資格スクールの競合分析では、同じ資格・試験年度を目指す人が、どの講座と学び方を比較しているかを調べます。スクール全体の知名度や受講料だけでは、選ばれる理由をつかめません。
初めて学ぶ人と再受験する人では、必要な授業や支援も変わります。対象者をそろえ、講義、教材、質問・添削、利用期限、費用総額、合格実績の条件を比較しましょう。違いが見えたら、自校の説明不足と、講座そのものの改善点を分けて考えます。
この記事でわかること
- 資格・年度・学習経験に合う競合講座の選び方
- 授業、質問、添削、受講期限を比較する項目
- 追加費用、給付金、契約条件の確かめ方
- 合格実績を読み違えず、講座案内の改善へ生かす方法
動画でわかるライバルマーケティング
資格スクールは、資格名・試験年度・学習経験で比較する
同じスクールでも、扱う資格やコースによって授業と支援は異なります。まず改善したい講座を決め、その受講希望者が選択肢にする講座を探します。

資格を選ぶ段階と、受講先を選ぶ段階を分ける
「仕事に役立つ資格を知りたい」という人と、「次の宅建士試験に向けて講座を選びたい」という人では、必要な情報が違います。前者には資格の活用場面や受験要件、後者には自分の学習経験や時間に合うコースの説明が必要です。
資格試験の対策講座と、修了が受験要件などに関わる養成講座も、同じものとして比較しないでください。修了で得られるものと、別に必要な試験・登録などは、試験実施機関や制度の公式案内で確かめます。
初学者・学習経験者と、目標とする試験をそろえる
同じ資格でも、基礎から学ぶ総合コース、特定科目の対策、直前の演習だけのコースでは内容が変わります。対象級や試験区分、目標年度、開始時期を記録し、比較する講座の範囲を合わせましょう。
安い講座を見つけたら、価格差の理由を対象者・含まれる授業・支援の違いから確かめます。自分で学習計画を立てられる人向けの講座を、初学者への面談付きコースと料金だけで比べると、判断を誤ります。
通学・通信・独学も、実際の選択肢として調べる
教室に通える範囲だけでなく、同じ試験に対応する通信講座やオンライン講座も候補にします。独学の教材を選ぶ人がいるなら、どこで質問や計画づくりの支援を必要とするかも調べてください。
相談時には、検討した講座、重視した条件、申し込みを迷う理由を尋ねます。全員が複数校を比べていると決めつけず、最初から一校に絞った人や、独学を続ける人も分けて記録しましょう。
BrushUP学びの2025年の調査は、資格保有・取得者386人に、資格の目的や講座の選び方を尋ねています。自校の調査でも、取得前・受講中・取得後のどの人の回答かを区別します。
出典・要約:BrushUP学び「資格取得の実態調査」
3C分析の競合分析とは?調査6項目・やり方と記入例受講希望者・競合講座・自校の関係から、比較する項目を整理する。関連記事|DSSお役立ちコラム
講義だけでなく、質問・添削・学習期限まで調べる
受講希望者が知りたいのは、授業が何本あるかに加え、分からないときに質問できるか、試験まで学習を続けられるかです。利用する場面まで想像できる比較にします。

