「代理店に任せているが、何をしているのか分からない」「自社でやってみたが、手が回らず放置している」——どちらも珍しくありません。
結論からいうと、外注か自社かは予算規模ではなく「週次の作業を継続できるか」で決まります。そして外注する場合も、丸投げすると成果は出ません。渡すべき情報と、確認すべきレポートの中身が決まっています。
この記事でわかること
- 外注と自社運用の分岐点
- 外注する範囲の切り分け(全部か、一部か)
- 代理店を見極める質問
- 依頼時に渡すべき情報
- 契約時に決めておくこと(引き継ぎで揉めない)

広告サービスを扱う競合の閲覧者を狙い撃ちし、自社の広告相談へ誘導。
サービス動画
まずは動画で全体像を確認できます
競合を調べているユーザーに、どう自社を選択肢として届けるのか
ライバルマーケティング広告の仕組みや、競合比較中のユーザーに接点を作る考え方を、サービス紹介動画でも確認できます。記事を読む前の全体把握にも、読み終えたあとの社内共有にも使いやすい内容です。
社内共有や後で見返す場合は、YouTubeで動画を開くこともできます。
【結論】分岐点は「週次の作業を継続できるか」

| 状況 | 向いている体制 |
|---|---|
| 週1回の検索語句確認を継続できる | 自社運用でも成立する |
| 担当が兼務で、月1回も見られない | 外注。放置は費用の垂れ流しになる |
| 遷移先の改修を社内でできない | 制作込みで外注したほうが成果が出る |
| 複数媒体を同時に運用したい | 外注、または媒体を絞って自社 |
予算規模で決めない
「少額だから自社で」という判断は、たいてい放置につながります。金額の大小ではなく、週30分〜1時間の作業を毎週続けられるかどうかが実質的な分岐点です。
外注する範囲を切り分ける

「全部お願いします」は最も成果が出にくい依頼の仕方です。どこまでを任せ、どこを自社が持つかを決めてください。
| 領域 | 外注しやすさ | 補足 |
|---|---|---|
| 配信設定・入札管理 | しやすい | 専門性が高く、任せる価値が大きい |
| クリエイティブ制作 | しやすい | 素材の消耗が速いので継続依頼が有効 |
| 遷移先の改修 | 条件次第 | 社内でできないなら制作込みで依頼 |
| 目標値の設定 | 自社が持つ | 粗利と成約率は社内にしかない情報 |
| 失注理由の記録 | 自社が持つ | 営業しか知り得ない情報 |
自社が持つべき2つ
目標値と失注理由は、外注先が知り得ない情報です。ここを渡さないまま「成果が出ない」と言っても、代理店は改善できません。
代理店を見極める質問

提案書の見た目や実績社数より、次の質問への答え方で判断してください。
1. 「弊社の目標CPAはいくらが妥当だと思いますか」
「粗利と成約率を教えてください」と返してくる会社が信頼できます。即座に金額を答える会社は、業界相場で運用する可能性があります。
2. 「毎週、具体的に何をしますか」
検索語句レポートの確認と除外追加が挙がるかを見てください。「入札の最適化」「日々のモニタリング」といった抽象的な答えしか出ない場合は要注意です。
3. 「レポートには何が書かれますか」
数字の羅列ではなく、「詰まっている段階」と「次にやること」が入るかを確認してください。サンプルレポートを見せてもらうのが確実です。
4. 「うまくいかなかった場合、何を報告しますか」
試して効かなかった施策も報告される体制かを確認します。成功事例しか報告しない会社は、学習が蓄積されません。
依頼時に渡すべき情報

渡す情報の質が、そのまま運用の質になります。次の5つを最初に共有してください。
- 粗利と成約率:目標CPAの逆算に必要
- 対象と対象外:狙う業種・規模・エリアと、対応できない条件
- 実際に比較される競合:失注時に名前が出る会社
- 営業がよく聞かれる質問:広告文とLPの材料になる
- 過去に試して効かなかった施策:同じことを繰り返さない
2番と3番が特に効く
「誰を狙わないか」と「誰と比較されているか」は、社外の人間には絶対に分かりません。この2つを渡すだけで、除外設定と訴求の精度が大きく変わります。
渡し方
口頭ではなく文書で渡し、四半期ごとに更新してください。とくに比較される競合は半年で入れ替わることがあります。
費用の見方

