「分析はしているが、結論が『もっと集客を頑張る』で終わる」——分析が施策につながらない典型的な状態です。
結論からいうと、分析は「データを眺めること」ではなく「どこが詰まっているかを1か所に特定すること」です。特定できれば打ち手は自動的に決まります。決まらないなら、まだ特定できていません。
この記事でわかること
- 分析を上流から見る順番(いきなりCPAを見ない)
- 最低限そろえる4つのデータ
- 分析結果が示す4つの型と、それぞれの打ち手
- 分析に使うデータの整え方
- 分析が施策につながらないときの原因

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【結論】上流から順に見て、詰まっている1か所を特定する

| 順 | 見る数字 | 落ちていたら疑う場所 |
|---|---|---|
| 1 | 流入数(チャネル別) | 配信量、検索順位、予算 |
| 2 | 滞在時間・スクロール率 | 集めている相手と内容のズレ |
| 3 | フォーム到達率 | 判断材料の不足、CTAの位置 |
| 4 | フォーム送信率 | 入力項目数、不安の残り |
| 5 | 商談化率 | 集めている相手の質、一次対応の速度 |
| 6 | 受注率 | 比較で負けている軸 |
いきなりCPAを見ない
CPAは1〜6の結果として出る数字です。CPAだけを見ても、どこが原因か分かりません。上から順に見て、最初に落ちている段階を特定してください。そこが唯一の着手点です。
複数落ちていても、上から1つずつ
2か所以上に問題があっても、同時に直さないでください。同時に変えると、どちらが効いたのか永久に分かりません。上流から1つ直し、数字を確認してから次に進みます。
最低限そろえる4つのデータ

高度な分析ツールは不要です。次の4つがあれば、詰まっている場所は特定できます。
- チャネル別の流入・問い合わせ数:広告管理画面とサイト解析
- ページ別の滞在時間・直帰率:サイト解析
- フォームの到達数と送信数:解析のイベント設定
- 失注理由の記録:営業側。どこと比較し、何が決め手だったか
4番が最も欠けている
1〜3はツールで自動的に取れますが、4番は運用でしか作れません。そして分析の精度を最も左右するのがここです。「他社に決まった」で終わらせず、比較相手と決め手まで記録してください。
まず記録の仕組みを作る
4番がない状態で分析を始めても、受注率が低い理由を推測するしかありません。データがそろっていないなら、最初の改善は「記録の仕組みを作ること」です。分析ツールを増やすより先にやるべき作業です。
分析結果が示す4つの型と打ち手

| 型 | 症状 | 打ち手 |
|---|---|---|
| ①流入不足 | そもそもアクセスが少ない | チャネルの追加、予算配分の見直し |
| ②相手のズレ | 流入はあるが滞在時間が短い | キーワード・配信対象の入れ替え、除外設定 |
| ③受け皿不足 | 読まれているがフォームに届かない | 費用の目安・他社との違い・導入の流れを足す |
| ④比較負け | 商談にはなるが受注しない | 失注理由から負けている軸を特定し、比較材料を整える |
型が決まれば打ち手は自動的に決まる
分析の目的は、この4つのうちどれかを1つ選ぶことです。「①と③の両方かもしれない」という状態は、まだ分析が終わっていません。上流から見れば必ず1つに絞れます。
④が最も見落とされる
受注率は営業の指標とされがちですが、比較で負けているならマーケティング側の課題です。比較材料が足りない、あるいは比較段階で自社が見られていない可能性があります。
外部要因と内部要因を切り分ける

数字が悪化したとき、自社の施策が原因とは限りません。
運用型広告費は2兆9,352億円(前年比112.5%)で、インターネット広告媒体費に占める構成比は88.7%。予約型広告費は3,042億円(前年比109.1%)、成果報酬型広告費は699億円(前年比96.1%)。
出典:電通「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」(2026年3月5日発表)https://www.dentsu.co.jp/news/release/2026/0305-011004.html
運用型広告費は2兆9,352億円(前年比112.5%)で、インターネット広告媒体費の88.7%を占めます。同じ枠を狙う出稿者が増え続けているため、自社が何も変えていなくても単価は上がり、CPAは悪化します。
外部要因を先に確認する
- インプレッションシェアの推移(競合の出稿増)
- 検索ボリュームの季節変動
- 媒体側の仕様変更
- 自社サイトの改修(意図しないCVR低下)
これらを確認せずに「施策が悪かった」と結論づけると、正しく動いていた施策を止めてしまうことがあります。分析の最初に、外部要因のチェックを入れてください。
分析に使うデータの整え方

