「地域を指定して広告を出しているのに、商圏外からの問い合わせばかり来る」「来店につながっているのか分からない」——位置情報を使った広告でよくある2つのつまずきです。
結論からいうと、ジオターゲティングは「地名を選ぶ機能」ではなく、「商圏の外に広告費を流さないための除外機能」として使うと効きます。そして来店型の商材では、計測をクリックで止めず来店まで設計しないと、効果を判断できません。
この記事でわかること
- ジオターゲティングの3つの指定方法と使い分け
- 商圏の決め方(距離ではなく移動時間で考える)
- 「所在地」と「関心のある地域」の違いという最大の落とし穴
- 来店計測の設計と、見るべき指標
- MEOと組み合わせるときの役割分担
競合の広告サービス訪問者を狙い撃ちし、自社の広告相談へ誘導。
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【結論】ジオターゲティングは3つの指定方法がある

| 指定方法 | 内容 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 行政区分で指定 | 都道府県・市区町村・郵便番号 | 対応エリアが行政区分と一致する事業 |
| 半径で指定 | 店舗から半径〇km | 来店型の店舗 |
| 来訪履歴で指定 | 特定の場所を訪れたことがある層 | 競合店舗・商業施設の来訪者へのアプローチ |
まず決めるのは「除外する地域」
配信する地域を広く取ってから絞るより、対応できない地域を先に除外するほうが確実です。対応エリア外、営業所から遠すぎて訪問できない地域、すでに代理店がある地域——これらを外すだけで、無駄な費用が減ります。
最大の落とし穴|「所在地」と「関心のある地域」の違い

主要な媒体では、地域指定に「その場所にいる人」と「その場所に関心がある人」の2種類があり、既定では両方に配信される設定になっていることがあります。
何が起きるか
- 東京在住で「大阪 引越し」と検索した人に、大阪の店舗の広告が出る
- 旅行の情報を調べているだけの人に、地元向けサービスの広告が出る
- 結果として、商圏外からの問い合わせが増え、対応工数だけがかかる
対処
地域設定の詳細オプションで、「対象地域に所在するユーザー」だけに限定してください。旅行・宿泊・引越しなど「遠方から探される商材」では逆に関心ベースを使いますが、来店型のサービスではまず所在地に限定するのが基本です。
「地域は指定しているのに商圏外から問い合わせが来る」という相談の大半は、この設定が原因です。
商圏の決め方|距離ではなく移動時間で考える

半径5kmという指定は分かりやすいのですが、実際の来店行動とは合いません。都市部の5kmと郊外の5kmでは、移動時間も心理的な距離もまったく違います。
実データから決める手順
- 既存顧客の住所(または最寄り駅)を集計する
- 上位8割がどの範囲に収まるかを見る
- その範囲を基本商圏として設定する
- 残り2割の遠方顧客に共通点があれば、別キャンペーンで狙う
広げるときは段階的に
反響が足りないときに商圏を一気に広げると、来店率が下がってCPAが悪化します。1段階ずつ広げ、広げた範囲の来店率を個別に確認してください。「広げた地域だけ来店率が半分」と分かれば、そこで止められます。
来店計測の設計|クリックで止めない

来店型の商材でCPAだけを見ていると、実態を大きく取り違えます。Web上でCVしない人が来店しているためです。
計測すべき4つの行動
| 行動 | 計測方法 |
|---|---|
| 電話発信 | 電話番号のタップをコンバージョンに設定する |
| 経路検索 | 地図アプリへの遷移をコンバージョンに設定する |
| 来店予約 | フォーム送信 |
| 実来店 | 来店時に「何で知ったか」を聞いて記録する |
いちばん確実なのは4番
技術的な計測をどれだけ整えても、来店時の一言のヒアリングに勝る精度は出ません。受付で「何でお知りになりましたか」を必ず聞き、記録する運用を作ってください。これがないと、広告の効果は永久に推測のままです。
見るべき指標と、判断の順番

