競合サイト分析は、他社サイトの集客経路やページの説明、問い合わせまでの流れを調べ、自社サイトのどこを改善するかを決める作業です。アクセス数を見るだけでなく、ページに何が説明され、どんな順番で比較できるかを実際に確かめます。
無料でも、公開ページの内容やスマホでの使いやすさは調べられます。一方、ツールに表示される他社のアクセス数は推定を含み、実際の問い合わせ数や成約率までは通常分かりません。この記事では、調べる相手の選び方、7つの確認項目、改善案を決める手順を紹介します。
この記事でわかること
- 競合サイトで確認できる情報と、外からは分からない情報
- 目的に合う競合URLの選び方と、見るべき7項目
- 無料・有料ツールの使い分けと、改善案へのまとめ方
広告サービス紹介|ライバルマーケティング広告
競合サイト分析では、公開情報と推定値を分ける
競合サイトから得られる情報には、ページで確認できる事実と、外部データから推定した数値があります。まず、どちらに当たる情報かを記録します。

| 情報の種類 | 調べられること | その情報だけでは分からないこと |
|---|---|---|
| 公開ページ | サービスの説明、料金表記、事例、フォームへの案内 | その説明が売上や問い合わせに与えた効果 |
| 外部ツールの推定 | アクセス規模、検索流入、流入経路などの傾向 | 競合の実測値、実際の広告費や成約率 |
| 自社の計測データ | 計測設定に基づく、自社の流入や問い合わせ | アクセス権のない競合サイトの内部データ |
たとえば、競合の資料請求ボタンが目立つ位置にあることは目視で確認できます。しかし、目立つボタンだから資料請求が多いとは断定できません。「自社でも比較すべき案」として残し、自社の結果で確かめます。
外部ツールの数値も、国、端末、期間、サイト全体か一ページかによって変わります。別のツールから取得した数字を同じ精度の実測値として並べず、取得条件を添えて比較してください。
競合サイトは、調査する目的とページの役割で選ぶ
商品を比較したい場合と、検索から集客する記事を増やしたい場合では、参考にするサイトが変わります。会社名の一覧だけでなく、何を参考にするURLかを決めます。

事業の競合と、検索で競うサイトを見つける
サービス紹介ページを改善するなら、商談で顧客が比較している会社や、同じ地域・用途に対応する会社が候補です。顧客や営業へ聞くと、社内で想定していなかった比較先が見つかる場合もあります。
検索からの集客を考える場合は、自社が応えたい悩みや用途を表すキーワードで検索し、表示されたページを確認します。同業他社に加え、比較サイト、専門メディア、公的な解説などが並ぶこともあります。広告枠と通常の検索結果も区別して残します。
一回の検索結果だけで競合を固定せず、顧客が検討中に使う複数の語を見ます。検索結果は地域や時期などで変わるため、検索語、確認日、表示されたURLを記録しておくと見直せます。
サイト全体と、一ページの比較を混ぜない
サイト全体の集客経路を知りたいならドメイン(example.comなどのサイトの単位)、特定サービスの集客を知りたいなら該当フォルダやページを対象にします。大手企業の全サイトと、自社のサービスページ一つを比較しても、どの説明を直すかは決めにくくなります。
記事とサービス紹介ページも役割が違います。記事は読者の疑問に答えているか、サービス紹介ページは導入条件や申し込みの判断に必要な情報があるかという基準で、それぞれ比べます。
競合サイトで見るべき7つの項目
数字で集客の傾向をつかみ、ページを読んで改善の候補を探します。ここでは集客から問い合わせまでを点検できるよう、7項目に分けます。

