「オンライン展示会に出展したが、リストは集まったのに商談が1件も生まれなかった」——出展経験のある企業から最も多く聞く感想です。
結論からいうと、オンライン展示会の成果は当日ではなく「事前集客」と「開催後72時間の追客」で決まります。会期中にブースを整えることに労力を集中させると、名刺リストだけが残ります。
この記事でわかること
- オンライン展示会とリアル展示会の違い(何が変わるか)
- 出展が決まってからやるべき事前集客
- ブースで「名刺だけ集める」を避ける設計
- 開催後72時間の追客手順
- 費用対効果の測り方と、次回の判断基準
競合の広告サービスを見た層を狙い撃ちし、自社の広告相談へ誘導。
サービス動画
まずは動画で全体像を確認できます
競合を調べているユーザーに、どう自社を選択肢として届けるのか
ライバルマーケティング広告の仕組みや、競合比較中のユーザーに接点を作る考え方を、サービス紹介動画でも確認できます。記事を読む前の全体把握にも、読み終えたあとの社内共有にも使いやすい内容です。
社内共有や後で見返す場合は、YouTubeで動画を開くこともできます。
【結論】リアル展示会と決定的に違う3点

| 観点 | リアル展示会 | オンライン展示会 |
|---|---|---|
| 来場のハードル | 移動が必要。来た時点で意欲がある | クリックだけ。意欲の幅が広い |
| 偶然の立ち寄り | 通りがかりで足が止まる | ほぼ起きない。事前に知られていないと来ない |
| 熱量の持続 | 対面の記憶が残る | 数日で消える。追客の速度が勝負 |
「偶然の立ち寄りがない」が最大の違い
リアル展示会では、通路を歩いていて目に留まったブースに立ち寄ることがあります。オンラインでは、事前に自社を知らない人がブースを訪れる確率は極めて低くなります。つまり、出展料を払った時点では来場者はゼロで、そこから自分で集めることになります。
この構造を理解していないと、「出展すれば見込み客が集まる」という前提で準備を進め、当日ブースに誰も来ないという結果になります。
成果を決めるのは事前集客

出展が決まったら、会期の3〜4週間前から集客を始めます。ここに使う工数が、ブース制作より重要です。
事前集客の5つの手段
- 既存リストへの案内:最も反応が取れる。「保留」段階の相手にも送る
- 既存顧客への案内:紹介や追加提案のきっかけになる
- 自社サイト・SNSでの告知:出展の事実だけでなく、何が見られるかを書く
- 主催者の来場者リストへのメール:オプションとして提供される場合がある
- 広告での事前告知:来場登録を目的地にする
案内文で書くべきこと
「出展します」だけでは動きません。「ブースで何が得られるか」を具体的に書いてください。
- その場で見られるもの(デモ、事例、料金の考え方)
- 持ち帰れるもの(比較資料、チェックリスト)
- 所要時間(何分で見られるか)
アポイントは事前に取る
最も確実なのは、会期前に個別のオンライン商談を予約してしまうことです。展示会を「アポを取る口実」として使い、当日は予約済みの相手と話す——この設計にすると、商談数が読めるようになります。
ブース設計|名刺だけを集めない

資料ダウンロードと引き換えに名刺情報を取る設計は簡単ですが、それだけでは「資料は取ったが検討していない人」が大量に残ります。
温度を分ける仕掛けを入れる
| 用意するもの | 取った人の温度 |
|---|---|
| サービス紹介資料 | 低〜中(情報収集) |
| 他社との比較資料・選び方チェックリスト | 中〜高(比較検討中) |
| 個別相談・デモの予約 | 高(検討中) |
どの資料を取ったかで、追客の優先順位が決まります。比較資料を取った相手は、すでに他社と並べて検討している可能性が高く、最優先で接触すべき層です。
チャット・ウェビナーがある場合
質問を投げた人、ウェビナーを最後まで視聴した人は、資料ダウンロードだけの人より温度が高くなります。行動ログが取れるのはオンラインの利点なので、必ず記録して優先度に反映してください。
開催後72時間の追客

オンライン展示会は、対面の記憶が残らないぶん忘れられるのが速いのが特徴です。追客は速度がすべてです。
時間軸
| タイミング | やること |
|---|---|
| 当日中 | お礼メール(全員)。取った資料に触れて具体性を出す |
| 24時間以内 | 比較資料を取った層・質問した層へ個別連絡 |
| 72時間以内 | 個別相談の日程提示(選択肢を3つ出す) |
| 2週間後 | 反応がない層へ、別の切り口で1回だけ再接触 |
準備は会期前に終わらせておく
会期後に文面を作り始めると、確実に間に合いません。お礼メール、比較資料取得者向けの文面、日程提示のテンプレートは、出展前に用意しておいてください。
「全員に同じメール」をやらない
取った資料や行動で分けて、内容を変えます。比較資料を取った人に一般的なサービス紹介を送ると、検討段階が合わず反応が落ちます。
費用対効果の測り方

