「富裕層向けの商品を用意したのに、まったく反応がない」——価格を上げただけの商材と訴求では、この層は動きません。
結論からいうと、高所得層で希少なのは資金ではなく時間です。そして判断材料の中心は、価格ではなく「誰が扱っているか」と「手間がかからないか」にあります。ここを取り違えると、どれだけ露出を増やしても届きません。
この記事でわかること
- 高所得層の意思決定の特徴(時間・信頼・プライバシー)
- 避けるべき訴求と、効く訴求
- 接点の作り方(紹介が最も確度が高い理由)
- 担当者に求められる対応
- 効果測定の考え方
設計手順の全体像は富裕層マーケティングとはで扱っています。本記事は対象そのものの特徴に絞ります。
高所得層サービスを扱う競合サイトを指定し、訪問者を自社の広告相談へ誘導。
サービス動画
まずは動画で全体像を確認できます
競合を調べているユーザーに、どう自社を選択肢として届けるのか
ライバルマーケティング広告の仕組みや、競合比較中のユーザーに接点を作る考え方を、サービス紹介動画でも確認できます。記事を読む前の全体把握にも、読み終えたあとの社内共有にも使いやすい内容です。
社内共有や後で見返す場合は、YouTubeで動画を開くこともできます。
【結論】高所得層の意思決定は3つの軸で決まる

| 軸 | 中身 | 提供側がやること |
|---|---|---|
| 時間 | 資金より時間が希少。手続きの煩雑さが最大の障壁 | 所要時間を明示し、工程を減らす |
| 信頼 | 誰が扱うか、誰が使っているかで判断する | 担当者の経歴・資格・実績を出す |
| プライバシー | 相談していること自体を知られたくない | 個室・完全予約制・情報管理を明示する |
価格は判断の主軸ではない
この層で値引き訴求が効かないのは、価格が意思決定の中心にないからです。むしろ値引きは「その程度の商品なのか」という逆の情報を与えます。金額を下げるより、上記3軸のどれかで差をつけてください。
時間が最も希少な資源

高所得層へのアプローチで最も見落とされるのが、「手間がかかること自体が断る理由になる」という点です。
障壁になりやすいもの
- 入力項目の多いフォーム
- 何度も来店・来社が必要な工程
- 連絡が取りにくい(営業時間が短い、折り返しが遅い)
- 説明が長く、結論が後回しになる資料
逆に効くもの
- 所要時間の明示:「初回は30分」「手続きは2回で完了」
- オンラインでの完結:来訪回数を減らせる
- 先回りした準備:必要書類を事前に整理して渡す
- 結論を先に言う:詳細は後ろに置く
「安い」より「早い・簡単」のほうが、この層では強い訴求になります。
広告担当者を競合サイトで狙い撃ちし、自社の広告相談へ誘導。
信頼は「誰が」で決まる

商品の性能や実績よりも、扱っている人が誰かが判断材料になります。これは商材が専門的であるほど強く働きます。
出すべき情報
- 担当者の氏名・顔写真・経歴
- 保有資格と、その分野での経験年数
- 対応した件数(可能なら業種や規模の傾向まで)
- 同じ立場の人が利用しているという事実
紹介が最も確度が高い理由
この層では、知人・士業・金融機関・かかりつけからの紹介が意思決定に強く影響します。紹介は「信頼」をそのまま移転できるため、広告より短い工程で商談に至ります。
運用型広告費は2兆9,352億円(前年比112.5%)で、インターネット広告媒体費に占める構成比は88.7%。予約型広告費は3,042億円(前年比109.1%)、成果報酬型広告費は699億円(前年比96.1%)。
出典:電通「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」(2026年3月5日発表)https://www.dentsu.co.jp/news/release/2026/0305-011004.html
運用型広告費は2兆9,352億円(前年比112.5%)で、インターネット広告媒体費の88.7%を占めます。広告で1件の接点を得るコストが上がり続けるほど、紹介経路を意図的に作る価値が高まります。
既存顧客に「どういう方を紹介してほしいか」を具体的に伝え、渡せる資料を用意しておいてください。「誰かいたら」では動きません。
プライバシー配慮は集客導線でもある

資産、医療、相続、事業承継——いずれの分野でも、相談している事実自体を知られたくないという要望があります。
Web上で明示すべき項目
- 完全予約制・個室対応であること
- オンラインでの事前相談が可能なこと
- 担当者以外が情報に触れない体制
- 資料送付の方法(封筒の表記など)を選べること
- その場で決めなくてよいこと、断る方法
問い合わせ直前に書く
これらをフォームやボタンの直前に置くと、送信率が変わります。「相談したら営業が来るのではないか」という警戒を先回りして消すことが、この層では特に効きます。
接点の場所も実態から選ぶ
(ソーシャルメディア系サービス/アプリ等の利用率・全年代)LINE:91.1%、Instagram:52.6%、X(旧Twitter):43.3%、Facebook:26.8%/(動画共有系)YouTube:80.8%、TikTok:33.2%
出典:総務省情報通信政策研究所「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(令和7年6月27日公表)https://www.soumu.go.jp/main_content/001017160.pdf
全年代の利用率はLINEが91.1%、YouTubeが80.8%、Instagramが52.6%、Xが43.3%、Facebookが26.8%です。「富裕層だからFacebook」といった通説は、利用率の実態と必ずしも一致しません。媒体の選択より、そこに置かれる文脈のほうが判断材料になります。
高所得層を調べる層を競合ページで狙い撃ちし、自社の広告相談へ誘導。
高所得層へのアプローチに関するよくある質問
富裕層向けに広告を出しても反応がありません
訴求が価格や機能に寄っている可能性があります。この層の判断材料は「誰が扱っているか」「手間がかからないか」「プライバシーが守られるか」です。担当者の経歴・実績、所要時間の明示、個室対応の記載を前面に出してください。
値引きやキャンペーンは効きますか?
逆効果になることがあります。価格が判断の主軸ではないため、値引きは「その程度の商品」という情報として受け取られかねません。金額を下げるより、対応の質や時間の節約で差をつけてください。
何が最も強い訴求になりますか?
「早い・簡単」です。高所得層で希少なのは資金ではなく時間なので、手続きの回数、所要時間、オンラインでの完結といった要素が強く効きます。「初回30分」「手続きは2回で完了」のように具体的な数字で示してください。
紹介を増やすにはどうすればよいですか?
既存顧客に「どういう方を紹介してほしいか」を具体的に伝えることです。「誰かいたら紹介してください」では動きません。あわせて渡せる資料と、紹介された側が連絡しやすい窓口を用意してください。
プライバシーへの配慮はどこまで書くべきですか?
完全予約制・個室対応、オンライン相談の可否、情報の取扱い体制、資料送付の方法、断る方法——この5つを問い合わせフォームやボタンの直前に書いてください。院内・社内のオペレーションではなく、比較検討の材料として扱う項目です。
効果はどう測ればよいですか?
件数が少ないため、月次のCPAでは判断できません。四半期単位で、相談1件あたりのコストと成約後のLTVで見てください。あわせて紹介経由と広告経由の成約率を分けて記録すると、次の配分が決まります。











