競合ポジショニングマップの作り方|軸・比較例・Excel

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顧客が選ぶ基準で競合と自社の違いを図にする

競合のポジショニングマップは、顧客が選ぶときに重視する二つの軸で、自社と他社の違いを図にしたものです。先に比較表を作り、その根拠に沿って点を置くと、印象だけの図になるのを防げます。

難しいのは作図よりも、誰の選択を考えるのか、何を軸にするのかを決めることです。自社が右上に来る図を描いても、その違いを顧客が重視していなければ、施策を選ぶ材料にはなりません。

この記事では、競合の選び方、軸の決め方、比較表からマップへ移す記入例、Excel・PowerPointでの作り方を紹介します。図を読んだ後に、何を追加で確かめるかまで整理します。

最初に押さえること

  • 対象顧客と利用場面を決めてから、比較相手と軸を選びます。
  • 料金・仕様の比較と、顧客が抱く印象の調査を分けます。
  • 図の空白は、需要や採算を確かめる出発点として扱います。

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競合のポジショニングマップで何が分かる?

二つの比較軸で自社と競合の位置関係を整理する
図で見えるのは、選んだ軸に沿った違いです。

二つの軸から、自社と競合の違いを整理する

ポジショニングマップでは、縦軸と横軸に選んだ項目に沿って、各社の商品・サービスを配置します。「価格は近いが、使い始めるまでの支援が異なる」といった違いを、表とは別の見方で捉えられます。

使いどころは、新商品の企画、既存サービスの見直し、広告や営業資料で説明する価値の検討などです。ただし、二つの項目だけで商品の優劣や市場全体を説明する図ではありません。対象と軸を変えれば、位置関係も変わります。

STP分析の中で考える場合は、市場を分け、狙う顧客を選んだうえで、その人にどう位置づけてもらうかを検討します。マップを作りながら顧客の理解が足りないと気づいたら、聞き取りや調査へ戻って補います。

Sony Acceleration Platformは、顧客の購買決定要因を洗い出し、競合を比較してから二つの軸と配置を決める流れを紹介しています。

出典元:Sony Acceleration Platform「ポジショニングマップの作り方」

仕様の比較か、顧客の認識かを明記する

同じ二軸の図でも、公式料金や機能を並べたものと、顧客への調査で得た印象を並べたものは、意味が違います。前者から「顧客にも高く評価されている」とは言えません。

例えば、講座の個別添削が3回付くことは提供条件として確認できます。一方、「相談しやすい」「指導が分かりやすい」という評価には、受講者への調査が必要です。図の近くに、情報源、対象時点、配置した値の意味を残してください。

まだ調べていない位置は、事実のように置かず「仮置き」と示します。分からない値を中間点やゼロへ入れると、調査済みの値との区別が付かなくなります。

競合分析とは?やり方6ステップ・比較項目・フレームワーク10選競合分析とは?やり方6ステップ・比較項目・フレームワーク10選競合の選定・情報源・比較の進め方を全体から確認できます。関連記事|マーケティングノート

ポジショニングマップの軸を決める方法

購入や契約の決め手を調べ、比較の軸を決める
自社が伝えたい特徴と、顧客が選ぶ理由を照らし合わせます。

顧客が選んだ理由から候補を出す

軸の候補は、顧客が購入を決める要因から探します。これはKBF(購買決定要因)と呼ばれます。自社が宣伝したい特徴だけで決めず、商談で比べられた点、購入を見送った理由、利用時の困りごとを確認します。

聞き取りでは「何を重視しますか」だけでなく、「最後まで迷った選択肢は何か」「どの条件が違っていれば選ばなかったか」と、具体的な場面を尋ねます。既存顧客だけに聞くと、買わなかった人の理由を見落とすため、確認した相手の範囲も残しましょう。

候補が出たら、顧客にとって大切か、各社を同じ基準で確認できるか、今回決めたいことに関係するかを見ます。重要な項目が三つ以上ある場合は、比較表に残し、組み合わせを変えた複数の図で検討できます。

才流は、顧客へのインタビューなどからKBFを抽出し、各社の比較表を作ってからマップへ落とし込む方法を説明しています。

出典元:才流「ポジショニングマップの作り方」

「高品質」「手厚い」を、比較できる条件へ直す

「品質が高い」「サポートが手厚い」では、人によって解釈が変わります。料金を比べるなら何人・何か月分か、サポートなら対応時間・担当者の有無・個別相談の回数など、今回確かめたい内容へ具体化します。

顧客の印象を測りたい場合は、同じ質問と尺度で回答してもらいます。社内担当者が付けた5段階評価と、顧客アンケートの平均点を同じ種類のデータとして混ぜないようにします。

候補の言葉具体化する例そろえる条件
費用の負担一定人数・一定期間で使う総額初期費用、必須オプション、税の扱い
導入時の支援標準プランに含まれる個別講習の回数1回の時間、対象作業、追加契約の有無
使いやすさ同じ作業を試した対象者による評価利用経験、作業内容、質問文と尺度

