自社名で検索したら競合の広告が出てきた。反対に、自社でも他社の商品名で広告を出せないか検討している。どちらの場合も、まず分けたいのが入札するキーワード、画面に出る広告文、クリック後のページです。
Google広告の商標ポリシーでは、商標をキーワードに使うこと自体は制限の対象としていません。一方、広告文での使用には制限があります。LINEヤフーの検索広告では、他社名キーワードと広告・リンク先との関連性にも条件があります。「競合名なら自由に出せる」と一括りにはできません。
この記事では、競合名への出稿を考えている担当者と、自社名への出稿を見つけた担当者に向け、確認する順番と対応方法を解説します。媒体ルールは2026年10月23日に確認した内容です。
先に押さえたい3点
- キーワードの登録と、広告文への商標表示は別の判断です。
- 自社名で競合広告が出ても、その語を直接登録したとは限りません。
- 相手への除外依頼、媒体への商標申請、自社の除外設定は、できることが違います。
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競合名でリスティング広告を出せる?まず分ける3つの場所

キーワードに入札することと広告文に表示することは別
競合名へのリスティング広告とは、他社の社名・ブランド名・商品名などの検索に対して、自社の検索広告を表示する施策です。「競合の指名検索に出す広告」「他社名キーワードへの入札」と呼ばれることもあります。
例えば、架空の予約システム「A予約」を検索した人に、別会社の予約システムの広告が表示される場面を考えます。広告主が「A予約」を登録している場合も、関連する別のキーワードから表示される場合もあります。どちらも、見出しに「A予約」と書かれるとは限りません。
運用画面で設定するキーワードは広告を出すきっかけです。対して広告文は、検索者が実際に目にする表示です。競合の商標キーワードに入札できることから、広告の見出しにも同じ名前を書けるとは判断できません。
リンク先の内容と法的な確認も必要
リンク先のページ(LP)では、どの会社のサービスなのか、競合とどのような関係があるのかを誤解させない説明が必要です。広告文から他社名を削れば、ページ内の比較や表示を確認しなくてよいわけではありません。
また、媒体の掲載審査と法律上の判断は別です。商標の権利関係や具体的な表示、取引上の契約などに懸念がある場合は、実際の広告文とLPをそろえて法務担当者や専門家に確認します。媒体の審査に通ったという事実だけで、権利上の問題まで解決したとは扱わないことが大切です。
Googleの商標ポリシーは、キーワードとしての使用と広告内での使用を分けて定めています。
Google広告とLINEヤフーで異なる商標・関連性のルール

Google広告は商標のキーワード使用を制限対象としていない
Googleは、商標をキーワードに使うこと自体を商標ポリシーの制限対象としていません。一方、直接競合する広告主が広告内で他社の商標を使う場合や、混同・誤認を招く使い方には制限があります。
販売店や情報提供サイトなどに認められる例外もありますが、リンク先の内容などに条件があります。競合サービスを売る広告に、その例外がそのまま当てはまるとは考えないようにします。
したがって、Googleで競合名キーワードを検討する際は、入札の可否だけで作業を終えず、見出し・説明文・自動挿入などで他社名が表示されないかを確認します。公式サイトや提携先に見える表現にも注意が必要です。
LINEヤフーは企業名キーワードと広告・LPの関連性を求める
LINEヤフー広告の検索広告では、キーワード、広告、リンク先ページの関連性が求められます。企業名キーワードを使う場合は、その企業、またはそのブランド・商品・サービスだと特定できる内容をタイトルか説明文に含め、両者の関係を明確にする条件があります。
さらに、他社・競合の企業名などを使う場合は、その企業や商品についてリンク先に十分な内容が必要です。Googleと同じつもりで「競合名を登録し、広告とLPは自社の紹介だけ」にすると、関連性の条件を満たせないことがあります。
ただし、関連する内容を載せれば商標上の制限もなくなる、という意味ではありません。広告文に商標を含める必要がある場面と、商標の利用制限が重なることもあるため、両方のルールを満たせるか確認してから出稿を判断します。
企業名キーワードの広告文・リンク先に関する条件と、商標の使用制限は、それぞれ確認します。
| 確認する場所 | Google広告 | LINEヤフーの検索広告 | 担当者が見るもの |
|---|---|---|---|
| 入札キーワード | 商標のキーワード使用自体は制限対象外 | 企業名などと広告・LPの関連性が必要 | 登録語、実際の検索語句、対象キャンペーン |
| 広告文 | 直接競合の商標使用や誤認を招く使用に制限 | 企業名キーワードの表示条件と商標制限を両方確認 | 見出し、説明文、自動挿入の設定 |
| リンク先 | 商標ポリシー以外の掲載条件も確認 | 他社名などについて十分な内容が必要 | 会社の関係、比較の根拠、サービスの主体 |
競合を比較するページは根拠と条件をそろえる
LPで「A社より安い」と表示するなら、比較対象のプラン、調査日、契約期間、初期費用や追加費用までそろえて確認します。自社の割引価格と他社の通常価格だけを並べると、読み手が費用の違いを正しく判断できません。
消費者庁は、比較広告で主張する内容の客観的な裏付け、数値や事実の正確な引用、公正な比較を求めています。自社に有利な項目を探すだけでなく、購入や導入の判断に必要な条件を示します。
比較そのものが一律に禁止されるわけではありませんが、根拠・引用・比較方法が適切であることが前提です。
出典元:消費者庁「比較広告」
比較広告とは?景品表示法の考え方・作り方・NG表現を実務目線で解説比較表の根拠や表示条件を整理する際に役立ちます。関連記事|マーケティングノート
自社名で競合広告が出たときの調べ方

