月間稼働率が同じ二つのデイサービスでも、曜日別の空き、送迎距離、職員の残業が違えば経営状態は変わります。「利用者をもっと集める」だけでは、費用と現場の負担が増えることがあります。
デイサービス経営では、曜日別の利用枠、送迎、職員配置、キャンセル、継続利用を同時に見ることが改善の出発点です。売上を増やす前に、どの曜日・時間帯なら安全に受け入れられるかを把握します。
この記事でわかること
- 月間平均では見えない空き枠
- 送迎と人員の見直し
- キャンセルへの対応
- 紹介元への情報更新
- 収支とKPIの使い方。
動画でわかるライバルマーケティング
目次
月間平均の前に曜日別稼働を見る

月間の利用率が高くても、火曜は満員で木曜に空きがあれば、木曜の利用者候補へ具体的な案内が必要です。定員に対する実利用だけでなく、予約、休止、当日キャンセルを曜日別に並べます。提供時間や入浴の有無で同じ枠を単純比較しないでください。
「空き」の種類を分ける
契約できる空き枠と、送迎や人員の都合で受けられない枠は異なります。カレンダーでは色を分け、営業担当が紹介元へ誤った空き情報を伝えないようにします。新規利用の見込みがあるなら、必要な調整と開始可能日を記録します。
利用者が来ない理由を聞き取る
キャンセルには体調、通院、家族の予定、送迎、サービスへの不満などがあります。単にキャンセル率を責めると、本当の理由が記録されません。継続利用が難しい理由は相談員やケアマネジャーと確認し、無理に頻度を増やさず支援計画に戻します。
曜日別の空きは一週間後の見込みまで示す
当日の空きだけを掲載すると、紹介元は利用開始の調整に使えません。来週以降に継続して利用できる曜日、入浴や機能訓練の枠、送迎の可否を合わせて管理します。契約中の利用者の変更予定があるときは、確定した空きと見込みの空きを分け、更新日を示します。
空き枠が埋まらない曜日にだけ広告を出す前に、その曜日が家族の希望や通院予定に合うか聞き取ります。施設側の空きに利用者を合わせる発想では、継続利用につながりません。見学で確かめてもらえる活動と、受入条件を具体的に示します。
送迎ルートと受入範囲を見直す

一人の利用者を増やしても、車両が長距離を走り、職員の現場時間が減れば採算は悪化します。地図上の距離だけでなく、乗降、交通混雑、利用者の移動に必要な時間を実走で見ます。
送迎を朝夕のピークで試す
新しい地域を受ける前に、現在の車両・職員で乗降を安全に行えるか確認します。待ち時間が長い利用者がいないか、家族からの連絡が集中しないかも見ます。車両を増やす判断は、稼働の増加見込みと車両・人件費をセットで比べます。
送迎範囲を営業資料へ反映する
サイトに広い地域を載せたまま、実際は送迎できない場合、相談対応だけが増えます。対象地域と例外条件を更新し、遠方の相談には回答期限を伝えます。競合施設との差別化を急いで過大な範囲を掲げないでください。
送迎時間を伸ばすときは現場時間も計算する
新しい地域から利用者が増える見込みでも、朝夕の車両が埋まれば既存利用者の乗車時間が長くなることがあります。試走では走行時間に乗降、建物の出入り、交通状況、職員の引き継ぎを加えます。利用者一人の増収と、車両費や職員の拘束時間を同じ単位で比べます。
送迎がボトルネックなら、地域を広げる前にルート、出発時刻、曜日の偏りを見直します。利用者の状態を理由に一律に範囲を狭めるのではなく、安全に送迎できる条件と個別の必要な支援を確認します。家族へ返す案内も、地図の線だけでなく実際の対応可否を示します。
職員配置とプログラムを両立する

活動プログラムは施設の魅力ですが、職員配置を超えて種類を増やすと質が落ちます。入浴、食事、機能訓練、認知症ケアを曜日・時間帯別に並べ、誰が安全を見守るか確かめます。人員・設備・運営については厚生労働省の指定居宅サービス等の基準と自治体の最新情報を確認します。
人気の企画より継続できる活動を選ぶ
一度のイベントで利用者が増えても、毎週同じ質を保てなければ継続につながりません。利用者の希望、職員の負担、材料費、準備時間を踏まえ、日常的な活動を組みます。参加しない人の過ごし方も用意します。
欠員日の運営を先に決める
通常日のシフトだけで収支を作らないでください。休暇や急な欠勤の際に、何を優先し、どの活動を調整するかを決めておきます。職員の無理な残業で定員を埋める運営は続きません。
| 改善の論点 | 追う数字 | 現場で確かめること |
|---|---|---|
| 利用枠 | 曜日別の予約・実利用 | 受けられる空きか |
| 送迎 | 乗車時間、運行回数 | 安全と待ち時間 |
| 職員 | 欠員、残業、休憩 | 支援を続けられるか |
| 継続 | 休止・キャンセル理由 | サービスが合っているか |
ケアマネ・家族への情報を更新する

