されています。設備名が同じでも、利用条件まで同一とは限りません。これは同施設の案内例であり、他施設の条件を示すものではありません。

設備の設置と、実際に使う際の条件を分けて確認できる公式案内の例です。比較では対象施設の最新の案内を参照します。

出典元:ららぽーとTOKYO-BAY|施設・サービス案内、同施設|ベビーカーの案内(要約)

催事と来館前の情報を比べる

イベントやキャンペーンは、実施日時、対象者、参加方法、会場、対象店舗をそろえて見ます。催事がある日の混雑を、通常日の集客力と同じ条件で比較しないようにします。

WEBやSNSから目的の店舗、営業時間、アクセスに進めるかも確認します。来館前に見た案内と、現地の場所や条件が一致しているかを比べると、情報更新の課題も見つかります。

現地とデータの条件をそろえる

公開情報で調べたこと、現地で見たこと、自施設の集計はそれぞれ分けて扱います。数字を一枚に並べる前に、対象と確認条件をそろえましょう。

曜日と時間をそろえ事実と仮説を分けて記録する図解

公式情報から調査票を作る

公式のショップ一覧、フロアガイド、営業時間、サービス、イベントのページから先に記録します。確認日と対象施設を付け、分からないことを現地の確認項目にします。

一覧に店舗名が載っていることと、その日に営業していることは別です。改装、期間限定、営業時間の変更なども確かめ、古い紹介記事で空欄を埋めないようにしましょう。

現地では、同じ曜日・時間帯を基本に確認し、天候や催事、休業区画なども残します。気になった差を別の日に確かめると、一時的な状態を通常の特徴として扱いにくくなります。

インターネット調査と現地調査を組み合わせ、周辺環境や直接・間接競合を確認する考え方が紹介されています。調査の目的と立地条件をそろえる際の参考になります。

出典元:日本政策金融公庫|商圏分析と競合調査をしよう(要約)

見た事実と理由の仮説を分ける

「飲食フロアへの方向が入口の案内に表示されていた」は事実です。「その案内があるから食事利用が多い」は、別に確かめる必要のある仮説になります。記録では確認したことと、考えた理由を分けましょう。

施設内に多くの人がいたとしても、購入や店舗間の移動が多いとは限りません。公開されていない売上、賃料、来館者の目的などを、外観や混雑から推定して確定値にしないようにします。

来館と購入の数字を分ける

来館・移動・購入を同じ数字として扱わないようにします。入口の通過回数、来館した実人数、個店への入店、購入件数は対象が異なります。同じ人の複数入口の利用などをどう扱うかも確認します。

会員の購買記録は、記録された店舗での購入を示す材料です。購入せずに立ち寄った場所や、非会員を含む全来館者の経路まで、その記録だけで把握できるわけではありません。

人流などの外部データを使う場合は、対象期間、来訪の判定、集計範囲、推計方法を確認します。自施設と競合施設で同じ条件を使い、方法が異なる数値をそのまま大小比較しないようにします。

商業施設集客の成功事例9選|来館・回遊・再来館を増やす設計比較で見つけた課題を来館・回遊・再来館の施策へ落とす際は、商業施設集客の事例も参考になります。関連記事|DSSお役立ちコラム

施設の改善へつなげる

比較結果を、どの利用場面を助けるかに置き換えます。テナントの入替や大型改修を考える前に、案内や店舗間の連携で試せることも整理しましょう。

買い物と食事の案内をつなぐ施設改善の図解

架空の買い物と食事で考える

休日に買い物と食事を続けて済ませたい人向けに、館内の案内を見直す架空の例です。実在施設の調査結果や改善実績ではありません。

競合施設では買い物を終えた場所から飲食フロアの案内が続き、自施設では飲食店はあるものの、営業時間と行き方を別々に探す必要があったとします。この場合、店舗数を増やす前に情報のつなぎ方を改善する案が考えられます。

自施設の案内所への質問やWEBの閲覧状況も確認し、どこで迷いが起きているかを確かめます。対象の入口やフロアを絞り、飲食店の場所、営業条件、移動方法を一緒に案内する案を作ります。

比較で見えた課題自施設で試す改善の例
次の行き先が分かりにくい入口・分岐・店舗付近の案内をつなぐ
店ごとの営業条件を探し直す対象店と営業時間の違いを示す
設備の利用方法が分からない場所と利用・返却の条件を案内する
来館前と現地の情報が違う更新元と担当を決め、案内をそろえる

施設側と店舗側の担当を決める

共用の案内と個店の情報は、更新する担当が異なることがあります。施設が修正する箇所、テナントに確認する条件、運営上の調整が必要なことを分け、古い案内が残らないようにします。

共通企画や設備の変更は、対象店舗、実施期間、費用、現場の負担を確認して判断します。競合にあるという理由だけで導入せず、今回の課題に合い、自施設が実施できる案を選びます。

改善した箇所に近い記録を見る

案内を変えたなら、同じ道順の質問、対象ページの閲覧、対象エリアの利用などを確認します。購入への影響を見る場合は、連携できる店舗の集計を、対象期間と範囲を明らかにして使います。

実施前後では曜日、天候、催事、休業や改装などの条件も残します。来館数が増えたことだけを、案内改善による購入増と読み替えず、対応の負担も含めて続けるかを判断しましょう。

比較の記録と実施後の変化を合わせると、自施設で伸ばせる特徴と、次に確かめる課題を整理できます。その結果を、来館前の広告やイベントの案内へ反映していきます。

来館の目的と商圏を整理したうえで、比較検討中の人へ施設やサービスを知ってもらう広告の仕組みもご確認ください。

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競合調査で迷いやすい点

規模やにぎわいの印象だけで判断せず、比較の目的と記録の範囲をそろえましょう。

ショッピングモールの規模と集計値の扱いを整理する図解

大きい施設ほど高く評価すべきですか?

面積だけでは決めません。同じ来館目的に必要な店舗やサービスがそろい、移動や休憩を含めて用事を済ませやすいかを確認します。面積の指標を使う際も、対象に含む範囲をそろえます。

テナント数だけで構成を比べられますか?

店舗数に加え、業種ごとの役割や組合せを見ます。常設と期間限定、店舗数と面積の割合を分け、買い物・食事・サービスなどを続けて利用できるかを比較します。

館内が混んでいれば売上も高いと考えてよいですか?

混雑と購入は別の情報です。観察した日時や催事の条件を残し、来館・入店・購入の集計範囲を確認します。外から見えた人数だけで、公開されていない売上を確定することはできません。

比較対象を選ぶところから確認したい方は、競合分析の基本と進め方も参照してください。調査の土台を整理できます。

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