似た意味の軸を重ねず、判断の幅を確保する

「多機能」と「機能数が多い」のように同じ内容を重ねても、別の違いは見えません。二つの軸で何を別々に確かめたいのかを説明できる組み合わせにします。

価格と品質も、項目名だけで採用を決めず、品質を何で測るかを先に決めます。値が連動して似た配置になるなら、納期や支援範囲など、顧客が重視する別の観点の図も作ってみます。点が一直線に並んだことだけで、調査の失敗と決めつける必要はありません。

自社を良く見せるために軸を入れ替え続けると、顧客の選択を考える目的から離れます。採用した軸と、採用しなかった重要項目の理由を記録すると、社内でも説明しやすくなります。

競合の選定・比較表・配置を記入例で確認する

比較表の確認済みの値を使いマップへ配置する
比較表と図の位置が一致するように配置します。

顧客と利用場面をそろえ、比較相手を選ぶ

企業名を並べる前に、誰がどの用途で商品を選ぶのかを一文にします。例えば「動画制作を初めて担当する広報担当者が、業務で使う基礎講座を選ぶ場面」なら、講座の対象者や学習期間をそろえて比較します。

競合は同業の大手だけでなく、顧客が実際に迷った商品から選びます。独学や外注と比較されているなら、それも別の解決方法として記録します。ただし、講座の受講料と外注の月額を、そのまま同じ費用の軸へ置くことはできません。成果物や利用期間など、比較する単位を先に整えます。

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同じ条件の比較表を作り、出典と未確認を残す

料金・提供条件は、公式ページや料金表、利用案内を確認します。比較表の各項目と対応する出典、確認日、対象プランを残し、個別見積もりの情報や推定値は区別します。

以下は、作図を説明するための架空の動画制作講座の例です。各講座を「1名・2か月・税別・追加費用なし」、個別添削を「1回30分」と仮定しています。実在講座の料金やDSSの実績ではありません。

講座(すべて架空)X:受講料・税別Y:個別添削の回数
自社講座80,000円2回
A講座30,000円0回
B講座60,000円3回
C講座120,000円1回

この例の「0回」は、条件として添削が付かないと仮定した値です。実際の調査で案内を見つけられなかった場合には、0回とせず「未確認」と残します。位置の根拠がそろった商品だけを図へ移します。

比較表の値をそのままマップへ移す

横軸を受講料、縦軸を個別添削の回数とし、表の数値が交わる場所に各講座を置きます。自社講座なら「8万円・2回」です。見栄えのために点を移動せず、ラベルが重なった場合は文字の位置を調整します。

図は横にスクロールできます。

架空の講座:受講料と個別添削の比較 横軸は受講料0~15万円、縦軸は個別添削0~4回。自社講座は8万円・2回、A講座は3万円・0回、B講座は6万円・3回、C講座は12万円・1回。1名・2か月・税別・追加費用なし、添削は各30分という説明用の仮定です。 架空の講座の比較例 個別添削(回) 43210 051015 受講料(万円・税別) 自社講座A講座B講座C講座
すべて架空の値です。1名・2か月・税別・追加費用なし、個別添削は各30分と仮定。各点は上の比較表と同じ数値を示しています。

この図からは、B講座が自社より受講料が低く、添削回数が多いという条件の差を読めます。ただし、教材の内容、添削の質、受講者の目的への適合までは表していません。受講料と回数だけで総合順位を付けないようにします。

回数が多いほど、すべての顧客にとって良いとも限りません。自分のペースで学びたい人と、課題にフィードバックを受けたい人では選ぶ条件が違います。図で見つけた差を、対象者がどう評価するかを次に確かめます。

アスマークは、目的・ターゲットの設計、KBFの抽出、二軸の決定、配置という流れを紹介しています。上の数値と図は、その考え方を説明するために本記事で作った仮定例です。

参考:アスマーク「ポジショニングマップの作り方とは?」

Excel・PowerPointでポジショニングマップを作る

散布図の横軸と縦軸、名称と単位を確認する
数値の位置と、点に添える名称を確認します。

Excelでは、名称・X値・Y値の3列を用意する

Excelで作る場合は、A列に講座名、B列に受講料、C列に添削回数を入力します。先ほどの表を使うなら、見出しを1行目、4講座の値を2~5行目へ入れます。受講料は「80,000円」という文字列ではなく、80000という数値で入力し、表示形式で円を付けます。

出典や確認日は、作図用の2列と別の列・シートに残します。実際の比較では、対象人数、期間、税込・税別、含まれる支援なども一緒に管理してください。

散布図を選び、横軸と縦軸を確認する

B1:C5の数値と見出しを選び、「挿入」から散布図を作ります。マーカーだけの種類を選ぶと、各講座を線で結ばずに示せます。横軸が受講料、縦軸が添削回数になっているかを、データの選択画面と表示された点で確認します。

散布図はXとYの両方を数値の位置として扱います。折れ線グラフでは横軸が等間隔の項目になり、受講料の違いを正しい間隔で示せないため、今回の作図には散布図を使います。

例と同じ表示にするなら、横軸を0~150,000円、縦軸を0~4回に設定します。表示範囲を狭めて差を大きく見せず、単位と目盛を付けてください。版や端末によってメニュー名・配置は異なります。

