D2Cマーケティングと競合分析|選ばれる理由を購入・継続へつなぐ

  • LINEで送る
D2Cの競合比較を購入と継続へつなぐ循環図

D2Cマーケティングで競合分析を行うときは、同じ用途で迷うブランドの商品価値・購入条件・購入後の支援を比べ、自社が提供できる違いを広告と商品ページへ反映します。集客、初回購入、使った後の体験、継続購入をつなげて考えることが基本です。

ブランドの雰囲気や広告の目立ち方だけでは、顧客が選ぶ理由までは分かりません。比較した事実を、自社の問い合わせや購入履歴、顧客の声と照らし合わせ、次に改善する仕事を決めましょう。

この記事では、D2Cの競合の選び方と比較項目、調査結果を集客と購入後の案内へ反映する方法を解説します。途中では、自社ブランドのコーヒー豆を販売する架空のショップを使い、判断の流れを具体的に説明します。

この記事でわかること

  • D2Cブランドの競合と、購入条件を比べる6項目
  • 公開情報と自社の顧客情報から、改善案を考える方法
  • 広告・商品ページ・購入後の案内をつなぎ、採算を確認する手順

動画でわかるライバルマーケティング

D2Cマーケティングは、競合との違いを顧客の価値へつなぐ

D2Cは販売の形を表す言葉です。その形を採用しただけで、顧客が集まったり、利益が増えたりするわけではありません。誰のどんな選択に応えるのかを決め、商品から購入後までの体験を整えます。

用途を毎日の一杯と贈り物に分け、選ぶ条件をそろえる分岐図
同じ商品でも、使う場面が変われば比較する条件は変わります。

D2Cはブランドと生活者が直接取引する形

D2Cは「Direct to Consumer」の略で、メーカーやブランドが、卸売業者や小売店を介さず、自社ECなどで消費者へ直接商品を販売するモデルです。自社の直営店を含む形もあり、商品を届ける方法をECだけに限定する言葉ではありません。

直接つながることで、商品の説明、購入手続き、問い合わせ、購入後の案内を自社で設計しやすくなります。その分、集客や配送、顧客対応を誰が担い、いくらかかるかも確かめる必要があります。

D2Cとは?仕組み・メリット・始め方と成功条件を解説D2Cとは?仕組み・メリット・始め方と成功条件を解説D2Cの仕組みと、導入前に確認する運営上の条件を読む。関連記事|DSSお役立ちコラム

誰が、どんな場面で比べるかを決める

同じコーヒー豆でも、毎朝の一杯を手軽に用意したい人と、贈り物を探す人では、選ぶ条件が違います。前者なら味の選びやすさや価格、後者なら包装や配送日の案内が判断材料になるかもしれません。

調査を始めるときは、対象者と用途、買い替えや購入を考えるきっかけを一つに絞ります。すでに顧客がいるなら、購入理由や問い合わせ、見送った理由から、実際に迷われている条件を探してください。

選ばれる理由は、事実から仮説を作って確かめる

競合に「焙煎の違いを選べる」という説明があっても、それが売れている理由だとは限りません。まずは、どんな情報や条件を提示しているかを事実として記録します。

違いが、顧客の困りごとにどう役立つかを考え、自社の顧客に確かめると、競合分析を改善へ使えます。「自社も同じ説明を載せる」で終えず、自社が提供できる商品や支援に結び付けましょう。

比較するブランドと購入条件をそろえる

競合の範囲は、顧客が同じ用途で比較する相手から決めます。ブランドの知名度や売上規模だけで選ぶと、自社の顧客が迷う理由から離れてしまうことがあります。

EC商品ページに商品価値・金額・根拠・手順・購入後支援・集客接点を注釈した図
商品だけでなく、購入条件と購入後の支援まで同じ項目で確認します。

同じ商品と、別の解決方法を候補にする

コーヒー豆のブランドなら、同じ価格帯の直販ブランドや専門店が候補になります。さらに、手間を減らしたい顧客が相手なら、ドリップバッグやカプセル式コーヒーなど、同じ目的を別の方法で満たす商品も比較対象です。

顧客に聞ける場合は、購入前に何を調べ、ほかにどの商品と迷ったかを確認します。自社が競合だと思う相手と、顧客の選択肢が一致しているかを確かめるためです。

商品から購入後まで、6項目で比べる

比較表には、自社を含めて同じ項目を書きます。次の6項目を出発点に、今回の顧客や課題と関係する部分を詳しく調べましょう。

比較する項目確認する情報そろえる条件
商品の価値用途、特徴、種類、量、使い方誰が、何のために使うか
支払う金額商品代、送料、手数料、割引の条件購入量、配送先、初回と通常時
説明の根拠仕様、素材、製法、使い方の説明や実例確認できる資料と対象商品
購入の手順選び方、登録、決済、届く日の案内端末、注文経路、購入する場面
購入後の支援使用案内、相談、返品・修理、再購入の方法対象商品と支援の適用条件
集客の接点検索、公開広告、SNS、紹介する内容検索語、媒体、確認時点