日時・検索語・広告文をまとめて記録する
最初に残したいのは、「自社名で競合が出た」という印象ではなく、どの条件で何が表示されたかです。検索した語句、日時、地域や端末、広告主名、見出し・説明文、表示URLをスクリーンショットとともに記録します。
とくに、自社の商標が広告内に表示されているかを確認します。他社広告が並んでいるケースと、自社の公式広告に見える表現があるケースでは、媒体へ確認すべき内容も変わります。
広告が出たことだけで他社の登録キーワードは断定できない
検索画面から分かるのは、その検索で広告が表示されたという事実です。インテントマッチなど、登録した語と関連する検索にも広告が出る仕組みがあるため、競合が自社名を直接登録したとは限りません。
相手に確認する場合も、「当社名を登録していますね」と決めつけず、記録した検索語句と広告を提示する方が、運用担当者による調査につながります。相手のアカウント内の登録語や費用は、外から見た広告だけでは確認できません。
検索者が入力する「検索語句」と、広告主が設定する「キーワード」は異なります。両者は完全に同じ文字列とは限りません。
自社広告の診断と競合広告の記録を使い分ける
自社の指名広告が表示されない理由を調べるなら、Googleの「広告プレビューと診断ツール」で掲載状況を確認できます。プレビューは表示回数を増やさずに確認できるため、同じ語で通常検索を繰り返す前に使いたい方法です。
ただし、プレビューにすべての掲載状況が反映されるわけではありません。自社広告の予算・審査・配信条件の確認と、実際に見つけた他社広告の証拠保存を分けて進めます。
広告プレビューは自社広告の掲載状況を調べる機能です。確認できた画面だけで競合の全出稿を把握したとは扱いません。
リスティング広告の競合調査|方法とツール競合の広告を調べる方法とツールを詳しく確認できます。関連記事|マーケティングノート
除外依頼・商標申請・自社設定はどう違う?

相手への除外依頼だけで広告が止まるわけではない
他社への「当社名を除外してほしい」という連絡は、その会社に対応を求めるものです。広告媒体が自動で全広告を停止する手続きとは異なります。まず、対象の社名・商品名、表記、検索時の記録、問題と考える表示を具体的に整理します。
商標権に関する指摘なのか、誤認につながる広告文の修正を求めるのか、キーワード除外の相談なのかを明確にすると、相手も確認しやすくなります。契約上の義務や法的な主張を含める際は、担当者だけで文面を決めず、社内の確認を通します。
媒体への商標申請は対象と申請資格を確認する
Googleの商標に関する申し立ては、広告内に表示される商標が審査の対象です。LPにだけ商標がある場合や、キーワードとしての使用だけを止めたい場合とは分けて考えます。具体的な広告主や権利を持つ地域など、申請の条件も確認します。
LINEヤフーの商標の使用制限は、商標権者または正当な代理人が申請でき、原則として広告文が対象です。キーワード自体は申請の対象ではありません。申請をすれば必ず制限されるわけでもありません。
LINEヤフーでは、許可する広告主を適切に設定しないと、自社や販売店などの広告にも影響し得ます。競合だけを止めたいのか、どの広告主に使用を認めるのかまで整理してから手続きを進めます。
商標の申し立ては、相手への任意の除外依頼とは別の手続きです。媒体ごとに対象、資格、必要情報を確認します。
依頼を受けたら検索語句と自動挿入を確認する
自社が除外依頼を受けた場合は、まず対象語を登録しているかだけでなく、確認できる検索語句、広告文、リンク先を調べます。Googleの検索語句レポートには、プライバシーなどの理由で表示されない少量の検索もあります。「レポートにないから一度も出ていない」とは断定しないようにします。
除外する方針になったら、対象キャンペーンと適用範囲を決め、除外キーワードのマッチタイプを確認します。Googleの除外完全一致では、別の語句が付いた検索は除外されないことがあります。会社名だけを除外したつもりで、「会社名 比較」などが残っていないかを確認します。
Googleでは大文字・小文字やスペルミスは自動的に考慮されますが、同義語や複数形まで一律に含まれるわけではありません。英字名、カナ名、商品名なども洗い出し、媒体の仕様に沿って対象を決めます。
| 対応方法 | できること・対象 | 先に確認する点 |
|---|---|---|
| 相手へ除外依頼 | 相手企業に設定や表示の確認を求める | 対象語、表示記録、求める対応を明確にする |
| 媒体へ商標申請 | 媒体の商標ポリシーに基づく審査 | 申請資格、広告内の商標、許可する広告主 |
| 自社で除外設定 | 自社広告の掲載対象を調整する | 適用範囲、除外のマッチタイプ、別表記 |
通常のキーワードと除外キーワードでは一致の仕組みが異なります。設定後も、確認できる検索語句と配信範囲を点検します。
競合名への出稿を判断する3つの確認点

