行政書士の競合分析|業務・申請区分・報酬の比べ方

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行政書士の申請条件と報酬範囲を資料から調べる図

行政書士の競合分析は、「近隣に何事務所あるか」よりも、誰が、どの手続きを、どこまで頼みたいのかを決めるところから始まります。同じ許認可の案内でも、新規申請と更新、書類の作成だけと申請後の対応を含む依頼では、比較条件が変わります。

まず業務・申請区分・地域・依頼範囲をそろえること。その条件で候補を選び、報酬、資料の準備、担当者との連絡、手続きの進め方を調べます。競合の表現をまねるためではなく、自事務所が提供できる内容をわかりやすくするための調査です。

この記事では、行政書士事務所の経営者や集客担当者に向け、許認可を中心に比較表を作り、相談前の案内と受入体制を改善する方法を解説します。

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比較対象は、業務・申請区分・地域から絞る

「行政書士」という資格名だけで事務所を並べると、実際には違う依頼を受けている相手が混ざります。増やしたい相談を一つ選び、その相談者が検討する候補を探します。

業務・申請区分・地域・依頼範囲で比較候補を絞る図
業務・申請区分・地域をそろえ、比較する候補を選びます。

大きな業務名を、具体的な依頼に分ける

たとえば建設業の許可について相談する事業者と、飲食店の営業に関する手続きを相談する人では、必要な説明が違います。事務所全体が広い分野に対応していても、今回比べるのは特定の依頼への案内です。

日行連は、官公署へ提出する許認可等の申請書類の作成や提出手続きの代理、権利義務・事実証明に関する書類の作成などを、行政書士の仕事として紹介しています。

「会社設立支援」「相続サポート」といった名称のサービスも、担当する作業を確認します。登記や税務などを含む窓口であれば、行政書士が扱う範囲と、連携する専門家が扱う範囲を分けて比較してください。

新規申請と更新・変更を混ぜない

同じ許認可でも、新規の申請、更新、変更の届出等では、依頼の目的や準備が異なります。「許可申請○万円から」という金額を見つけたら、どの区分の案内かを確かめます。

必要な区分が不明な相談もあります。その場合の初回確認をどこまで行うのか、正式な見積もりは何を確認した後に出すのかも、相談者が事務所を選ぶ際の比較項目になります。

事務所の距離と、申請先への対応を分ける

近くへ来所したい人には所在地が重要です。一方、オンライン面談や郵送等で進めたい人には、相談方法と対応できる業務・地域が候補を分ける条件になります。

所在地が近いという理由だけで、特定の申請先への対応経験や受任可否を推定しないようにします。「全国対応」の表示も、対象業務、訪問や現地確認の扱い、追加費用まで読んで判断します。

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競合サイトでは、依頼できる作業と相談の流れを調べる

候補を選んだら、業務・報酬・担当者紹介・相談の流れを読みます。検索順位やサイトの印象から優劣を決めるのではなく、確認できた条件を比較表へ移します。

資料準備から申請後まで依頼できる作業を確認する図
相談から申請後まで、誰がどの作業を担当するかを確認します。

会員情報で基本事項を確かめる

事務所名の表記や担当者を確認する入口として、日行連の行政書士会員検索を利用できます。業務サイトやポータルに別の名称が出ている場合も、相談窓口と受任する行政書士・法人の関係を整理します。

日行連の会員検索には、氏名、登録番号、事務所の所在地・名称、主な取扱い業務などの検索項目があります。基本情報を確認する際の入口になります。

検索項目に業務名があることだけで、全ての会員がその業務を扱える、現在すぐに受任できる、と判断することは避けます。掲載された基本情報と、個別業務の案内を合わせて確かめてください。

資料準備から申請後までの分担を記録する

「申請をサポート」という言葉だけでは、依頼者に残る作業が見えません。資料収集、書類の作成、提出、提出後の照会等への対応を分けると、プランの違いを読み取れます。

調べる項目そろえる前提比較する内容
対象手続き業務名、申請区分、地域対応する範囲と対象外
資料準備手元にある資料、必要な収集本人と事務所の作業分担
書類と提出依頼する作成・提出の範囲料金に含む作業と追加条件
申請後照会や補正等が生じる場合対応の範囲、連絡と費用
相談方法希望する時間と面談方法窓口、担当者、資料の受渡し