表の空欄は、情報がないのか、今回見つからなかったのかを区別します。競合の対応範囲を、記載がないという理由だけで「対応していない」と決めないようにしてください。

EC競合分析のやり方|比較6項目・調べ方と改善例EC競合分析のやり方|比較6項目・調べ方と改善例ECサイトの比較項目と、調査から改善へつなげる手順を確認する。関連記事|DSSお役立ちコラム

送料や定期購入の条件まで確かめる

初回の表示価格だけを並べると、量や送料、割引の適用条件が異なる比較になります。単品購入と定期購入、初回と通常時を分け、顧客が支払う金額と利用条件を記録します。

定期購入を扱う場合は、配送の頻度、変更や解約の条件、手続きの窓口も確認します。自社の表示を見直すときは、商品ページから注文の最終確認まで、同じ条件を伝えられているかを点検しましょう。

商品を比較している人との接点を考える

小売・EC向けライバルマーケティング広告の対象と仕組みを紹介しています。自社の商品や顧客の検討場面に合うか、詳細から確認できます。

ライバルマーケティング広告の詳細はこちら

公開情報と、自社の顧客情報を合わせて読む

競合の公開ページから分かるのは、見せている商品や条件、説明の内容です。その違いが顧客にどう受け取られるかは、自社の顧客の声や行動も使って確かめます。

公開情報と自社の顧客情報を、次に確かめる問いへつなぐ図
観察した事実と、これから確かめる仮説を分けて記録します。

公式ページ・広告・レビューの事実を記録する

商品ページ、配送や返品の案内、公開広告、SNSなどを確認し、URLと確認日、対象商品、見た条件を残します。広告で伝える価値と、商品ページで説明する内容がどうつながるかも確認します。

レビューは「味を選びやすかった」「量が多すぎた」など、何を評価し、何に困ったのかを読む手がかりになります。投稿時点や購入条件の違いもあるため、少数の意見を顧客全体の評価には置き換えません。

違いが選ぶ理由になるか、顧客の声で確かめる

競合に味の選び方の説明があり、自社にはないと分かったら、自社の問い合わせや購入前の質問を見ます。「どの豆が合うか分からない」という相談があるなら、選び方を補う案を考えられます。

聞き取りでは、購入時に迷ったこと、比べた相手、決め手になった説明を確認します。「この機能があれば買いますか」という予想だけでなく、実際に何を見てどう判断したかを聞くと、改善する場所を絞りやすくなります。

競合分析テンプレートを無料配布|比較表の項目・Excel記入例競合分析テンプレートを無料配布|比較表の項目・Excel記入例比較項目、事実、仮説を整理するテンプレートの記入例を見る。関連記事|DSSお役立ちコラム

外部データは、推計の条件を確認して使う

流入元やアクセスの傾向を調べる外部ツールは、競合を広く見る助けになります。対象の国、端末、期間、データの単位をそろえ、取得できない数値は未確認として残します。

競合の広告の多さやフォロワー数から、購入数や継続率まで読み取れるわけではありません。公開情報で確かめた事実、外部ツールの推計、自社が直接確認した顧客の情報を分けて扱ってください。

違いを広告・商品ページ・購入後の案内へ反映する

調査で見つけた違いは、顧客が迷う場面と、自社が対応できる内容を結び付けて改善案にします。広告だけを変えるのか、商品の説明や購入後の案内まで変えるのかを、ひと続きで考えましょう。

広告から商品ページ、使い方、再購入へ約束をつなぐ図
広告の約束を、商品説明と使った後の体験までつなげます。

コーヒー豆の仮定例で、購入前の迷いを減らす

架空のコーヒー豆ブランドで、自社のページには産地と焙煎度だけが載り、競合には「酸味が好きな人向け」などの選び方があると仮定します。自社への質問にも、初めて選ぶ味への不安が多いとします。

この場合は、好みから選べる案内と、少量で試せる商品の説明を補う案が考えられます。実際に販売できる内容量や価格、配送条件を確かめ、その範囲で初めての人が選びやすい説明を用意します。

広告で伝える約束と、商品ページをそろえる

広告で「好みに合う豆を選べる」と伝えるなら、移動先にも味の選び方と商品の違いが必要です。SNSの投稿、広告、商品ページで、対象者と伝える価値がつながっているかを確かめます。

接点ごとの役割も決めましょう。検索では用途が明確な人に必要な商品情報を、SNSでは使う場面や選び方を、商品ページでは具体的な条件と注文への案内を届ける、と整理できます。どの媒体を使うかは、顧客の行動と自社の運用体制から選びます。

購入後は、使い方と次に必要な情報を届ける

コーヒー豆なら、届いた後に淹れ方や保存の案内が役立つ場面があります。問い合わせで繰り返し聞かれる内容をまとめると、顧客の使いやすさと、対応する側の負担を一緒に見直せます。

再購入の案内も、商品を使う周期や顧客の希望に合わせて考えます。割引を繰り返すだけでなく、使い方の疑問に答える、前回と違う味を選べるようにするなど、次も利用する理由を商品と支援の中で作ります。