1.流入経路とアクセスの推移
検索、広告、他サイトのリンクなど、どこから訪問していると推定されるかを見ます。単月の大小だけで判断せず、対象期間の推移と、確認できる新商品・広告などの動きを合わせて記録します。
流入の増減と施策の時期が重なっても、それだけで原因は特定できません。追加で調べるテーマを絞るために使います。
2.検索キーワードと、その流入先ページ
競合サイトが検索結果に表示される語と、そのページを一組で確認します。同じ語でも、比較したい人と、意味を知りたい人では必要な内容が違います。
自社がまだ扱っていない語を見つけたら、既存ページで答えられるかを先に確認します。検索語が違うだけで、同じ内容の記事を増やさないようにします。
3.説明の内容と、判断に必要な条件
見出しの数よりも、読者が次の判断に進めるかを確かめます。料金の決まり方、対象者、対応範囲、利用開始までの流れなど、自社ページで答え切れていない疑問を探します。
競合に載っている項目をそのまま追加せず、自社の提供内容と読者の疑問に合う説明を考えます。表現や画像の転載を前提にした調査にはしません。
4.事例・実績・運営者情報の根拠
事例の対象、掲載された成果の期間・条件、運営者や問い合わせ先を確認します。「多数の実績」といった表現の強さだけで評価せず、読者が内容を確かめられる情報があるかを見ます。
自社で事例を載せる場合も、確認できる事実と掲載できる範囲を整理します。他社の実績を、自社でも見込める成果として扱わないようにします。
5.問い合わせまでの導線とフォームの説明
料金や事例を読んだ後、どこから相談できるかをたどります。「相談する」「資料を受け取る」など、ボタンを押した後に何が起きるかが分かる文言か、入力前に必要事項や連絡方法が伝わるかを確認します。
競合を調べるだけなら、公開されている入力画面と案内の確認で足ります。調査目的の架空情報を入れて、問い合わせや資料請求を送信する必要はありません。
6.スマホでの読みやすさと表示性能
文字、表、画像、メニュー、ボタンをスマホ幅で見ます。料金条件が表の端に隠れていないか、固定バナーを閉じられるか、読み込み中に押したい場所が動かないかなど、読者の作業に沿って確かめます。
PageSpeed Insightsは表示性能を点検する候補です。実際の利用者のデータと、制御された環境でのテスト結果を分けて読み、総合スコア一つだけをページ全体の評価にしないようにします。ページのデータが不足すると、サイト全体(オリジン)の値が表示される場合もあるため、表示対象も確認します。
7.サイト内の案内と、他サイトからのリンク
関連記事やサービスページへ進める内部リンク、外部サイトから紹介される被リンクを確認します。記事を読んだ人が、自分に合うサービスの条件まで無理なくたどれるかを見ます。
被リンクを調べるときは件数に加え、どのようなページから、何を理由に紹介されているかを読みます。自社の調査資料や解説を充実させる参考にし、数だけを増やす目標にしないようにします。
公開ページの確認と、データを調べるツールを組み合わせる
ページの説明や申し込みまでの流れは、ブラウザーで確認できます。アクセスや検索流入を調べたい場合に、目的に合うツールを追加します。

| 調べたいこと | 使うもの・候補 | 利用前に確かめる点 |
|---|---|---|
| 説明、料金、事例、導線 | 競合の公開ページを目視 | 対象プラン、更新日、別ページの説明も確認 |
| 全体の集客経路・傾向 | Similarwebなど | 対象国、期間、取得範囲、無料で見られる項目 |
| 検索語、流入先、被リンク | Ahrefs、Semrushなど | 無料機能と有料機能、調査回数、データの対象範囲 |
| ページの表示性能 | PageSpeed Insights | スマホ・PC、実利用データとテスト結果の違い |
| 自社の流入と問い合わせ | GA4(Googleアナリティクス4)、Search Console、自社の商談記録 | アクセス権、計測設定、期間、問い合わせの定義 |
公開ページの目視確認や、PageSpeed Insightsでの公開URLの点検は、無料で始められます。Similarwebには表示範囲が限られた無料のサイト分析があり、AhrefsやSemrushで競合を詳しく調べる場合は、使う機能とプランの条件を確かめます。
Search Consoleは、自社など確認済みのサイトについて、Google検索での表示やクリックを調べるツールです。GA4と合わせて、自社で実際に起きていることを把握するために使います。
無料で表示される一部のキーワードだけでは、競合の集客全体を把握できません。有料プランでも、対象の小規模サイトに十分なデータが出るかは別に確認が必要です。契約前に、実際に調べるURLと作業で試します。
競合調査ツール15選と、無料で使える範囲を確認する調べたい情報に合わせた選び方と、契約前の確認点を紹介しています。関連記事|マーケティングノート
比較メモに、URL・確認日・取得条件を添える
調べた内容を表計算ソフトに残す場合は、次のように記録します。下の行は書き方を示す仮定例です。
| 記録する欄 | 記入例 |
|---|---|
| 対象と目的 | A社のオフィス清掃ページ/見積もり前の説明を比較 |
| URL・確認日 | 実務では確認した正規URLと、その日付を記入 |
| 確認した条件 | スマホ表示/定期清掃の案内を対象 |
| 確認できた事実 | 見積もりに必要な面積・頻度が案内されている |
| 未確認のこと | 問い合わせ数、成約率、案内を追加した時期 |
| 自社で確かめること | 見積もり前に顧客が迷う条件を営業へ聞く |
AIに表へ整理してもらう場合も、事実の欄には元ページの該当箇所を残します。書かれていない内容を補わせず、仮説や改善案は別の欄へ分けます。
分析結果を、自社サイトの改善へつなげる5ステップ
比較した差をすべて直す必要はありません。顧客の判断に関わり、自社が正確に説明できる部分から改善します。ここではオフィス清掃サービスのページを例に進めます。説明用の仮定例で、実績ではありません。