情報がない欄には、未確認と書いてURLと確認日を残します。「記載が見つからない」と「対応していない」は別です。依頼者を装って非公開の対応内容を聞き出す必要もありません。

経験や実績は、対象業務と根拠を読む

実務経験が示されていれば、その業務との関係を確認します。前職の業界経験、行政書士としての対応経験、事務所全体の取扱件数は、同じ情報ではありません。

件数や割合を比べるときは、期間、集計対象、何を一件としたかまで見ます。一部の事例から受任の質を順位付けしたり、行政機関との関係だけで審査が有利になると読み替えたりしないでください。

相談・申請準備・審査の時間を区別する

「即対応」は、問い合わせへの返信や面談の予約を指す場合があります。資料の確認、申請書類の準備、提出、行政側の審査までが同じ速さで進むという意味ではありません。

比較表には、どの段階の目安なのかと、その前提を残します。事務所が作業する時間と行政側の処理を分け、資料がそろう時期や追加確認の有無を含めて、自事務所で説明できる案内を考えます。

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報酬は、含む作業と追加の条件をそろえて比較する

同じ業務名でも、準備や対応の範囲が違えば報酬は変わります。表示額の大小を決める前に、どこまでを依頼する料金かを確かめましょう。

二つの見積書の含む作業と追加条件をそろえて比べる図
同じ作業を頼む条件で、報酬と実費を分けて比べます。

一律料金ではなく、取扱内容を確認する

日行連の報酬額の案内では、各行政書士が報酬を定めることに加え、同じ業務でも具体的な取扱内容等により差が生じることを説明しています。

行政書士の報酬は各行政書士が定めます。日行連は、同じ業務でも取扱内容等により金額に差があるため、依頼時の詳しい費用を確認するよう案内しています。

最低額、平均値、個別見積もりは、それぞれ意味が異なります。過去の統計や他事務所の一例を、そのまま現在の標準料金とせず、税込・税別や依頼の条件も一緒に記録します。

架空の見積もりを、同じ作業で比べる

次は、一件の許認可について、申請書類の作成・提出、同じ範囲の資料収集、合意した範囲の申請後対応を依頼する架空例です。業務、申請区分、地域、資料と作業の範囲は同じとし、報酬を全て税込で設定しています。市場の相場や実際の見積もりではありません。

架空の報酬項目A事務所B事務所
作成・提出の報酬8.8万円11万円
資料収集の報酬2.2万円上記に含む
申請後対応の報酬1.1万円上記に含む
報酬合計12.1万円11万円

この設定では、作成・提出の報酬はAが低く、同じ作業を頼んだ報酬合計はBが1.1万円低くなります。入口の金額だけでなく、同じ範囲を任せる費用を比べることが大切です。

申請後の対応が別料金になるか、当初報酬に含まれるかは、実際の契約で確認します。この表は料金設定の例であり、全ての許認可に同じ費目があることや、許可を得られることを示すものではありません。

行政への手数料や証明書等の実費を分ける

申請先へ納める手数料、証明書の取得費、郵送費等が生じる場合は、事務所の報酬と区別します。上の架空表も報酬だけを示しており、これらの実費を含めた支払総額ではありません。

比較する見積もりで実費が異なっていれば、同じ手続き・資料・提出方法を前提にしているかを確かめます。行政側の手数料や必要資料は、対象の手続きを所管する機関の現行案内へ戻って確認します。

追加費用と支払いの時期まで記録する

当初の依頼に含まない作業が増える場合、どの時点で説明し、合意するかを確認します。着手時、提出時、業務終了時などの支払いの時期、依頼が途中で終わる場合の扱いも、金額と一緒に把握します。