運用代行費は「広告費の一定割合」か「固定額」が一般的です。少額運用では割合方式でも実質的な負担が重くなるため、総額で判断してください。
比較するときの注意
- 代行費が安くても、作業範囲が狭ければ結局自社の工数がかかります
- クリエイティブ制作が含まれるかを必ず確認する(素材は消耗する)
- 遷移先の改修が含まれるかを確認する(CVR改善の主役)
単価上昇は前提として織り込む
運用型広告費は2兆9,352億円(前年比112.5%)で、インターネット広告媒体費に占める構成比は88.7%。予約型広告費は3,042億円(前年比109.1%)、成果報酬型広告費は699億円(前年比96.1%)。
出典:電通「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」(2026年3月5日発表)https://www.dentsu.co.jp/news/release/2026/0305-011004.html
運用型広告費は2兆9,352億円(前年比112.5%)で、インターネット広告媒体費の88.7%を占めます。出稿者が増え続けているため、代理店の努力とは関係なく単価は上がります。
この前提を共有していないと、「代理店を変えれば直る」という誤った判断につながります。契約前に、外部要因による単価上昇をどう扱うかを話し合っておいてください。
広告担当者が集まる競合サイトを指定し、自社の広告相談へ誘導。
契約時に決めておくこと

| 項目 | 決めておく内容 |
|---|---|
| 広告アカウントの所有 | 自社名義か、代理店名義か。解約時に引き継げるか |
| 制作物の権利 | バナー・動画・LPを解約後も使えるか |
| レポートの内容と頻度 | 「詰まっている段階」と「次にやること」が入るか |
| 最低契約期間と解約通知 | 何か月前に伝える必要があるか |
| 担当者の変更時の扱い | 引き継ぎの方法 |
アカウント所有が最も揉める
代理店名義のアカウントで運用していると、解約時に過去のデータと学習がすべて失われます。可能な限り自社名義で作成し、代理店に権限を付与する形にしてください。これは契約前にしか交渉できません。
外注してもうまくいかないケース
- 丸投げしている:目標値も対象も渡していない
- レポートを読んでいない:次にやることが書かれていても実行されない
- 遷移先を改修できない:CVR改善の主役を社内で止めている
- 失注理由を共有していない:比較で負けている軸が代理店に伝わらない
- 短期で判断する:3か月未満で成否を決めている
3番が最も多い
広告運用をどれだけ改善しても、遷移先が変わらなければCVRは動きません。社内に改修できる体制がないなら、制作込みで依頼するか、その予算を確保してください。
外注しても超えられない限界がある
検索連動型広告は、インターネット広告媒体費に占める構成比38.7%(取引手法は運用型)。ディスプレイ広告は運用型が前年比111.5%、予約型が前年比98.8%。
出典:電通「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」(2026年3月5日発表)https://www.dentsu.co.jp/news/release/2026/0305-011004.html
検索連動型広告はインターネット広告媒体費の38.7%を占める最大の枠ですが、対象は検索している人に限られます。どれだけ優秀な代理店でも、検索している人の総数は増やせません。
限界のサイン
- インプレッションシェアが9割近い
- 除外を整理してもCVRが動かない
- 予算を増やしても件数が比例しない
この状態で代理店を変えても結果は変わりません。必要なのは「運用の改善」ではなく「母数の作り方を変えること」です。競合を検討している層への配信は、その選択肢の1つになります。ライバルマーケティング広告では、指定した競合URLの訪問者を対象候補として配信を設計します。配信可否・対象母数は対象URLと商圏によって変わるため、事前診断で確認します。
外注判断チェックリスト
| 区分 | 確認項目 |
|---|---|
| 判断 | 週1回の作業を継続できるか確認した |
| 範囲 | 目標値と失注理由は自社が持つと決めた |
| 選定 | 「毎週何をするか」を具体的に確認した |
| 選定 | サンプルレポートを見せてもらった |
| 情報 | 粗利・成約率・対象外・競合を文書で渡した |
| 契約 | 広告アカウントを自社名義にした |
| 契約 | 制作物を解約後も使えるか確認した |
広告制作外注の検討層を競合サイトで指定し、自社の広告相談へ誘導。
Web広告の外注に関するよくある質問
外注と自社運用、どちらがよいですか?
予算規模ではなく「週30分〜1時間の作業を毎週続けられるか」で判断してください。続けられるなら自社でも成立します。担当が兼務で月1回も見られないなら、放置になるので外注したほうが確実です。
代理店はどう選べばよいですか?
「弊社の目標CPAはいくらが妥当ですか」と聞いてみてください。「粗利と成約率を教えてください」と返してくる会社が信頼できます。即座に金額を答える会社は、業界相場で運用する可能性があります。
丸投げしてもよいですか?
成果は出ません。目標値(粗利と成約率)と失注理由は、外注先が知り得ない情報です。この2つを渡さないまま「成果が出ない」と言っても、代理店側は改善できません。
契約前に必ず確認することは?
広告アカウントの名義です。代理店名義だと、解約時に過去のデータと学習がすべて失われます。可能な限り自社名義で作成し、代理店に権限を付与する形にしてください。制作物を解約後も使えるかもあわせて確認します。
代理店を変えれば成果は上がりますか?
状況によります。インプレッションシェアが9割近く、除外を整理してもCVRが動かない状態なら、代理店を変えても結果は変わりません。その場合に必要なのは運用の改善ではなく、母数の作り方を変えることです。
どのくらいの期間で判断すべきですか?
最低3か月です。自動入札の学習期間、素材の検証、遷移先の改修を考えると、それ以下では判断材料が揃いません。ただし毎週のレポートで「次にやること」が書かれているかは、初月から確認できます。