計測の正確さを先に点検する
分析の前提として、次の3点を確認してください。ここがずれていると、以降の分析はすべて無意味です。
- 重複カウント:サンクスページの再読込で二重計上されていないか
- 電話コンバージョン:電話問い合わせが数えられているか
- チャネルの分離:広告・自然検索・直接流入が混ざっていないか
比較できる形にする
単月の数字だけでは判断できません。最低3か月分を並べ、傾向で見てください。とくに季節性のある商材では、前月比より前年同月比のほうが実態を表します。
粒度を揃える
チャネル別、ページ別、キーワード群別——粒度がバラバラだと比較できません。「チャネル別」を基本の単位に固定し、必要なときだけ下位に降りるという運用にすると、毎回の分析が速くなります。
広告担当者の多い競合ページを指定し、自社の広告相談へ誘導。
分析が施策につながらない3つの原因
- 決めたい問いを立てていない:網羅的に眺めるだけで、結論が出ない
- データがそろっていない:とくに失注理由。推測で埋めることになる
- 1か所に特定していない:「あれもこれも課題」で終わり、優先順位がつかない
1番を防ぐ
分析を始める前に、「この分析で何を決めるか」を1文で書いてください。「来期の予算をどのチャネルに配分するか」「LPを改修すべきか」など。問いがあれば、見るべきデータも自動的に絞れます。
3番を防ぐ
上流から順に見るという手順を守れば、必ず1か所に絞れます。複数の課題が同時に見えるのは、順番を無視して全体を眺めているためです。
分析の頻度と報告の形
| 頻度 | 見るもの | アウトプット |
|---|---|---|
| 週次 | 流入・問い合わせ・広告費 | 今週やること3つ |
| 月次 | 歩留まり全体、チャネル別の商談化率 | 詰まっている1か所の特定 |
| 四半期 | 受注貢献、指名検索数、失注理由の傾向 | 継続・中止・拡大の判断 |
報告に必ず入れる2つ
- 詰まっている場所はどこか(1か所だけ)
- 次に何をするか(3つ以内)
数字の羅列だけの報告書は、読まれても行動につながりません。グラフを増やすより、この2行を明確にするほうが価値があります。
「比較負け」と判明したときの打ち手
分析の結果が④比較負けだった場合、広告の運用改善では解決しません。必要なのは比較材料の整備と、比較段階での露出です。
まず失注理由から軸を特定する
価格で負けているのか、実績で負けているのか、対応スピードで負けているのか。軸が特定できれば、比較表に載せるべき項目が決まります。ここが曖昧なまま「もっと魅力を伝える」としても改善しません。
検索連動型広告は、インターネット広告媒体費に占める構成比38.7%(取引手法は運用型)。ディスプレイ広告は運用型が前年比111.5%、予約型が前年比98.8%。
出典:電通「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」(2026年3月5日発表)https://www.dentsu.co.jp/news/release/2026/0305-011004.html
検索連動型広告はインターネット広告媒体費の38.7%を占める最大の枠ですが、対象は検索している人に限られます。競合のサイトで比較している段階の人には、検索広告もリターゲティングも届きません。
ライバルマーケティング広告では、指定した競合URLの訪問者を対象候補として配信を設計し、自社の比較ページへ誘導します。失注理由に出てきた社名が、そのまま配信対象の候補になります。配信可否・対象母数は対象URLと商圏によって変わるため、事前診断で確認します。
分析チェックリスト
| 区分 | 確認項目 |
|---|---|
| 前提 | 「この分析で何を決めるか」を1文で書いた |
| 計測 | 重複カウント・電話CVの漏れを点検した |
| データ | 失注理由(比較相手と決め手)を記録している |
| 手順 | 上流(流入)から順に見た |
| 手順 | 外部要因(競合の出稿増・季節性)を先に確認した |
| 結論 | 詰まっている場所を1か所に特定した |
| 結論 | 次にやることを3つ以内で書いた |
販促分析で比較中の層を競合サイトで狙い撃ちし、自社の広告相談へ誘導。
マーケティング分析に関するよくある質問
分析しても施策が決まりません
「この分析で何を決めるか」を先に1文で書いてください。網羅的に眺めるだけでは結論が出ません。問いが決まれば、見るべきデータも自動的に絞れます。そのうえで上流から順に見れば、詰まっている場所は1か所に特定できます。
何から見ればよいですか?
流入数からです。いきなりCPAを見ると原因が特定できません。流入 → 滞在時間 → フォーム到達率 → 送信率 → 商談化率 → 受注率の順に見て、最初に落ちている段階が唯一の着手点です。
高度な分析ツールは必要ですか?
不要です。①チャネル別の流入と問い合わせ数、②ページ別の滞在時間、③フォームの到達数と送信数、④失注理由の記録——この4つで十分に特定できます。足りないのはツールではなく、たいてい④の記録運用です。
数字が悪化したら施策を止めるべきですか?
外部要因を先に確認してください。競合の出稿増、季節変動、媒体の仕様変更、自社サイトの改修——これらを確認せずに結論づけると、正しく動いていた施策を止めてしまいます。
課題が複数見つかりました。どれから直しますか?
上流から1つずつです。同時に複数を変えると、どちらが効いたのか分からなくなります。1つ直して数字を確認してから次に進んでください。複数が同時に見えるのは、順番を無視して全体を眺めているためです。
受注率が低いのは営業の問題ですか?
比較で負けているなら、マーケティング側の課題でもあります。比較材料が足りないか、比較段階で自社が見られていない可能性があります。失注理由から負けている軸を特定し、比較表とLPに反映してください。