行政書士職務基本規則の第33〜35条は、受任する内容・範囲を明確にすること、報酬を明示して説明すること、契約書を取り交わす等の配慮を定めています。

他事務所の契約が非公開なら、その欄は未確認として扱います。調査で得た疑問は、自事務所の見積もりや契約の説明に抜けがないかを点検するために使えます。

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分析結果を、業務案内と実際の受入体制へつなげる

比較表を作ったら、自事務所の相談記録や実務と照合します。新しい強みを宣言するよりも、依頼前に伝える内容と、その内容を実行する体制をそろえます。

案内する範囲と実行できる体制を照合する図
案内する範囲と、実際の受入・処理体制を合わせます。

相談者が判断できない条件を補う

料金や業務の違いが伝わっていないと、対象外の相談や、費用の認識違いが生じます。相談者がつまずいた箇所を、ページと受付の両方で直します。

相談時に見えた課題ページに加える案内受付・実務でそろえること
対象の手続きが違う業務名、区分、相談の対象最初に確認する質問
無料の範囲が不明時間、対象、有料になる作業予約前の説明と見積もりの流れ
資料が不足している相談時点で伝えてほしい情報不足を確認し収集を案内する担当
申請後が見えない対応範囲と連絡の方法進捗確認、費用変更時の説明

たとえば無料相談を案内する場合も、全ての業務を無料にそろえる必要はありません。相談で何を確認し、その先の作業をいつ見積もるかが、双方にわかることを優先します。

対応できる業務量と確認体制を見直す

増やしたい相談が決まったら、面談、資料の確認、書類作成、提出後の連絡へ使える時間を確かめます。依頼を増やす案内だけを先に出すと、担当者が説明どおりに動けないおそれがあります。

必要な知識、資格者による確認、引継ぎの手順などを整え、実際に扱える範囲から発信します。競合の人数や掲載分野の多さから、その事務所の余力や採算を推定してまねることは避けます。

公開する表現は、根拠と規則を照合する

内部の比較結果を、そのまま他事務所への評価として掲載しないようにします。「必ず許可」「どこよりも有利」など、確認した事実を超える期待を持たせていないかを点検します。

行政書士職務基本規則の第17条は、ホームページやSNS等を含む広告宣伝について、事実に合わない内容、誤認・誤導のおそれのある内容、誇大な内容等を禁止しています。

制作を外注するときも、行政書士が公開前に取扱業務と表現を確認します。法令・規則と所属会の現行案内、実際の対応内容を照合し、掲載する実績や料金の根拠と確認日を残してください。

行政書士の競合分析でよくある質問

事務所の数や、扱う業務をどこまで絞るかで迷うこともあります。競合がいるかどうかだけで結論を出さず、依頼する人と頼む作業の条件から考えます。

競合の数だけでなく依頼する人と頼む作業を確認する図
競合の数だけで判断せず、需要と対応できる条件を確かめます。

競合は何事務所を調べればよいですか?

一律の必要数はありません。同じ業務・申請区分・地域・依頼範囲で比べられる数事務所から始めます。近隣や広域、個人や法人など、相談者が選ぶ条件の異なる候補は分けて整理します。

競合が少ない業務を選ぶべきですか?

競合の少なさだけでは決められません。相談する人がいるか、具体的に何を依頼したいか、自事務所が対応できるかを合わせて確かめます。検索数が少ないことを、需要がない、または競合が弱いという結論に直結させないようにします。

幅広い業務を扱う事務所も比較対象になりますか?

同じ相談者が同じ手続きを依頼する候補なら対象になります。総合型か特化型かという名称だけで品質を判断せず、今回の業務に関する説明、担当、依頼範囲、料金条件を比べます。

オンライン対応の事務所はどう比べますか?

オンラインでできる相談と、資料の受渡し、本人確認等、現地対応が必要な作業を分けて確認します。対象業務・地域・進め方・追加費用を読み、全て非対面で完結すると推定しないようにします。

最初は一つの業務・申請区分を選び、対応地域と依頼範囲をそろえて比べてみましょう。料金に含む作業、資料準備、連絡の流れが見えてくれば、自事務所の説明や受入体制で改善する箇所も具体的になります。

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