選ばれる理由が伝わるページを用意できたら

比較検討している人に商品を案内する方法として、小売・EC向けライバルマーケティング広告の配信対象とサービス内容を確認してください。

ライバルマーケティング広告の詳細はこちら

初回購入と継続購入の採算を確かめる

購入件数が増えても、獲得費や配送費が増えれば、事業に残る金額は変わります。初回の注文と、その後の継続購入を分け、費用と観測期間をそろえて確認します。

売上から費用を引く考え方と、獲得月・観測期間をそろえた継続実績の図
計算関係を示す概念図です。初回に残る金額はマイナスになる場合もあります。

初回の獲得費と、注文ごとに残る金額を確認する

新規顧客1人を獲得するための費用をCACといいます。含める広告・集客・営業などの費用を決め、新規顧客数で割って確認します。広告管理画面の購入1件当たりの費用を見る場合も、既存顧客の購入が含まれるかを確かめましょう。

コーヒー豆の架空例で、税抜売上2,000円、商品原価・配送・決済などの直接費1,200円、新規獲得費1,000円とすると、初回の獲得費を差し引いた残りはマイナス200円です。ここでは固定費や返品などを含めない簡略計算です。

改善案を選ぶときは、購入率の変化に加え、値引きや送料、制作や運用の負担も確認します。売上だけを見て、継続できる施策と判断しないことが大切です。

LTVは、同じ獲得時期と観測期間で見る

LTV(顧客生涯価値)を確認する際は、何を価値として計算するかと、いつまでの実績かを決めます。売上で集計する場合は、商品原価や配送・対応などの費用も別に確認し、事業に残る金額を判断します。

獲得して1か月の顧客と、1年間利用した顧客の累計購入額を、そのまま比べると観測期間が異なります。同じ月に初めて購入した顧客をまとめ、初回から同じ期間が経過した時点の購入回数や売上を見る方法があります。

見る数字そろえる単位判断するときの確認点
新規顧客の獲得費対象期間の費用と新規顧客数含める費用、既存顧客の扱い
注文ごとに残る金額同じ商品・購入条件の注文原価、配送、決済、値引き等
顧客の累計売上同じ獲得時期と観測期間実績と将来の予測を分ける
再購入の状況初回購入から同じ経過期間商品を使う周期、購入回数

まだ観測していない将来の再購入を、確定した売上として扱わないようにします。初回の負担を継続購入で回収する考え方を採る場合も、実績と見込みを分けて確認してください。

反応・採算・運用負担から、次の改善を一つ選ぶ

コーヒー豆の選び方を補ったなら、該当ページからカートへ進む状況、購入前の質問、初回の購入条件を同じ期間で見ます。セールや広告の配信先、在庫の変化も記録すると、何が影響したかを考えやすくなります。

競合比較で仮説を作り、自社の反応と採算で見直す流れを続けましょう。結果を基に、案内を直すのか、商品の選択肢を変えるのか、次に試す仕事と担当者を決めます。

D2Cの競合分析でよくある質問

D2Cを検討するときは、販売の形、顧客との接点、運営する範囲を分けて考えます。ここでは、具体例や取引区分との違い、導入時に迷いやすい点を整理します。

B2Cの中にD2Cの直接販売を位置付け、B2Bとの違いを示す図
B2B・B2Cは取引相手の区分、D2Cは消費者への直接販売モデルです。

D2Cの具体例はありますか?

自社ブランドの商品を、自社ECや直営店で生活者へ販売する形が例です。たとえばTSUCHIYA KABANの公式オンラインストアでは注文の手順や購入条件が案内され、修理相談の窓口も公開されています。販売の仕組みと購入後の支援を確認する例として見てください。

D2CとB2B、B2Cはどう違いますか?

B2Bは企業間、B2Cは企業から消費者への取引を表す区分です。D2Cはブランドが消費者へ直接販売するモデルで、消費者へ販売する点ではB2Cに含めて考えられます。一つの企業が卸売と直販を併用する場合もあります。

D2Cのデメリットは何ですか?

集客、受注、配送、返品、問い合わせなど、自社で設計・管理する仕事が増えやすいことです。必要な業務を整理し、社内で担う範囲と外部へ任せる範囲、費用と品質の確認方法を決める必要があります。

D2Cでは定期購入を導入した方がよいですか?

定期購入は、一定の周期で必要になり、継続して届くことが顧客の利便性につながる場合に検討します。単品購入や少量のお試しなども含め、商品の用途と顧客の希望、配送や変更・解約の運用に合わせて選びます。

顧客が比較する一つの場面から始める

対象者と用途を決め、商品・購入条件・購入後の支援を同じ項目で比べます。確認した事実と仮説を分け、自社が提供できる価値を、広告から利用後までつなげてください。

小売・ECの比較検討層へ案内する方法を確認する

集客施策を検討するときは、自社が届けたい商品と対象者に合うかを確認しましょう。ライバルマーケティング広告の詳細をご覧いただけます。

ライバルマーケティング広告の詳細はこちら
  • LINEで送る

関連記事