百貨店の競合分析|売場とサービスの比べ方

  • LINEで送る
百貨店の売場と顧客接点を利用目的から比べるイメージ

百貨店の競合分析は、顧客が訪れる目的を決め、売場とサービスの違いを同じ条件で比べる作業です。企業全体の売上順位だけでは、贈り物を相談しながら選びたい人や、仕事帰りに食品を買いたい人にとっての使いやすさまでは分かりません。

まず企業・店舗・売場のどれを比べるかをそろえます。店舗の改善が目的なら、利用場面に沿って商品を探すところから相談、購入、包装、受取までを確認すると、品ぞろえと案内のどこを直すべきかを考えやすくなります。

この記事でわかること

  • 企業・店舗・売場の比較を分ける方法
  • 商品選びから相談・包装・受取までの確認項目
  • 架空の贈答品選びを例にした改善の進め方

動画でわかるライバルマーケティング広告

競合と比較検討される場面を踏まえ、広告で自社を知ってもらう方法もご確認ください。

ライバルマーケティング広告の仕組みを見る

利用目的から競合を選ぶ

「どの百貨店が強いか」と広く調べるだけでは、自店の課題に結びつきにくくなります。最初に調査後に決めたいことを置き、比較する単位を合わせましょう。

百貨店の店舗と売場を分けて比較対象を選ぶ図解

企業・店舗・売場を分ける

企業全体の比較と、店舗や売場の比較を分けます。グループの経営戦略を知りたいなら、百貨店以外の事業や出店地域も調べます。一方、食品売場の案内を直したいなら、その地域で利用される売場の比較が中心です。

同じ系列でも、駅に近い店と郊外の店では、来店の経路や顧客の用事が違います。全国の企業順位を、そのまま個々の売場の評価に置き換えないようにします。

企業や店舗の売上を比べる際は、対象期間、集計範囲、指標の定義をそろえます。グループ全体、百貨店事業、単独店舗の数値を同じ一覧で順位付けすると、規模の意味を取り違えやすくなります。

全国・東京地区の概況や、地区別・商品別の表が公開されています。市場全体の傾向を調べる資料と、自店や個別売場の状況を示す記録を分けて使います。

出典元:日本百貨店協会|百貨店売上高(要約)

買い物の目的を一つ決める

贈答品を相談して選ぶ、化粧品を試して買う、帰宅前に惣菜を買うなど、利用場面から調査を始めます。目的が変われば、必要な売場、相談する場所、許容できる待ち時間も変わるためです。

例えば手渡しの贈り物を探す人にとっては、予算に合う商品の選びやすさに加え、包装や持参用の袋を確認できることも関わります。商品数だけを見るより、買い物を終えられるかまで確認します。

専門店やECも候補にする

顧客が同じ目的で選ぶ店とサービスを比べます。贈答品なら専門店や通販、日常の食品ならスーパーや駅の商業施設など、用途によって競合の範囲は変わります。

同じブランドがあるかだけでなく、相談したいのか、すぐ受け取りたいのか、配送したいのかを考えます。全部の施設を一律に競合とせず、今回の用事を満たす選択肢に絞りましょう。

商圏も距離だけで決めず、鉄道の乗換、駅からの入口、駐車場から対象売場への移動などを確認します。普段の移動に組み込めるかどうかも比較の材料になります。

小売マーケティングとは?店舗とECの売上を伸ばす施策設計来店の目的から品ぞろえ・売場・販促を組み立てる方法は、小売マーケティングの記事で確認できます。関連記事|DSSお役立ちコラム

商品選びから受取まで比べる

売場を歩く順番に沿って項目を並べると、商品構成とサービスのつながりを確認できます。価格帯だけで優劣を付けず、想定した用事を進められるかを見ます。

商品選びから相談、包装と受取までを比較する図解
比較する項目そろえて確認する条件
品ぞろえ用途、ブランド、価格帯、容量や組合せ
相談・案内相談できる内容、受付方法、場所、時間
包装・贈答対象商品、のし・包装・袋、費用、申込方法
受取・配送受取場所、日程、締切、対象地域、送料
売場の移動入口からの経路、表示、関連売場のつながり
ECと店頭商品・在庫・サービス案内の対応範囲