会社名・単位・配置の根拠を図に添える

データラベルを追加し、ラベルの書式設定にある「セルの値」でA2:A5の名称を指定すると、各点に講座名を表示できます。不要な数値ラベルを外し、自社だけ色を変える場合も、点の大きさには勝手な意味を持たせないようにします。

PowerPointで概念を説明する図を作るなら、軸、両端の説明、点、名称を図形で配置できます。数値を正確な間隔で示す場合は、Excelの散布図を使うか、PowerPointのグラフ機能で同じ数値を入力します。手で並べた図を、実測値どおりの散布図として見せないことが大切です。

Microsoftは、散布図のX・Yが数値軸であることと、セルの値をデータラベルに使用する手順を案内しています。ここでは公式手順を、架空の講座比較へ当てはめています。

出典元:Microsoft「データを散布図または折れ線グラフで表示する」/「グラフのデータ ラベルを追加または削除する」

マップを読み、差別化と改善へつなげる

図の空白に需要があるかと自社の提供条件を確認する
空いている場所を見つけたら、その理由を調べます。

空白がある理由と、そこへの需要を確かめる

図の空白は、今回載せた商品が、選んだ二軸のその位置にないことを示します。まだ調べていない競合がいる、需要が小さい、提供する費用が高い、といった理由も考えられます。

講座の例で「低価格で添削が多い領域」が空いていても、そこへ移れば売れるとは限りません。対象者が追加の添削を必要とするか、いくらなら選ぶか、講師の時間と費用を確保できるかを確かめます。

顧客への聞き取りや、小さな範囲での提供を通じて確認し、反応と提供負担を記録します。図に点が少ないことを、市場規模や利益の大きさへ置き換えないようにしましょう。

近い競合とは、他の条件や顧客の認識も比べる

点が重なった場合も、商品が完全に同じという意味ではありません。講座なら学べる内容、課題の形式、受講できる時間帯など、二軸へ入れていない重要な条件を比較表へ戻って確認します。

提供条件に差があるのに顧客へ伝わっていないなら、説明や体験の見せ方を見直します。条件そのものが求められる水準に届かないなら、商品や支援体制の変更を検討します。点を離すことだけを目的に、不要な機能や特典を増やす必要はありません。

図で見つけたことそれだけでは分からないこと次に確かめること
空白の領域がある需要や採算、未調査の競合の有無選ぶ人の理由と支払意向、提供する費用
自社と競合が近い顧客が同じ商品と認識しているか他の重要条件、商談で比較された理由
自社の条件に違いがあるその違いが顧客へ伝わり、選ばれているか説明の理解、試用時の評価、購入・見送り理由

実際に変える内容と、見直す条件を決める

位置づけを変えるリポジショニングには、広告の言葉を変えるだけでなく、対象顧客、提供内容、料金や支援の見直しが必要になる場合があります。実際に提供できる条件を確認し、何を誰に約束するかを決めます。

講座の添削を増やすなら、担当講師、受付方法、回答までの時間、費用も合わせて設計します。説明を変えて試すなら、対象者に内容が伝わったかと、申し込み後の提供に無理がないかを確かめます。

競合の料金・プランが変わったときや、顧客が選ぶ基準に変化があったときは、比較表と図を更新します。自社の現状と、今後目指す位置は別の印で示し、計画を現在の提供条件と混同させないようにしてください。

競合ポジショニングマップのよくある質問

提供条件の比較と顧客の認識を分けて解釈する
配置の根拠を確かめて、図を読みます。

軸が決まらない場合は、何から始めればよいですか?

対象顧客が購入・契約で迷った点を集め、候補を出します。その中から、今回の意思決定に関係し、各社を同じ基準で確認できる二つを選びます。候補が多ければ比較表へ残し、複数の組み合わせで図を作って検討します。

競合は何社載せればよいですか?

固定の社数より、顧客が実際に比べる選択肢を含めることを優先します。最初は記録できる少数から始め、特徴の異なる商品や別の解決方法を見落としていないかを確認します。載せた範囲を明記し、図の空白を市場全体の空白と扱わないようにします。

価格と品質を軸にしてはいけませんか?

項目名だけで禁止する必要はありません。ただし、品質を何で測るかを定め、価格と別に何を確かめたいのかを説明できるようにします。二つの値が似た動きをする場合は、顧客が重視する別の観点の図も併用して判断します。

知覚マップとポジショニングマップは違いますか?

知覚マップは、顧客が各商品・ブランドをどう認識しているかを示す図です。呼び分け方には幅があるため、名称よりも配置に使った情報を確認します。料金・仕様の比較図と、顧客調査から作った認識の図を区別し、同じデータとして扱わないことが大切です。

OpenStaxは、知覚マップを、対象顧客が自社商品と競合商品をどう捉えているかを示す図として説明しています。才流の解説では、仕様などの事実による配置と、顧客の認識による配置を分けています。

出典元:OpenStax「Product Positioning」/才流「ポジショニングマップの作り方」

競合との違いを整理し、集客施策を考えたい方へ

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