比較中の人に答えられるページを用意できるか
競合名の検索には、その会社の公式サイトへ行きたい人も、他社と比較したい人も含まれます。自社の広告が表示されても、その人が別のサービスを探しているとは限りません。
出稿を検討するなら、「どんな疑問を持つ人に、何を説明できるか」を先に決めます。例えば「A予約 比較」なら、料金条件や対応機能、導入支援の違いが判断材料になります。一方、「A予約 ログイン」で既存利用者を集めても、新規商談には結び付きにくいと考えられます。自社の実際の検索語句と問い合わせ内容を見て、対象から外すかを判断します。
クリック単価だけでなく商談までの費用を見る
競合名は検索意図が具体的ですが、それだけで獲得単価が安いとはいえません。指名先が決まっている人のクリックが増えると、広告費を使っても問い合わせが増えないことがあります。
検証する場合は、媒体ルールと権利関係を確認したうえで、予算の上限、問い合わせとして数える条件、商談の定義を決めます。自社名や一般キーワードと集計を分けると、どこに費用がかかっているかを把握しやすくなります。
| 確認項目 | 見る内容 | 見直す判断の例 |
|---|---|---|
| 検索意図 | 比較・乗り換えか、公式サイトやログイン目的か | 対象と違う意図の流入が多ければ除外や配信範囲を見直す |
| 問い合わせの質 | 他社宛ての問い合わせ、既存客の誤認がないか | 広告主やサービスの説明が伝わっていなければ表示とLPを修正 |
| 商談の費用 | 広告費に対して有効な問い合わせ・商談が何件あるか | クリック単価が低くても商談につながらなければ継続を再検討 |
キーワード挿入と動的検索広告の表示内容も点検する
Googleのキーワード挿入機能は、検索者が入力した語をそのまま入れる機能ではありません。広告表示のきっかけとなった広告グループ内の登録キーワードを、見出しなどに挿入する仕組みです。競合名を登録している場合は、意図せず広告文に入る設定になっていないか確認します。
動的検索広告(DSA)はこれとは別で、ウェブサイトの内容などを基に見出しとリンク先を生成します。キーワード挿入の設定だけを見て終わらず、対象ページ、ページ内の競合名、実際に生成された表示を確認します。
競合名への入札を見送る場合も、商品カテゴリや課題、比較・乗り換えに関する一般キーワードで、自社に合う見込み客へ情報を届ける方法があります。狙う相手と広告文・LPの内容がつながるかを基準に、施策を選びます。
登録キーワードを挿入する機能と、サイト内容から見出しなどを生成する仕組みは異なります。
Google広告の競合調査|透明性センターと指標の見方透明性センターと競合指標の使い分けを解説しています。関連記事|マーケティングノート
競合名のリスティング広告でよくある質問

競合名でリスティング広告を出すのは違法ですか?
一律には判断できません。Googleの商標ポリシーではキーワードとしての使用自体は制限対象外ですが、広告内での商標使用などには制限があります。媒体ルールに加え、実際の表示や権利関係、契約などを確認します。懸念がある場合は、広告文とリンク先をそろえて専門家に確認してください。
商標登録していれば競合の広告をすべて止められますか?
商標登録だけで全広告が自動的に止まるわけではありません。GoogleとLINEヤフーには商標に関する申請手続きがありますが、対象や申請資格、審査条件が定められています。キーワードとしての使用と、広告文での使用を分けて確認します。
除外依頼を出せば相手は必ず対応しますか?
相手への依頼だけで、媒体側が自動的に除外する仕組みではありません。対象の名称、表示された広告、求める対応を明確にして確認します。権利侵害などの主張を含む場合は、社内の法務担当者や専門家と対応を決めます。
自社名で競合広告が出たら、その名前を登録されているのですか?
表示されたことだけでは断定できません。登録キーワードと関連する検索に広告が出る場合などがあります。検索語、日時、広告文などを記録し、相手の登録内容を決めつけずに確認することが大切です。
競合と比較している見込み客への広告を検討するなら
自社を選ぶ理由が伝わる広告文とLPをそろえ、配信対象や施策を検討しましょう。ライバルマーケティング広告のサービス内容は、専用ページでご案内しています。
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