授業と教材は、範囲・更新・演習のつながりを見る
講義の対象範囲、教材の構成、問題演習、模試、解説を確認します。学習時間の長さだけでなく、学んだ内容をどの問題で練習し、間違いをどう復習する設計かを調べましょう。
法改正や試験範囲の変更が関係する講座は、目標年度の教材か、更新や訂正がどう案内されるかも記録します。紙の教材とデジタル教材の範囲、ダウンロードや印刷の可否も、学び方の違いになります。
質問・添削は、回数と回答までの条件を確認する
「質問できる」という説明だけで比較を終えず、対象となる内容、方法、回数、受付期間、回答までの目安を確認します。質問が有料なら、コースに含まれる回数と追加購入の条件を分けてください。
添削も、提出できる課題数、再提出、返却までの目安、講評の範囲を見ます。講義内容の質問と、学習計画や進路の相談は別の窓口になっていることもあるため、それぞれ記録します。
スタディング宅建士講座の学習Q&Aはチケット制で、対象コース、質問内容、利用期間などの条件を案内しています。サポートの有無と、実際に使える範囲を合わせて確認する例です。
出典・要約:スタディング宅建士講座「学習Q&Aサービス」
| 比較する点 | 確認する条件 | 自校の案内に示すこと |
|---|---|---|
| 講義・教材 | 対象範囲・目標年度・更新 | 学ぶ順序と教材の例 |
| 演習・模試 | 回数・採点・解説の範囲 | 復習までの進め方 |
| 質問 | 回数・費用・受付・回答 | 質問例と利用手順 |
| 添削・面談 | 課題数・返却・相談範囲 | 受けられる助言の例 |
| 受講期限 | 視聴・質問・提出の各期限 | 試験前後に使える機能 |
| 通学・振替 | 曜日・欠席時の対応 | 仕事と両立する学習例 |
視聴期限・提出期限と、遅れたときの対応を分ける
動画を見られる期間と、質問や添削を受けられる期間が同じとは限りません。申込日から何か月か、試験日や指定日までかを確認し、途中から始める人が利用できる期間も比べます。
学習が遅れた場合の振替、録画、再受講、延長は、対象講座と追加費用を確認します。翌年度の教材への更新と、同じ教材の視聴延長も分けてください。
仕事や生活に収まる学習の進め方を示す
通学なら開講曜日、校舎、教室での授業か映像受講かを確認します。オンラインなら、一回の講義の長さ、スマートフォンでできる範囲、演習や添削に必要な端末を見ます。
自校では、週の学習計画と、忙しい週に調整する方法を具体例で示しましょう。「働きながら学べる」を、授業・復習・質問にどのように時間を使うかまで説明すると、検討者が判断しやすくなります。
受講料は追加費用を含め、給付金と契約条件を分ける
広告に大きく表示された価格と、必要な学習を終えるまでの支払額には差が出ることがあります。条件をそろえた総額を先に比べ、その後に割引や給付の適用を確認します。

教材・質問・模試を含めた総額で比べる
受講料に加え、入学金、教材、送料、追加質問、模試、システム利用料など、必要になる費用を整理します。受験料や資格登録の費用は、スクールへ払う費用と別に示してください。
次の表は、同じ架空の資格試験・対象年度に向けた基礎コースで、紙教材、質問10回、模試一回を利用する想定例です。すべて税込みで、ほかに必須費用はない設定です。実在校の価格や相場ではなく、費用の比べ方を示しています。
| 同じ条件で使うもの | 架空A講座 | 架空B講座 |
|---|---|---|
| 基本受講料 | 88,000円 | 110,000円 |
| 紙教材 | 11,000円 | 基本料に含む |
| 質問10回 | 5,000円 | 基本料に含む |
| 模試一回 | 4,000円 | 5,000円 |
| 比較条件の合計 | 108,000円 | 115,000円 |
基本料の差は22,000円ですが、想定した利用条件での差は7,000円です。この計算は授業や回答の質が同じことを意味しません。質問や模試を利用しない人なら、別の条件で計算し直します。
教育訓練給付金は、指定講座と本人の要件を確認する
スクール名が同じでも、すべての講座が給付の対象とは限りません。対象となる講座、受講開始時期、制度の種類を確認し、受講希望者の受給資格や必要な手続とは分けて案内します。
比較表では、まず通常の支払額を示し、給付が適用された場合の負担を別に記載します。最大の給付額を全員分の受講料から引いたり、別制度の補助を自動的に重ねたりしないようにしてください。
厚生労働省は、一定の受給要件を満たす人が指定された教育訓練を受講・修了した場合に、費用の一部が支給されると案内しています。指定講座の確認と、ハローワークでの受給要件・手続の確認を分けます。
出典・要約:厚生労働省「教育訓練給付金」
返金・解約・延長の条件を、申込前の案内と突き合わせる
合格時の返金や再受講の制度がある場合は、対象コース、申請期限、提出物などを確認します。分割払いも、月々の金額と総支払額を分け、申込後の変更・解約時にどう扱われるかを確かめましょう。
資格講座という名称だけで、同じ解約制度が適用されると判断しないことが大切です。役務の内容や契約条件に対応する説明を確認し、自校の申込ページ、規約、説明資料で内容が食い違わないようにします。
特定継続的役務提供は、対象となる役務の種類や契約期間・金額などの要件が定められています。スクールという呼び名だけで、すべての講座を一律に対象と扱わないようにします。
資格講座を比較検討している層へ情報を届ける
対象資格・授業・支援・費用の条件を整理したら、比較検討層へ情報を届けるライバルマーケティング広告の仕組みをご確認いただけます。
ライバルマーケティング広告の詳細はこちら合格実績の条件を確かめ、講座案内の改善へつなげる
合格者数や合格率は、対象者と集計方法を確認してから使います。数字の高低だけで講座を評価せず、受講希望者が必要とする支援と結び付けて考えます。