名刺獲得数を成果にすると、翌年も同じ結果になります。次の4段階で測ってください。
- ブース訪問数:事前集客が機能したか
- 資料取得数(種類別):温度の分布
- 商談化数:追客が機能したか
- 受注数・受注額:出展料に見合ったか
比較対象は他チャネル
出展料と工数の合計を商談数で割り、広告経由の商談単価と比較してください。展示会だけを見ていると「今年も出るか」の判断ができません。
運用型広告費は2兆9,352億円(前年比112.5%)で、インターネット広告媒体費に占める構成比は88.7%。予約型広告費は3,042億円(前年比109.1%)、成果報酬型広告費は699億円(前年比96.1%)。
出典:電通「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」(2026年3月5日発表)https://www.dentsu.co.jp/news/release/2026/0305-011004.html
運用型広告費は2兆9,352億円(前年比112.5%)でインターネット広告媒体費の88.7%を占め、広告側の単価は上がる方向にあります。広告の商談単価が上がっているなら、相対的に展示会の価値は上がります。逆も然りで、両方を並べて初めて判断できます。
競合ページを見た広告担当者を狙い撃ちし、自社の広告相談へ誘導。
出展を判断する基準
向いているケース
- 商材の説明にデモや実物の提示が必要
- すでに一定のリストがあり、事前集客できる
- 会期後に追客できる体制(人員と時間)がある
- 検討期間が長く、認知の接点を増やす価値がある
向いていないケース
- 事前集客する手段がない:リストも認知もない状態では、ブースに誰も来ない
- 会期後2週間、追客に手が回らない:最も重要な工程を飛ばすことになる
- その場で完結する低単価商材:商談前提の場に合わない
迷ったときの判断
「事前に何人にこの展示会のことを伝えられるか」を数えてください。その数が二桁に届かないなら、出展料を広告か比較材料の整備に回したほうが確実です。
よくある失敗5つ
- ブース制作に工数を集中させる:事前集客がないため、誰も見に来ない
- 資料を1種類しか用意しない:温度が分けられず、追客の優先順位がつけられない
- 追客文面を会期後に作り始める:72時間を逃す
- 全員に同じメールを送る:検討段階が合わず反応が落ちる
- 名刺獲得数を成果として報告する:商談化率が見えず、翌年も同じ結果になる
最も損失が大きいのは3番
オンラインでは記憶が残りにくく、72時間を過ぎると反応率が明確に落ちます。会期前にテンプレートを用意しておくだけで防げる失敗なので、必ず先に準備してください。
展示会に来なかった比較検討層をどうするか
展示会で接触できるのは、その展示会に来場登録した人だけです。同じ時期に自社の商材を検討していても、その展示会を知らなかった層には届きません。
検索連動型広告は、インターネット広告媒体費に占める構成比38.7%(取引手法は運用型)。ディスプレイ広告は運用型が前年比111.5%、予約型が前年比98.8%。
出典:電通「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」(2026年3月5日発表)https://www.dentsu.co.jp/news/release/2026/0305-011004.html
検索連動型広告はインターネット広告媒体費の38.7%を占める最大の枠ですが、対象は検索している人に限られます。展示会も検索広告も、「能動的に動いた人」しか対象にできない点は共通しています。
残っている層
競合のサイトで料金や事例を見比べている段階の人は、展示会にも来ず、まだ自社を検索してもいないことがあります。ライバルマーケティング広告では、指定した競合URLの訪問者を対象候補として配信を設計し、自社の比較ページへ誘導します。展示会で使った比較資料は、この遷移先のコンテンツにそのまま転用できます。配信可否・対象母数は対象URLと商圏によって変わるため、事前診断で確認します。
出展前チェックリスト
| 時期 | 確認項目 |
|---|---|
| 3〜4週間前 | 既存リスト・既存顧客への案内を送った |
| 3〜4週間前 | 案内文に「ブースで何が得られるか」を書いた |
| 2週間前 | 温度を分ける資料を3種類用意した |
| 2週間前 | 会期前の個別商談を可能な範囲で予約した |
| 1週間前 | 追客文面(お礼・個別連絡・日程提示)を作成済み |
| 1週間前 | 会期後2週間の追客担当と時間を確保した |
競合の集客方法ページを指定し、自社の広告相談へ誘導。
オンライン展示会に関するよくある質問
出展すれば見込み客は集まりますか?
集まりません。オンラインでは偶然の立ち寄りがほぼ起きないため、事前に自社を知らない人がブースを訪れる確率は極めて低くなります。出展料を払った時点の来場者はゼロで、そこから自分で集める前提で計画してください。
事前集客は何をすればよいですか?
既存リストと既存顧客への案内が最も反応します。案内文には「出展します」ではなく「ブースで何が得られるか」(見られるもの・持ち帰れるもの・所要時間)を書いてください。可能なら会期前に個別商談を予約してしまうのが最も確実です。
資料は何種類用意すべきですか?
最低3種類です。サービス紹介(情報収集層)、比較資料・選び方チェックリスト(比較検討層)、個別相談の予約(検討中)。どれを取ったかで温度が分かり、追客の優先順位が決まります。1種類だけだと全員が同じ扱いになります。
追客はいつまでにやるべきですか?
お礼メールは当日中、比較資料を取った層への個別連絡は24時間以内、日程提示は72時間以内が目安です。オンラインは記憶が残りにくく、72時間を過ぎると反応率が明確に落ちます。文面は会期前に用意しておいてください。
成果はどう測ればよいですか?
名刺獲得数ではなく、①ブース訪問数、②資料取得数(種類別)、③商談化数、④受注額の4段階です。そのうえで出展料と工数の合計を商談数で割り、広告経由の商談単価と比較してください。展示会単体では「来年も出るか」を判断できません。
出展すべきか迷っています
「事前に何人にこの展示会のことを伝えられるか」を数えてください。その数が二桁に届かないなら、出展料を広告や比較材料の整備に回したほうが確実です。また、会期後2週間の追客に手が回らない場合も見送りをおすすめします。