- 配信地域別のクリック数・CV数:商圏外に流れていないか
- 地域別の来店率:広げた地域が機能しているか
- 電話・経路検索の数:フォーム以外の反応
- 来店時ヒアリングによる流入元:最終的な判断材料
地域別に分けて見ることが前提
全体のCPAだけを見ていると、「一部の地域だけが極端に悪い」という状態に気づけません。配信地域レポートを月次で確認し、CVが0のまま費用だけ出ている地域を除外してください。
単価は上がる前提で設計する
運用型広告費は2兆9,352億円(前年比112.5%)で、インターネット広告媒体費に占める構成比は88.7%。予約型広告費は3,042億円(前年比109.1%)、成果報酬型広告費は699億円(前年比96.1%)。
出典:電通「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」(2026年3月5日発表)https://www.dentsu.co.jp/news/release/2026/0305-011004.html
運用型広告費は2兆9,352億円(前年比112.5%)で、インターネット広告媒体費の88.7%を占めます。商圏が狭いほど競合と同じ枠を取り合うため、単価上昇の影響を受けやすくなります。だからこそ、無駄な地域への配信を止める作業の価値が大きくなります。
広告担当者が集まる競合サイトを指定し、自社の広告相談へ誘導。
MEOとの役割分担
店舗ビジネスでは、ジオターゲティング広告とMEO(Googleビジネスプロフィールの最適化)は競合しません。役割が違います。
| 施策 | 対象 | 費用 |
|---|---|---|
| MEO | 「近くの〇〇」で探している人 | 運用工数のみ |
| ジオターゲティング広告 | 商圏内で、まだ探していない人にも届く | 広告費 |
着手はMEOから
MEOは広告費がかからず、1〜3か月で効果が出ます。営業時間、写真、サービス内容、クチコミへの返信を最新化するのが先です。そのうえで件数が足りなければ、ジオターゲティング広告を重ねてください。順序を逆にすると、無料で取れる分にも広告費を払うことになります。
失敗しやすいパターン
- 「関心のある地域」を除外していない:商圏外からの問い合わせが増える
- 半径で機械的に指定している:実際の来店行動と合わず、遠方に費用が流れる
- 電話CVを計測していない:来店型で最も多い反応を数えていない
- 地域別に分けて見ていない:悪い地域が全体に紛れて発見が遅れる
- 反響が減ると商圏を一気に広げる:来店率が下がりCPAが悪化する
最初に直すのは1番
設定を1か所変えるだけで、商圏外への配信が止まります。費用対効果の改善幅が最も大きく、作業時間は数分です。今の設定を確認するところから始めてください。
商圏が狭い場合の限界と次の一手
商圏を絞るほど、対象人数は減ります。地域を絞りすぎると、そもそも配信量が確保できず、機械学習も働きません。
検索連動型広告は、インターネット広告媒体費に占める構成比38.7%(取引手法は運用型)。ディスプレイ広告は運用型が前年比111.5%、予約型が前年比98.8%。
出典:電通「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」(2026年3月5日発表)https://www.dentsu.co.jp/news/release/2026/0305-011004.html
検索連動型広告はインターネット広告媒体費の38.7%を占める最大の枠ですが、対象はその地域で、そのキーワードを検索している人に限られます。商圏が狭い商材では、この母数がすぐ上限に達します。
母数が足りないときの選択肢
- キーワードを広げる:商圏は維持したまま、関連する課題キーワードまで対象にする
- 時間帯・曜日の制限を外す:機会損失していないか確認する
- 比較段階に当てる:競合店舗のサイトを見ている層への配信で、検索していない層に届く
ライバルマーケティング広告では、指定した競合URLの訪問者を対象候補として配信を設計します。配信可否と対象母数は商圏の広さに左右されるため、狭い商圏では事前診断での確認が特に重要です。
設定チェックリスト
| 区分 | 確認項目 |
|---|---|
| 地域 | 「対象地域に所在するユーザー」に限定している |
| 地域 | 対応できない地域を除外設定に入れている |
| 商圏 | 既存顧客の住所から商圏を決めている |
| 計測 | 電話タップ・経路検索をコンバージョンに設定した |
| 計測 | 来店時に流入元を聞く運用がある |
| 運用 | 配信地域レポートを月次で確認している |
位置情報広告を比べる層を競合サイトで狙い撃ちし、自社の広告相談へ誘導。
ジオターゲティングに関するよくある質問
地域を指定しているのに商圏外から問い合わせが来ます
地域設定が「対象地域に関心があるユーザー」も含む設定になっている可能性が高いです。詳細オプションで「対象地域に所在するユーザー」に限定してください。設定変更は数分で終わり、改善幅が最も大きい項目です。
商圏は半径何kmで設定すればよいですか?
距離ではなく既存顧客の実データから決めてください。既存顧客の住所を集計し、上位8割が収まる範囲を基本商圏にするのが確実です。都市部と郊外では、同じ距離でも来店行動がまったく違います。
来店したかどうかはどう計測しますか?
電話タップと経路検索をコンバージョンに設定したうえで、来店時に「何で知ったか」を聞いて記録する運用を作ってください。技術的な計測だけでは、Web上でCVせずに来店した人を数えられません。
反響が足りないので商圏を広げてよいですか?
一気に広げず、1段階ずつにしてください。広げた地域の来店率を個別に確認し、明らかに低ければそこで止めます。まとめて広げると、全体のCPAが悪化した原因を特定できません。
MEOと広告はどちらを先にやるべきですか?
MEOです。広告費がかからず1〜3か月で効果が出ます。営業時間・写真・サービス内容・クチコミ返信を最新化してから、足りない分を広告で補ってください。順序が逆だと、無料で取れる分にも広告費を払うことになります。
商圏が狭くて配信量が伸びません
キーワードを課題ベースまで広げる、時間帯・曜日の制限を外す、の2つをまず試してください。それでも足りない場合は、検索していない層——競合店舗を検討している層への接点を検討する局面です。ただし狭い商圏では対象母数自体が小さいため、事前診断での確認が必須になります。