合格者数・合格率は、対象者と集計日をそろえる
全受講者、受験した人、カリキュラムを修了した人、調査に回答した人では、合格率の分母が違います。対象資格・試験回、コース、集計日、未回答者の扱いを記録しましょう。
合格者数も、一年間と複数年の累計、実人数と延べ人数を区別します。試験全体の合格率と、特定条件を満たす受講者の合格率を比べても、その差を講座の効果とみなさず、学習経験や集計条件の違いも確認しましょう。
TAC宅建士講座の実績案内には、対象年度、本科生の定義、調査に協力した人の判明分であることなどの注記があります。実績の数字と同時に、誰を集計したかを確認します。
出典・要約:資格の学校TAC「宅建士講座の特長」
ランキングや体験談は、対象講座と評価方法を見る
資格の人気、利用者の満足度、合格者数、紹介サイトのおすすめ順位は、それぞれ別の指標です。ランキングを使うなら、調査した年、資格、受講形態、回答者、評価項目を確認します。
体験談からは、質問や教材のどこが役立ったかを読み取れます。ただし、一人の経験を全受講者の結果に広げないでください。運営会社の売上規模も、その講座の合格可能性や自分との相性を直接示すものではありません。
比較表から、説明不足と支援の改善点を分ける
他校より質問回数が少なくても、それだけで回数を増やす判断はできません。自校の受講者が質問できずに困っているのか、制度の使い方が伝わっていないのかを、相談や利用記録で確かめます。
次の表は改善を検討するための記入例です。他校の非公開の条件や利用状況を推測せず、自校で確認した事実と、これから調べることを分けます。
| 比較で見えた違い | 自校で確認すること | 改善案 |
|---|---|---|
| 質問条件の説明 | 回数・対象内容が伝わっているか | 質問例と利用手順を掲載 |
| 受講期間の説明 | 遅れたときの相談内容 | 視聴・提出・質問の期限を整理 |
| 費用の案内 | 追加費用で迷う箇所 | 同じ利用条件の総額を提示 |
| 学習継続の支援 | 進度と質問への対応状況 | 相談・復習の仕組みを検討 |
競合分析テンプレートを無料配布|比較表の項目・Excel記入例根拠と未確認の欄を分けた比較表の作り方・記入例を見る。関連記事|DSSお役立ちコラム
資料請求・相談・申込と、受講後の期待のずれを追う
講座ページでは、誰向けか、何が含まれるか、必要な費用と期限を順に示します。体験講義や説明会でも、同じ教材や支援の使い方を確かめられるようにすると、比較後の疑問に答えやすくなります。
改善後は、同じ資格・目標年度・コースごとに資料請求、相談、申込を確認します。受講後の相談や解約理由も合わせて見てください。申込が増えたかと、説明どおりに学習を始められたかを、両方確かめましょう。
資格スクールの競合分析でよくある質問
比較先の選び方と、公開情報から分かる範囲を整理します。

資格スクールの総合ランキングから競合を選べますか?
候補を探す手掛かりにはなりますが、対象資格・級・試験年度・学習経験とコース内容を確認する必要があります。人気、満足度、合格者数など、ランキングが何を評価したものかも分けて読みます。
どの資格が役立つか、取得後の収入も比較すべきですか?
受講希望者が何に活用したいかは確認します。ただし、資格の取得だけで就職や収入を保証できるものとして案内しません。まず資格を選ぶ段階と、特定の試験に向けて講座を選ぶ段階を分け、支援できる範囲を示します。
通学型とオンライン講座は、同じ表で比べられますか?
同じ資格・試験年度・対象レベルをそろえれば、選択肢として比較できます。通学時間、授業の受け方、質問・添削、教材、期限、総額を記録し、受講形態だけで合格しやすさを決めつけないようにします。
他校の講座を受講しないと競合分析はできませんか?
まずは公式の講座案内、料金、規約、公開講義、合格実績の注記で調べられます。非公開の条件は未確認として残し、自校の相談や利用記録で補います。教材や講義内容の無断転用、受講希望者を装った問い合わせは行いません。