1.改善するページと目的を決める
「定期清掃のページから、対応条件の合う見積もり相談を増やす」と決めます。サイト全体の訪問数を増やす調査と、見積もり前の不安を減らす調査を混ぜず、このページで判断してほしいことを一つに絞ります。
対象ページに迷う場合は、自社の流入・問い合わせ記録と、営業が繰り返し受ける質問から候補を選びます。事業上重要なサービスで、顧客が迷う点を確認できるページを優先すると、調査後に直す箇所を考えやすくなります。
2.同じ用途のページを選び、読者の順番でたどる
同じ地域で定期清掃を案内する競合ページを選びます。冒頭の説明、料金、対応範囲、見積もりの案内へ進み、読者が何を確認してから申し込める構成かを見ます。検索流入を見る場合も、この対象ページやサービス範囲に合わせます。
3.自社に足りない説明を、顧客の疑問と照らし合わせる
仮にA社には見積もりに必要な面積・清掃頻度の説明があり、自社は「まずお問い合わせください」だけだったとします。それだけで効果は分かりませんが、見積もり前に準備すべき情報が伝わっていない可能性を考えられます。
営業へ、初回相談で何度も確認している条件を聞きます。「面積が分からない場合に相談できるか」という不安が実際にあれば、その答えも自社の対応に合わせて説明できます。
4.重要度・根拠・実行負担で、先に直す箇所を選ぶ
候補を、顧客の判断への影響、裏付けとなる自社の情報、対応にかかる負担で比べます。仮定例なら、ページ全体を作り直す前に「見積もりで確認する項目」「情報が未確定でも相談できる範囲」を追記する案が考えられます。
自社で提供しない支援や、根拠のない最低料金を追加することは避けます。競合との差を埋めることより、自社が正確に答えられる説明を充実させます。
5.変更後の問い合わせ内容と、自社データを確認する
担当者、変更日、確認する日を決めます。フォーム送信の計測に加え、対応条件を理解したうえでの相談が増えたか、同じ説明を繰り返す負担が減ったかなどを営業の記録から確かめます。
問い合わせ件数だけを見ると、対応地域外の相談が増えたことにも気付けません。広告量や季節性、同時に変えた箇所も残し、結果に応じて説明を見直します。
競合分析の手順と、10のフレームワークを確認するサイトの比較から、商品や顧客の選択肢も含めて方針を考えたい方に。関連記事|マーケティングノート
競合サイト分析で間違えやすいこと
データが出ないことと、実態がゼロであることは異なります。調査できた範囲を保ったまま、判断できることと追加確認が必要なことを分けます。

GA4で競合サイトのアクセスを調べられますか?
通常、自社のGA4から、アクセス権のない競合サイトの実測データは見られません。GA4は、自社など権限のある計測対象の分析に使い、競合の傾向は公開情報や外部ツールで調べます。
アクセス数が表示されないサイトは、参考になりませんか?
データ不足やツールの対象範囲によって、数値が出ないことがあります。アクセスがゼロとは判断せず、公開ページで確認できる説明や導線を調べます。特定の業種・地域で比較される相手なら、全体の推定アクセスが出なくても確認する意味があります。
site:検索で、競合サイトの正確なページ数が分かりますか?
正確な総ページ数は分かりません。site:検索は、そのドメインなどに絞ってページを探すために使います。結果は網羅的ではないため、表示件数をそのまま制作目標や競合の規模として扱わないようにします。
競合の問い合わせ数や成約率まで分かりますか?
競合が公開している場合などを除き、外部のアクセス推定値から正確な問い合わせ数や成約率は分かりません。自社の成約率を掛けて他社の成果を断定せず、分からない項目として残します。
最初は、改善する一ページを決める
同じ用途の競合ページを選び、顧客が判断に使う情報を比べてください。比較表にはURLと確認条件を残し、自社で確かめた疑問から、次に直す箇所を選びます。
サイト改善とあわせて、広告の接点を検討する方へ
競合や顧客の比較行動を踏まえて広告施策を考える場合は、ライバルマーケティング広告の配信の仕組みと支援内容をご確認ください。
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