用途と価格帯をそろえる

贈答品を調べるなら、用途、予算、数量、持ち歩くか配送するかなどを決めて比較します。同じ金額でも、内容量や包装条件が違えば、単純な価格差とはいえません。

ブランド数の多さに加え、違いを理解して選べる案内があるか、関連する商品を見つけられるかを確認します。売場にある商品を、すべてその店舗で独自に選定・変更できるとも限りません。自店の改善範囲は取引先や運営部門と確認します。

相談と包装の条件を見る

相談サービスは、対象の売場と相談内容、予約の要否、受付時間を確かめます。「接客が良い」とまとめるより、どこで何を相談できるかが分かるかを見ると、自店の案内と比べやすくなります。

サービス名だけでなく、対象商品と利用条件を確認します。三越伊勢丹オンラインストアのFAQでは、一部商品はギフト包装の対象外とされています。高島屋オンラインストアも、包装や持参用の袋などは商品詳細の条件を確認するよう案内しています。

これらはオンラインストアの案内です。同じ会社の店頭や別の販売サイトでも同じ条件とは限りません。店舗で受けるサービスとECの注文条件を分けて記録しましょう。

公式案内でも、包装の可否や形態は商品や販売サイトによって異なります。比較では「包装あり」の一項目だけでなく、対象と条件も確認します。

出典元:三越伊勢丹|ギフト包装のFAQ、高島屋|ギフトサービスについて(要約)

購入から受取までを確認する

受取や配送を調べるときは、使いたい日を決めます。注文締切、受取日時、場所、送料や対象地域などを残すと、商品の価格に含まれない違いも整理できます。

店頭受取を案内していても、すべての商品や売場が対象とは限りません。WEBで見つけた商品がその店舗にあるかも別に確認します。通販の掲載情報だけで、店頭在庫や即日対応を確定しないようにします。

売場では、入口から商品、相談、会計や受取の場所へ迷わず進めるかを見ます。相談窓口があっても見つけにくい場合は、サービスを増やす前に案内をつなぐことが改善候補になります。

公開情報と現地を照合する

先に調べられる情報を整理し、現地では売場のつながりや利用しやすさを確かめます。印象を並べる報告にせず、根拠と確認条件を残しましょう。

公式情報と現地で確かめた事実を条件付きで記録する図解

公式案内から確認事項を作る

公式のフロアガイド、ブランド一覧、サービス案内、催事情報、FAQなどを読みます。対象店舗と確認日を付け、共通案内と店舗独自の情報を分けておきます。

期間限定の売場や催事は、常設の品ぞろえとは別に記録します。販売期間や受付条件が変わるため、古い紹介記事の内容を現在のサービスとして扱わないようにします。

事実と評価を分けて残す

現地では、日時、入口、対象の売場、表示されている価格や条件、相談先の案内などを記録します。「ギフト相談の場所がフロアガイドに載っていた」という事実と、「初めて来る人にも分かりやすそう」という評価を分けます。

一度訪れた際の混雑や対応だけで、普段の状態を決めないようにします。曜日、時間帯、催事の有無などを残し、自店でも同じ場面を確かめます。

店頭で見える情報だけでは、外商の利用状況や顧客全体の購買履歴までは分かりません。人の見た目から所得や購入目的を決めず、確認できない項目は未確認として扱います。

WEBによる調査と現地調査を組み合わせ、立地や直接・間接の競合を確認する手順が紹介されています。自店の利用場面に合わせて調査対象を選ぶ際の参考になります。

出典元:日本政策金融公庫|商圏分析と競合調査をしよう(要約)

自店の相談や販売と照らす

競合で見つけた違いが、自店の顧客にも関係するかを確かめます。商品群や売場別の販売、ギフトに関する質問、配送や受取の問い合わせなど、自店で把握できる集計を確認します。