居宅介護支援事業所へ渡す資料には、曜日別の空きだけでなく、送迎範囲、入浴、機能訓練、見学方法を載せます。更新日と確認窓口がない資料は、紹介元の判断を難しくします。
利用相談への返答を早める
相談を受けたら、受入可能な曜日、必要な確認、見学候補日を返します。職員が不在で判断できない場合も、いつまでに回答するかを伝えます。相談から初回利用までが長いなら、書類、送迎、情報共有のどこで止まっているか確認します。
家族には一日の流れを見せる
「機能訓練が充実」といった言葉より、送迎から帰宅までを時系列で示します。本人の希望に合う活動があるか、休む場所はあるか、急な体調変化にはどう連絡するかを説明します。見学前に質問を受けられるページも役立ちます。
紹介元が使える情報と家族が知りたい情報を分ける
ケアマネジャーには、空き曜日、送迎地域、提供時間、入浴や機能訓練の条件をすぐ確認できる資料が役立ちます。家族には、本人がどう過ごせるか、持ち物、費用、急な体調変化時の連絡方法が重要です。同じパンフレット一枚ですべてを伝えようとせず、共通の事実から用途別に整理します。
問い合わせを受けたあと、見学候補日を提示するまでの時間も測ります。資料は整っていても返答が遅ければ、相談者は別の施設を検討します。受入判断に必要な職員が不在のときは、代行者と返答予定を決めます。
介護事業所の集客方法|地域連携とWebで利用相談を増やす介護事業所の集客では、サービス種別と提供可能量を明文化し、居宅介護支援事業所への情報提供とWeb上の確認導線を同じ内容で運用します。株式会社ディライトソリューションズ
単位収支とKPIを管理する

利用者一人当たりの収入を単純に平均せず、提供時間、加算、キャンセル、送迎、人員の関係を見ます。加算を取るために活動を増やす場合は、必要な体制と記録の負担も含めて判断します。厚生労働省の介護サービス事業者経営情報の案内とあわせ、自施設の会計記録を整えます。
改善会議では月次売上だけでなく、曜日別稼働、紹介から初回利用までの日数、送迎時間、残業、休止理由を並べます。最初の30日は空きの原因を分け、次の30日は送迎と返答を直し、90日目に職員負荷も含めて再評価します。
利用一回の収支と継続利用の価値を分ける
ある曜日の売上が高く見えても、送迎の追加便や職員の残業を含めると利益が小さいことがあります。曜日別に利用回数、提供時間、必要な職員、送迎時間を並べ、増やすべき枠を判断します。一回の採算だけで、本人に必要な支援を打ち切る判断に使わないでください。
継続利用の評価では、通所が生活に合っているか、キャンセルが増えていないかを見ます。休止の理由が入院や家族事情なら、広告の失敗とは別です。数字の定義を固定し、介護職、相談員、経営担当が同じ表を見て改善します。
広告を増やす前の確認

広告で相談を増やす前に、受けられる曜日、送迎範囲、見学対応を確認します。競合を比較中の家族へ訴求する場合も、健康状態や要介護度を決めつける表現を避け、施設の提供内容と相談方法を示します。介護・福祉・保育向けライバルマーケティングは空き枠と受入条件が整理できてから使う選択肢です。
デイサービス経営でよくある質問

月間稼働率が高ければ改善は不要ですか?
曜日別の偏り、送迎時間、残業、キャンセルを見てください。高稼働でも職員負荷が大きい場合は運営の見直しが必要です。
空き曜日の利用を増やすには?
その曜日に受けられる支援と送迎範囲を明示し、紹介元へ更新情報を届けます。本人の希望と計画に合う利用であることが前提です。
新しいプログラムを増やせば選ばれますか?
追加より先に、既存の活動が安定して提供でき、利用者の希望に合っているかを確認します。職員配置と費用も合わせて判断してください。