売上だけが動いた場合は、価格改定、催事、休業日、在庫などの影響も考えます。館全体の来店人数と特定売場の購入件数を混ぜず、今回の改善に近い記録で判断しましょう。

競合店調査のやり方|8項目・無料Excelシート現地で記録する項目や調査票を用意する際は、競合店調査の手順も参考になります。関連記事|DSSお役立ちコラム

自店の改善へつなげる

比較結果から、顧客が買い物の途中で迷う場面を選びます。競合のサービスをそのまま増やす前に、自店が提供できる内容を正確につなぐことから考えましょう。

贈答品選びの案内をつなぎ自店の改善を試す図解

架空の贈答品選びで考える

手渡しの贈り物を探す人向けに、売場の案内を見直す架空の例です。実在の百貨店の調査結果や成果を示すものではありません。

競合では用途別の商品案内から包装の条件と相談場所までたどれ、自店では商品は見つかるものの、包装の対象と相談先を探し直す必要があったとします。ここでは商品数を増やすより、案内をつなぐ改善を検討できます。

まず自店の質問内容を確かめ、商品を選ぶ際に確認したい条件を整理します。取扱部門と連携し、対応可能な包装や配送の条件を、商品案内から分かるように整える案を作ります。

比較で見えた課題自店で試す改善の例
用途に合う商品を探しにくい用途・予算から対象売場へ案内する
包装の条件を探し直す商品案内から対応条件へつなぐ
相談する場所が分からない相談内容と窓口・受付方法を示す
WEBと店頭の条件が違う対応範囲と更新元をそろえて案内する

担当部門と変更範囲を決める

包装、配送、相談予約などの運用を変える場合は、担当売場、取引先、受付部門との調整が必要になります。売場の表示を直すことと、新しいサービスを提供することを分けて検討します。

今回の用事に近く、自店で実施できる案を先に選びます。案内の修正なら、誰が条件を確認し、どのページや掲示を更新するかまで決めると、表示だけが古く残ることを減らせます。

質問と購入の変化を確かめる

見えた事実と自店の記録を合わせ、試す改善を選びます。贈答の案内を整えたなら、同じ質問の件数、相談への案内、対象商品群の販売など、変えた箇所に近い記録を確認します。

実施前後では曜日、催事、季節、欠品なども残します。短期間の売上増だけを成果とせず、対応の負担や粗利も見て、続ける改善と見直す点を決めます。

顧客が迷う場面を減らせたかを確かめたうえで、商品やサービスの認知を広げる施策へ進むと、来店後の案内と販促をつなげやすくなります。

利用目的と商圏を整理したうえで、比較検討中の人へ自店やサービスを知ってもらう広告の仕組みもご確認ください。

ライバルマーケティング広告の仕組みを見る

競合調査で迷いやすい点

比較する単位と利用場面をそろえることで、規模や印象の違いを、そのまま売場の優劣に置き換えることを避けられます。

百貨店の競合調査で迷いやすい範囲と数字を整理する図解

百貨店の売上順位だけで競合を選べますか?

企業戦略の参考にはなりますが、店舗や売場の改善では利用目的と商圏も確認します。企業全体、百貨店事業、個別店舗の数値は範囲や期間をそろえ、買いやすさとは分けて比較します。

近くの百貨店だけを調べればよいですか?

同じ目的を満たす専門店やECなども候補になります。贈答品選びと日常の食品購入では選択肢が違うため、相談、受取時期、移動経路などを考えて対象を選びます。

接客はどのように比較するとよいですか?

印象だけでなく、相談できる内容、窓口の見つけやすさ、受付方法、条件の説明などを記録します。一度の対応を店舗全体の評価とせず、確認日時と場面を残して自店と照らします。

比較対象を選ぶところから確認したい方は、競合分析の基本と進め方も参照してください。調査の土台を整理できます。

自社サービスの比較検討層へ届ける広告について、配信の仕組みをご確認ください。

ライバルマーケティング広告の仕組みを見る
  • LINEで送る

関連記事